広島県福山市が新たに「国際会議観光都市」に認定:MICE誘致のメリット・経済効果とは?

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9月30日、広島県福山市が54番目の国際会議観光都市に認定されました。国際会議観光都市とは、観光庁MICEの振興にふさわしいと認定した都市のことをいいます。福山市は独自のMICE戦略を策定しており、MICE開催を市の重点施策のひとつとして取り組んでいます。

この記事では、今回認定された福山市のMICE戦略の特徴や戦略を紹介するとともに、国際会議観光都市MICEを誘致するメリットについて解説します。

関連記事:MICEとは?

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国際会議観光都市とは?

観光庁では、国際会議や学会などを振興するにふさわしい自治体を、国際会議観光都市として認定しています。

国際会議観光都市に認定されるには、おもに以下の4つの項目が条件となっています。

  1. 国際会議を開催できる施設があること
  2. 国際会議の参加者が利用できる宿泊施設が整備されていること
  3. 国際会議の誘致や開催を円滑に行える体制が整っていること
  4. 周辺地域に魅力的な観光資源があること

国際会議の会場となる施設や宿泊施設については、国土交通省令で定める概要や規模をクリアする必要があります。

国際会議観光都市、新たに福山市が認定

今回、国際会議観光都市に認定された福山市は54都市目で、2015年に認定された青森市以来9年ぶりの新たな国際会議観光都市認定となりました。

福山市では、2020年に「福山市MICE戦略」を策定しており、独自の戦略でMICEの誘致を行っています。

▲「(別紙)国際会議観光都市(54都市)(観光庁 https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001763041.pdf)より抜粋

市全体をひとつの会場とする「エリアMICE」を展開

福山市のMICE戦略の特徴のひとつが、福山市全体を会場とする「エリアMICE」です。

国際会議を開催できる施設や参加者が利用できる宿泊施設を新たに作るのではなく、既存の施設を活用して福山市全体でMICEを受け入れています。

また、福山市ならではの歴史的建造物や文化施設なども組み合わせることで、大型会場での開催が多いほかの都市とは違った独自性を打ち出しています。

MICEを誘致するメリット:高い経済効果

MICEを誘致する大きなメリットのひとつが、高い経済効果を見込める点です。国土交通省が公表している「MICEの誘致・開催の促進」によれば、2016年の国際MICEによる経済波及効果は、約1兆590億円となっています。

また、国際会議などへの参加を目的に日本を訪れる外国人と、一般観光で訪れる外国人では、平均消費額が大きく異なる点もMICEを誘致するメリットとしています。

  • 外国⼈参加者1⼈当たりの平均消費額:約26.1万円(※主催者費用も含む)
  • 訪⽇外国⼈1⼈当たりの平均消費額:約15.6万円

MICEの誘致は、一般的な観光を目的にしたインバウンド戦略以上に、高い経済効果を得られる可能性が高いと考えられています。

観光庁・JNTOの「MICEマーケティング戦略」

観光庁JNTOは、2023年に「訪日マーケティング戦略」を策定し、そのなかで「MICEマーケティング戦略」を掲げています。

この戦略では、国際会議インセンティブ旅行の誘致を促進するための方針が決められています。具体的には、海外向けのプロモーションに加えて、国内の人材育成やオールジャパン体制での誘致や開催支援の実施などが挙げられています。

また、日本政府観光局JNTO)でも、国際会議の誘致や開催に関する支援を行っており、今後も日本全国でMICE誘致が加速することが期待されます。

関連記事:JNTOの今後の方針は?MICE・日米観光交流年・地域連携 ほか【メディアブリーフィング2024年7月】

国際会議の開催ランキングで日本は7位

国際会議協会(ICCA)が発表した2023年版の国際会議の開催地ランキングでは、日本は363件で7位となりました。1位はアメリカ(690件)、2位はイタリア(553件)、3位はスペイン(505件)でした。

日本は719件で5位にランクインしていたコロナ禍前の2019年と比べると減少傾向にありますが、コロナの影響が大きかった2020年の225件と比べると回復傾向にあることがわかります。

都市別では東京が91件で13番目にランクイン。日本国内では京都が2位(41件)、3位が大阪(20件)と続きます。

大きな経済効果が期待でき、政府も積極的に支援を行うMICE誘致の今後の動向に注目です。

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<参照>
国土交通省 観光庁:福山市を国際会議観光都市として認定
e-GOV法令検索:国際会議等の誘致の促進及び開催の円滑化等による国際観光の振興に関する法律(平成六年法律第七十九号)
日本政府観光局(JNTO):MICEとは
国土交通省 観光庁:(別紙)国際会議観光都市(54都市)
青森市:「国際会議観光都市」青森市
福山市:福山市MICE戦略について
国土交通省 観光庁:MICEの誘致・開催の促進
国土交通省 観光庁:新たな「訪日マーケティング戦略」を策定しました
日本政府観光局(JNTO):日本政府観光局(JNTO)MICEの誘致開催支援
日本政府観光局(JNTO):日本におけるICCA基準の国際会議開催状況について(2023年)
日本政府観光局(JNTO):2019年国際会議統計 2 章 世界規模で見る国際会議の動向
日本政府観光局(JNTO):2022年国際会議統計 2 章 世界規模で見る国際会議の動向

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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