訪日外国人観光客に人気の旅行先は、以前であればゴールデンルートに偏っていましたが、最近では地方にもスポットライトが当たり始めています。
観光庁が2016年11月30日にリリースした宿泊旅行統計調査によると、三大都市圏に宿泊した訪日外国人観光客数は、去年と比べて約1.4%アップと微増を記録。
一方、地方部に宿泊した訪日外国人観光客数は、去年と比べ約7.8%アップとなっており、地方部を滞在先として選ぶ訪日外国人観光客が増えていることがわかります。
このような状況の中、地方の中でも東北地方がインバウンド業界において注目を集めています。
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- 訪日客宿泊数 青森県では前年比80%増を記録:他県でも軒並み好調
- VISIT東北が「東北路」を開始:訪日韓国人観光客に向け東北をPR
- ALL ABOUTと復興庁がコラボ:インバウンド向けサイトALL ABOUT TOHOKU RESORTSを開設
- JR東日本ではインバウンド誘致に「行くぜ、東北。」キャンペーンを実施:今年で6回目&冬の東北を海外に売り込み
- H.I.Sでは仙台空港にインバウンド向け施設を開業:訪日客に東北の観光情報を提供
- 岩手県釜石市ではAirbnbと提携:震災復興&インバウンド誘致に世界最大の民泊サービス活用
- まとめ:復興庁による「新しい東北」事業を中心としたインバウンド対策が進む東北地方
目次
訪日客宿泊数 青森県では前年比80%増を記録:他県でも軒並み好調
同データ内では、2016年9月における「都道府県別外国人延べ宿泊者数」に関しての記載があります。
訪日外国人観光客の延べ宿泊者数において、青森県では、前年同月比80.4%増、岩手県では53.1%増、宮城県では16.8%増、秋田県では4.6%増、山形県では60.2%増を記録しています。
福島県のみ、22.6%減となっていますが、ほとんどの東北地方の県において、訪日外国人観光客における宿泊者数が増加していることが把握できます。
インバウンド誘致を進めるにあたり、東北地方ではどのような取り組みが行われてきたのでしょうか?これまでの取り組みをおさらいします。
VISIT東北が「東北路」を開始:訪日韓国人観光客に向け東北をPR
パソナグループの企業・VISIT東北では、訪日韓国人観光客を東北地方に集客することを目的とした事業「東北路」を2016年8月11日からスタートさせています。
東北路とは、VISIT東北、アール・ピー・アイ、韓国に本社を置くKyusyuro Co,Ltdが提携し、実施する事業。個人旅行者の割合が高い訪日韓国人観光客を対象に、東北6県のモデルコースを旅行商品として販売します。
2016年12月1日からは、訪日韓国人観光客向け旅館予約サイト「TOHOKURO(東北路)」を開設。東北地方の宿泊施設や豊富な観光資材を訪日韓国人観光客に紹介しています。
また、訪日外国人観光客の受入れに関するセミナーも定期的に開催。これからは、訪日韓国人観光客のみならず、訪日台湾人観光客、訪日香港人観光客などの誘致にも注力していくとのこと。
VISIT東北の東北地方におけるインバウンド誘致の取り組みは復興庁による「新しい東北・交流拡大モデル事業」にも認定されています。
*新しい東北・交流拡大モデル事業:個人で観光をしている訪日外国人観光客が東北を体験することのできる機会を提供する事業を支援する復興庁による取り組み
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パソナグループの企業・VISIT東北が、訪日韓国人観光客を東北地方に集客することを目的とした事業「東北路」を平成28年(2016年)8月11日からスタートすることを発表しました。この事業には、復興庁による事業「新しい東北」がかかわっており、震災からの復興にも影響があると思われます。今回は「東北路」を中心に、「新しい東北」についてご紹介します。 目次東北地方のインバウンド観光の現状:震災以後、苦しい状況に訪日韓国人観光客を東北地方に誘致する「東北路」まとめ:将来的には台湾、香港などの訪日外国...
ALL ABOUTと復興庁がコラボ:インバウンド向けサイトALL ABOUT TOHOKU RESORTSを開設
総合情報サイトを運営する「株式会社オールアバウト」は、復興庁の(*)「新しい東北・情報発信事業」の委託をうけ、情報サイト「All About TOHOKU Resorts」を開設しています。
「All About TOHOKU Resorts」とは、東北に詳しい外国人(通称、東北ツウアンバサダー)の独自の視点から、リゾート地、豊富な観光資材など東北地方の魅力を、海外に向けて発信する情報サイト。
東北ツウアンバサダーが、東北地方の「食」「雪」「お祭り」「温泉」「自然」の5テーマに関して取材し、自らの体験・経験などを訪日旅行を検討している外国人、または日本滞在中の訪日外国人観光客に向けて、記事形式で紹介しています。
*新しい東北情報発信事業:東北地方の活性化に向けた事業を行う民間などとコラボし、新しい東北地方の魅力を国内外に発信するための復興庁による取り組み
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2016年11月2日、日本政府観光局(JNTO)により、2016年1月から10月までの訪日外国人観光客数が2,000万人を超えたとの報道発表がありました。訪日外国人観光客数は異例のペースで増えており、JNTOは2020年の訪日外国人観光客数4,000万人誘致を目指して、これからもインバウンド誘致に向けた取り組みを加速させていくとしています。訪日外国人観光客の訪問先として、依然ゴールデンルートは人気の観光スポットとなっていますが、最近では少しずつ地方にもスポットライトが当たり始めています。訪...
JR東日本ではインバウンド誘致に「行くぜ、東北。」キャンペーンを実施:今年で6回目&冬の東北を海外に売り込み
JR東日本は、東北6県の観光キャンペーン「行くぜ、東北。SPECIAL 冬のごほうび」を2016年12月1日より開始。このキャンペーンは4カ月間続きます。
「行くぜ、東北。」は、東日本大震災からの復興を観光振興によって後押しするキャンペーン。2011年11月から始まり、今年で6回目になります。
今回からは、訪日外国人観光客誘致に向けた取り組みも行うとしており、海外に「冬の東北」の売り込みを強化。
また、びゅうトラベルサービスが受託している日本政府観光局(JNTO)の東北プロモーション事業では、来年1月から2月にかけて中国やタイからメディアや旅行会社などを東北エリアに招致するとのこと。
さらに、東北エリアをターゲットとした鉄道パスとオプショナルツアー、宿泊制度を組み合わせたインバウンド向けパッケージ商品「TOHOKU BUFFET(東北ブッフェ)」に関しては冬商品の発売も開始。
他にもさまざまなインバウンド誘致に向けた取り組みを推進することにより、キャンペーン中の4カ月において20万人の訪日外国人観光客誘致を目指すとしています。
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H.I.Sでは仙台空港にインバウンド向け施設を開業:訪日客に東北の観光情報を提供
株式会社エイチ・アイ・エスの支部である「H.I.S.東北・北海道・新潟事業部」では、仙台空港にインバウンド向け観光案内所「TOHOKU TOURIST SUPPORT COUNTER」を開設しました。
また、訪日外国人観光客からの問い合わせに対応する「コールセンター」も設置。訪日外国人観光客に幅広い東北の観光情報の提供が可能になりました。
このH.I.Sの取り組みも、復興庁による「新しい東北・交流拡大モデル事業」に認定されています。
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岩手県釜石市ではAirbnbと提携:震災復興&インバウンド誘致に世界最大の民泊サービス活用
2016年10月20日、Airbnb Japan(以下、Airbnb)は岩手県釜石市との提携を発表しています。
具体的な提携内容として、
- 民泊(ホームシェアリング)の推進に加え、釜石市の観光振興を促進
- 2019年のラグビーワールドカップなど大きなイベント開催時の来訪客に対応するために、釜石市内の人々にAirbnbなど新サービスへの適応を促進
- 災害時などに利用する非常用宿泊施設として、Airbnbを活用する地域災害対応プログラムを策定。釜石市の地域防災計画を支援
などが実施されます。
東日本大震災以降、落ち込んだ観光客数を元に戻すため、岩手県の沿岸部に位置する釜石市ではインバウンド誘致に着目。世界的に利用されている民泊サービスであるAirbnbとの提携を開始しました。
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格安航空会社(LCC)の普及や、中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和、また円安が進んだことなどを理由に、訪日外国人観光客の数が増え続けています。また、2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックなど、世界的なスポーツ大会が日本で開催されることも加味すると、これからも訪日外国人観光客数は増えていくことが予測され、インバウンド受け入れ環境の整備は急務であるといえます。このような流れから、3年後のラグビーワールドカップの試合会場地である岩手県釜石...
10分で理解する民泊サービス その実態とは?背景や法的要件、課題などを解説
目次民泊サービスとは?:Airbnb(エアービーアンドビー)を例にAirbnb(エアビーアンドビー)のしくみ・特徴なぜ民泊に注目が集まっているのか?民泊ビジネスの抱える問題点民泊ビジネスと法的要件合法的に民泊ビジネスを行なうには?民泊ビジネスには、法的問題のほか、近隣トラブルも課題となるまとめ:今後の民泊市場の法的・ビジネス的動向に注目民泊サービスとは?:Airbnb(エアービーアンドビー)を例に日本でも急速に広まりつつある民泊ビジネス。業界の中でも最も有名なAirbnb(エアビーアンドビ...
300万人の訪日客が利用:国内で普及が進む民泊サービスAirbnbの利用実態をわかりやすくご紹介
2016年11月2日、日本政府観光局(JNTO)により、2016年1月から10月までの訪日外国人観光客数が2,000万人を超えたとの報道発表がありました。訪日外国人観光客数が異例のペースで増えている中、国内ではインバウンド向け宿泊施設の不足が問題となっていますが、最近では訪日外国人観光客の間で世界最大の民泊サービスであるAirbnbの普及が日本においても進んでいます。Airbnb Japan株式会社のプレスリリースによると、2016年1月から10月の間にAirbnbを利用した訪日外国人観光...
まとめ:復興庁による「新しい東北」事業を中心としたインバウンド対策が進む東北地方
ご紹介してきたように、復興庁による「新しい東北」事業を軸とした、民間企業のインバウンド対策により、東北地方では多くの訪日外国人観光客誘致を実現してきたことがわかります。
東日本大震災以降、落ち込んだ観光客数も現在では回復傾向にあり、これからは東北の魅力を海外に向けてアピールする段階に来ています。
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<参照>
- 観光庁:宿泊旅行統計調査
- 株式会社パソナグループ:プレスリリース
- 株式会社オールアバウト:プレスリリース
- Travel Vision:JR東、今冬も「行くぜ、東北。」スタート、訪日客獲得へ
- Airbnb Japan株式会社:プレスリリース
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