ミステリーショッパー(覆面調査)とは?店舗が実施するメリットや調査の流れを紹介

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ミステリーショッパーとは、調査員が一般顧客を装って店舗を利用し、事前に設定されたチェック項目に基づいてサービスや接客を評価し、レポートを作成する調査方法です。日本では「覆面調査」としても知られています。

自社サービスの課題を明らかにしたり、従業員の意識向上につなげたりするなど、多くのメリットがあります。

インバウンド需要が増加する中で、多文化対応やサービスの細部を改善する必要があるインバウンド対策において、顧客目線での評価を行うことは非常に重要です。

これにより、訪日観光客の満足度を向上させ、再訪や口コミによるプロモーション効果を高めることが期待されます。

本記事では、ミステリーショッパーの基本的な概要、調査内容の具体例、実施の流れについて詳しく解説します。

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ミステリーショッパー(覆面調査)とは

覆面調査ともいわれるミステリーショッパーは、一般的に調査会社に委託し、調査後に接客やサービスに関する報告レポートを受け取る流れで行われます。

覆面調査員を活用してサービスの実態を把握し改善する手法

ミステリーショッパーは店舗のサービスを改善するための手法で、アメリカで誕生しました。調査員は買い物客に扮して来店し、買い物をしながら店員や店舗のサービスを事前に用意された項目に沿ってチェックします。

アメリカでは、ファストフード店や行政機関、銀行など、対人業務を行う店舗で導入されている手法です。

ミステリーショッパー対象の業種

ミステリーショッパーは、おもに飲食業や小売業、サービス業など、接客業務を伴う業種で導入されています。

  • 飲食業(レストラン、居酒屋、喫茶店、カフェ、食堂 など)
  • 小売業(百貨店、アパレル、スーパーマーケット、ドラッグストア、家電量販店 など)
  • サービス業(ホテル・旅館、美容院・エステサロン、銀行、保険会社 など)

おもな調査内容

営業形態や店舗によって、ミステリーショッパーが調査する内容は異なります。

飲食店の場合、入店時のスタッフ対応、接客態度、料理の提供時間、店内の清潔さ、トイレの様子などを評価します。料理や接客だけでなく店内の様子について細かく観察されます。

小売店サービス業の場合は、店員に話しかけた際の対応や商品のすすめ方、店員の身だしなみ、レジ対応、商品の陳列状況、清潔感などがチェックされます。

調査を行う時はチェックシートやマニュアルを店舗スタッフに見られないよう、調査員は事前にチェック項目を頭に入れて臨みます。調査の項目数は多くて50〜150ほどといわれています。

店舗がミステリーショッパーを実施するメリット

ミステリーショッパーを実施して店舗側に悟られないように調査することで、店舗はどのようなメリットが得られるのでしょうか。以下で代表的な3つのメリットを解説します。

1. 店舗の課題を洗い出せる

店舗運営者と顧客の感覚は、必ずしも一致するとは限りません。

顧客が不便に感じている点を店舗が気付いていなかったり、逆に店舗が良かれと思って実施していることを顧客は「ありがた迷惑」に感じていたりということが起こっているかもしれません。

このような店舗と顧客の思惑のズレこそが、サービスを改善する上での課題となります。

ミステリーショッパーを実施することで、一般客と同じ目線における冷静かつ客観的な意見が得られます。自社スタッフだけでは気付けない改善点、問題点の発見につながります。

2. 顧客の率直かつ詳細な意見を集められる

消費者の意見を調査する代表的な手法として、店舗にアンケートBOXを設置して記入してもらうものがあります。しかし簡易的なものであるため、有効な回答を得にくいことがデメリットになっていました。

一方ミステリーショッパーでは、店舗側が指定した項目に沿ってリサーチを行うため、従来型のアンケートに比べて店舗が知りたい事柄に沿った的確な情報が得られます。調査員はいち消費者でもあるため、顧客の率直な意見として受け取ることができます。

3. 客観的なフィードバックで従業員の意欲を高められる

やる気が見られない従業員、髪型や接客のルールを守っていない従業員がいると、次第に顧客満足度も低下してしまいます。このような従業員に店長やリーダーが注意をしても改善が見られないケースがあります。

ミステリーショッパーを利用して顧客の生の声を伝えることは、従業員のモチベーション改善につながる可能性があります。

厳しい評価も従業員に共有したうえで、店舗への評価が上がった際にも情報を共有すると、各スタッフの意欲向上が期待できます。

複数の店舗を経営している場合には、他支店との評価を比較することで競争意識が芽生え、切磋琢磨しながら成長できるでしょう。

ミステリーショッパー実施の一般的な流れ

ミステリーショッパーの実施手順は、依頼先によって流れが異なります。

今回はミステリーショッパーの実施依頼から、調査報告レポートを受け取るまでの一般的な流れを紹介します。

1. 委託するリサーチ会社選び・依頼

まずはミステリーショッパーを行なっているリサーチ会社へ、業務を依頼します。予算やサービス内容、業務の実績などは企業によってさまざまです。

自社が全国に数百店舗の支店を構える企業の場合、1つのリサーチ会社にまとめて依頼できない場合があります。こうした場合は、広いネットワークを活用して全国に調査員を派遣できるリサーチ会社を選ぶことが優先事項になります。

また、実績で選ぶ場合は同業種の店舗でミステリーショッパーを実施したことのある会社に依頼することで、的確な評価を得られる可能性が高まります。

予算から会社を選ぶ場合は、複数のリサーチ会社に見積もりを依頼して、適正価格を把握することが大切です。適正価格から大きくずれている場合はその価格の意味を確認するとともに、高単価を出すことによって得られるメリットを再考すると良いでしょう。

2. 調査内容・評価項目の打ち合わせ

リサーチ会社への依頼を済ませると、次は依頼先との間で綿密な打ち合わせを行います。

店舗によってミステリーショッパーを利用する目的は異なるため、打ち合わせではその目的や、把握している問題点などを話しながら、調査内容と評価項目を設計します。

3. 調査員の募集・選定

できあがった調査票をもとに、調査員を募集します。調査員候補の中から、居住エリアや年齢、性別などの条件が調査に適した人を選定します。

4. 調査の実施

選ばれた調査員は、各自で現地のサービスを受けにいきます。調査内容をレポートにまとめて、提出するまでが調査員の役割です。

5. レポートの受け取り、改善へ

調査員が提出したレポートは、リサーチ会社が細かくチェックをしてから納品されます。

課題が明確に記載されていない、依頼主(店舗)が知りたいことが書かれていないといった場合は、リサーチ会社が調査員にヒアリングし、再度レポートを提出するケースもあります。

顧客体験を通じて等身大の意見を集められるミステリーショッパー

店舗で実施しているアンケートや意見箱では、顧客の意見をうまく集められないことがあります。

ミステリーショッパーでは、消費者としての目も持つ調査員に、店舗の知りたいことや課題をくわしく調査してもらうことができます。

調査報告書が納品されるまでのステップが多いため一見難しそうに思えますが、相性のよいリサーチ会社に依頼することができれば、顧客の率直な意見を把握するための効率的な調査方法だといえます。

売り上げや顧客満足度のアップに悩んでいる場合や、自店のレベルアップを望んでいる店舗では積極的に取り入れていきたい手法です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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