訪日客数3,600万人・訪日消費8兆円突破 観光庁長官「長年の成果」

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観光庁の秡川 直也(はらいかわ なおや)長官は1月15日、定例会見を実施しました。会見では同日発表された、日本政府観光局JNTO)による訪日外客統計および観光庁によるインバウンド消費動向調査の結果について報告しました。

訪日外客統計によると、12月推計値は349万人で単月過去最高を更新。2024年年間推計値はこれも過去最高となる3,687万人を記録しました。

またインバウンド消費動向調査によると、旅行消費額は年間速報値で8兆1,395億円となり、これまで過去最高であった2023年の5兆3,065億円からさらに53.4%増となりました。

観光庁の秡川 直也長官 定例会見
▲観光庁の秡川 直也長官 定例会見:訪日ラボ撮影

関連記事:観光庁長官 前回の定例会見(12月)

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訪日客数・消費額過去最高、秡川長官「長年取り組んできた成果」

今回発表されたデータの中で特筆すべきなのは、訪日客数・訪日旅行消費額の年間数値が過去最高を記録したのはもちろんのこと、12月で単月として過去最高を更新した点です。

以前は2024年10月の331万人が最高記録でしたが、これをさらに約18万人上回る結果に。そもそもコロナ前は桜のシーズン(3〜4月)や夏季休暇のシーズン(7月)がピークであったにもかかわらず、今回12月が過去最高となったということで、いかに需要の伸びが大きいかを示しているといえます。

訪日外客数の年間推移
▲訪日外客数の年間推移:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成

こうした好調の要因について問われた秡川長官は、「長年取り組んできた成果が噛み合ってきている。訪日需要は堅調で、航空便も回復している」と述べました。

市場別の動向については「東アジアだけでなく、東南アジア欧米豪、中東からの訪日客も増えている」と評価。回復が遅れている中国市場については、「(2024年の)前半は低調だったが、後半は良くなった。経済の状態など要因はあると思うが、トレンドとしては回復傾向」とし、さらに外務省が進める中国ビザの緩和による影響にも期待感を示しました。

1人当たり消費額は22.7万円

また、2024年の1人当たり消費額は22.7万円となり、2019年の15.9万円から大きく伸びたことがわかりました。2023年の21.3万円からも微増しています。

長官は訪日旅行消費額について「1人当たりの使うお金も増えて、人数も増えているので旅行消費額が増えた」と話しており、単に訪日客数が増加して消費額が増えるだけでなく、消費単価も伸びたことを評価しました。

2030年6,000万人に向け、今年は経過目標の「4,000万人」へ

2030年の目標として訪日客数6,000万人、訪日旅行消費額15兆円を掲げる中、長官は2024年に8兆円を達成したことについて「ここまできたのかという感想」と改めて振り返ります。

今年2025年の目標について問われると、明確な目標値はないものの「2030年の目標を6,000万人と定めた際には、2020年に4,000万人と定めていた。6,000万人を達成する上で、その途中に4,000万人の目標がある」「(今年は)途中経過の目標を達成できるように、力を合わせてやっていきたい」と述べました。

課題は地方部への誘客と宿泊日数

2025年の取り組みについては、「今年もやることは変わらない」「行政だけでなく民間の皆様方と、息の長く正しい取り組みをやり続けるのが大事」と述べており、これまで続けてきた取り組みを引き続き進める方針です。

一方で課題については、「人数がさらに増えて新しい状況になると新たな課題、目に見えなかったことも出てくる。関係者で対処しつつ成果を出していきたい」などと、いわゆる「オーバーツーリズム」問題を中心とした取り組みにも言及しました。

また、関連する課題として三大都市圏への観光客の集中について問われると、「外国人が来てくれても、泊まるのは東京で、日帰りで帰ってしまう。(地方にも)いいところがあるというのを知ってもらって、ゆっくり過ごしてもらうというのが今後やらないといけないこと」だと話します。

2025年度が最終年度となる観光立国推進基本計画でも「訪日外国人旅行者一人当たり地方部宿泊数2泊」の目標を掲げる中、未だ達成されない課題として残っているといいます。今後は地方部へ誘客するだけでなく、その地域で宿泊してもらう取り組みが重要となりそうです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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