中国インバウンド市場の消費トレンドは、かつての「爆買い」から変化しました。最近では中国国内の商品・サービスの品質が向上した結果、中国人の「中国ブランドへの愛」が高まっているという調査結果もあり、日本企業はこれまでのように「ただ売る」だけでは勝てなくなってきています。
本記事では、日本にとって重要なインバウンド市場の一つである中国の消費トレンドについて、データをもとに解説します。
中国人の「中国国内ブランドへの愛」が高まっている
中国の調査機関 World Brand Labがアジア各国の消費者を対象に実施した「自国ブランド忠誠度」は、自国のブランドに対する愛着心を図る調査です。
これによると、1位が日本(84%)、2位が韓国(75%)、3位が中国(70%)でした。好きなブランドトップ10として、日本ではセブン-イレブンや資生堂、ソニー、無印良品など、韓国ではサムスンやヒュンダイなどが名を連ねています。
注目すべきは中国で、以前実施した調査の36%から今回70%に上昇するなど、自国のブランドに対する忠誠度が高まっていることが明らかになりました。具体的なブランド名ではSNSの「Douyin(抖音)」「WeChat(微信)」がランクインしたほか、スマートフォンをはじめとした家電メーカーXiaomi(シャオミ)、Huawei(ファーウェイ)、生活家電メーカーHaier(ハイアール)などが挙げられました。

中国の自国ブランドに対する熱量の高まりの背景として、たとえばスマートフォンや家電製品などを中心に、中国ブランドの競争力が高まっていることが挙げられそうです。
ここで気になるのが、日本を訪れる中国人の日本ブランドへの購買意欲です。中国人は自国のブランドの商品への愛着心が高まっていることから、日本ブランドへの購買意欲が下がっているのでしょうか。
訪日中国人観光客の消費額はすでにコロナ前を上回る
まずは、訪日中国人の消費額を見ていきましょう。観光庁が実施した「インバウンド消費動向調査」の結果では、2024年7‐9月期の訪日中国人旅行消費額は5,177億円でした。コロナ前の2019年同期比5.2%増で、訪日中国人観光客の消費額がコロナ前の水準を上回っていることがわかります。
また、日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年10月の国別の訪日客数においては、中国が58万2,800人でコロナ前の約8割まで回復しており、中国インバウンド市場は再びその勢いを取り戻しつつあります。
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消費トレンドは“爆買い”から「ハイブランド」や「日本ならではの商品」へ
訪日中国人観光客の消費額がコロナ前を上回っているなかで、消費トレンドは大きく変化しています。
かつて訪日中国人観光客と言えば、日本の製品を大量に買い求める、いわゆる “爆買い”のイメージが強いかもしれません。
しかし現在は、富裕層などからはハイブランドが好まれているほか、日本ならではの商品が人気を集めているようです。
百貨店ではハイブランドなどの免税品の売上が好調
日本百貨店協会が発表した「2024年10月全国百貨店売上高概況」によると、インバウンド客による売上(免税売上)は前年同月比32.3%増で31か月連続プラスとなっており、インバウンド市場における百貨店の売上が好調であることがわかります。
また同協会が発表している「2024年10月免税売上高・来店動向【速報】」では、来店が多かった国や地域として中国が挙げられています。
- 中国
- 韓国
- 台湾
- 香港
- タイ
- シンガポール
- マレーシア など
そのほかにも、インバウンド推進委員店87店舗における人気商品も紹介されています。
- 化粧品
- ハイブランド
- 食料品
- 婦人服飾雑貨
- 婦人服
お菓子類や日用品、家電などの購入が多かった爆買いとは異なり、現在では化粧品やハイブランドなどといった商品の人気が高まっています。
海外ブランドをはじめとするハイブランドが好調な売上は消費額の増加を後押ししていますが、その要因の一つとして人民元に対する円安傾向が考えられています。
関連記事: 百貨店インバウンド売上、初の5,000億円突破 国慶節・円安影響で10月も好調
「日本で買う理由」が求められている
観光庁 インバウンド消費動向調査(7-9月期)によると、訪日中国人の1人当たりの旅行消費額(観光・レジャー目的)は26万1,659円で、2019年同期比で31.0%増となりました。
この続きから読める内容
- 日本ブランドの購買意欲は衰えていない。一方で需要は変化
- 日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
- 【インバウンド情報まとめ 2026年2月後編】訪日中国人数6割減でも「インバウンド全体としては好調」、観光庁 / 1月の訪日外客数359.8万人、韓国が史上初の110万人超え ほか
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