中国人観光客増加の3つの理由:円安、ビザの発給条件の緩和、LCCの増加が要因

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訪日中国人観光客は観光業においては重要なターゲットになっています。そんな訪日中国人観光客を理解するうえでは、旅行者の人数を詳しく知ることが欠かせません。このような訪日中国人観光客の来訪人数について紹介するとともに、その背景も探っていきましょう。

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中国人観光客の増加推移

訪日中国人観光客の数は増え続けています。2000年には35万人だったのが、2005年には65万人に、そして2008年には100万人を突破します。

中国人の外国旅行者数と訪日客数の推移(2006年〜 2015年):JNTOより引用
▲[中国人の外国旅行者数と訪日客数の推移(2006年〜 2015年):JNTOより引用]
その後、2009年はリーマン・ショックを受けて多少ペースが落ちましたが、2010年には141万人、2015年にはもう少しで大台突破の499万人と、着実に訪日中国人観光客の人数は増加しています。

2014年の訪日中国人観光客人数の急増

前掲のグラフを見ると、2014年から訪日中国人観光客人数が急増していることが見て取れます。その数240万人で、前年の訪日中国人観光客が130万人程度でしたので、前年比84%で増加しました。その背景には何があるのでしょうか。

 

中国人観光客が増加している3つの理由

訪日中国人観光客の増加理由を3つご紹介します。

中国人観光客増加理由1. 円安

訪日中国人観光客の人数がこのように増えている理由が元高円安です。

為替相場の訪日外国人観光客1人あたりの旅行支出額への影響
▲[為替相場の訪日外国人観光客1人あたりの旅行支出額への影響:訪日ラボ編集部]

2011年以後、円安が進行してきましたが、これによって日本旅行がしやすくなっており、訪日中国人観光客の増加、さらにその消費額の増加に貢献しているのです。

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訪日客消費額が前年比マイナス…ってホントに?現地通貨ベースでは消費額上昇、原因は「コト消費」ではなく為替にあり!!

観光庁は先日10月19日、訪日外国人消費動向調査の平成28年7-9月期の結果において、訪日外国人旅行消費額が前年同期比2.9%減少で9,717億円だったことを発表しました。前年同期比での減少は平成23年10-12月期以来4年9ヶ月ぶりです。観光庁によれば、訪日外国人観光客の1人あたり旅行支出は155,133円で前年同期比17.1%減少。しかしながら、訪日外国人観光客数は前年同期17.1%増加で626万人になっており、総額の減少幅は2.9%にとどまりました。訪日外国人観光客1人あたりの旅行支...

中国元の上昇も中国人観光客増加に寄与

また、前掲の図を見てわかるように、円安が進む=ドル高が進むと、それに追従するように元高になります。元は円に対して、ドルに追従する格好で反応する傾向があります。

中国の経済成長とともに中国元の切り上げが続いており、このことも日本旅行がしやすくなっている理由です。円安中国元高がすすめばそれだけ実質的な旅行コストも下がり、訪日中国人観光客の人数が増えるのは至極当然のことであり、この傾向は今後も続くとされています。

中国人観光客増加理由2. LCC(格安航空会社)増加

さらに、LCC格安航空会社)が増えて日本旅行がしやすくなったこともポイントです。これによって所得が少ない中国人にとっても、日本旅行は身近なものになりました。また、日本・中国間の航路も増えています。

中国人観光客増加理由3. ビザの発給条件の緩和

また、訪日中国人観光客向けのビザの緩和も見逃せません。2010年にそれまでは富裕層に限っていたビザの発給が大幅に緩和されました。これによって中間層の中国人も日本を訪れるようになり、訪日中国人観光客の人数が増加しています。 

訪日中国人観光客増加の理由に着目した対応を

訪日中国人観光客の人数は上昇を続けています。特に近年は著しいものがあります。その背景にあるものが訪日中国人観光客向けビザの緩和や円安の進行、そして格安航空会社や航路の増加などにあることは、しっかりと抑えておきましょう。

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<参照>

訪日中国人観光客インバウンドデータ集

データでわかる訪日中国人観光客

爆買いという流行も後押しし、2015年の中国人訪日外客数は前年の約2倍となる499万人となりました。また、2015年の訪日中国人によるインバウンド消費額は約23万円で前年比10%増程度ですが、訪日外客数増加の後押しをうけ、訪日中国人全体のインバウンド消費額はなんと5,583億円。

訪日中国人観光客の特徴

'爆買い'という流行語が現れるほどに存在感を放っている訪日中国人観光客。日本国内でも大きな注目が集まっており、彼らに関するニュースやコラムを目にする機会は少なくありません。

訪日中国人観光客が中国国内でよく見る人気のWEBサイト一覧・解説

中国はご存じのとおり、facebookやtwitterが閲覧できないほど非常に厳しいネット規制があります。中国国外のWEBサイトの検閲規制がかかっていたり、サーバードメインも現地法人がないと取得できなかったりと、様々な壁が存在します。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(1):WeChat(微信)

訪日中国人観光客の増加に伴い、インターネットを活用したインバウンドマーケティングへの関心が高まっています。しかし、中国のネット事情は日本とは大きく異なります。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(2):テンセントQQ

訪日中国人観光客が必携としているコミュニケーションツールをWeChat(微信)のほかにひとつだけ挙げるとしたら、それはテンセントQQ( 騰訊QQ、Tencent QQ; 以下、QQと略)だといえるでしょう。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(3):Weibo(微博)

訪日中国人観光客が常用するアプリとしてWeChat(微信)とQQを取り上げましたが、Weibo(微博)も忘れてはなりません。「微博」は中国語で“ウェイボー"と読み、ミニブログ、マイクロブログという意味です。

訪中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(4):人人網(レンレンワン)

訪日中国人観光客が常用するサービスとして、WeChat(微信)、QQ、Weibo(微博)をご紹介してきました。いずれもTwitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)の良い所どりをしながら機能の充実を図ってきており、若干の不確定要素をはらみながらも、中国の3大SNSとして大きな存在感を誇示しています

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(番外編1):ネット規制のアプリへの影響&ニュースアプリ篇

昨年(2015年)以来、中国経済を語るうえで重要なキーワードとなっているものに「互聯網(フーリエンワン)+」(インターネットプラス)があります。これは中国国務院(日本の内閣に相当)総理の李克強氏が唱えたコンセプトです。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(番外編2):ネットラジオ篇

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

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「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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