2016年のインバウンド市場は訪日外客数にして2,400万人、インバウンド宿泊数にして7,000万人泊を突破し、2020年の東京オリンピックに向けてますます盛り上がりを見せています。
こうした好調なインバウンド市場のなかでも、2016年は様々なインバウンドトレンドの移り変わりがあった年と言えるでしょう。2015年に最盛期を迎えた「爆買い」が失速したと言われ始めたのと同時に、インバウンド市場全体が体験やサービスを求める「コト消費」にシフトし始めました。
日々激変していくインバウンド市場。このインバウンドの流れを捉え、市場の更なる活性化を促す取り組みとして、INBOUND JAPAN 2017(以下、インバウンド・ジャパン 2017)が7月に開催されます。
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インバウンド・ジャパン 2017とは
インバウンド市場の盛り上がりや、インバウンドのトレンドの変化に対応するように、国内では様々なインバウンド関連サービスや旅行商品の開発が進んでいます。それらのインバウンドサービスやインバウンド対応を必要とする企業などの交流、マッチングを促す見本市としてインバウンド・ジャパン 2017が開催されます。
会期は2017年7月19日(水)~21日(金)の3日間で、東京ビッグサイト 西3・4ホールにて開催されます。今回で2回目の開催となり、昨年のインバウンド・ジャパン 2016においては 15,000人弱 の来場があり、今回のインバウンド・ジャパン 2017では 18,000人 の来場を目標にしているといいます。
<インバウンド・ジャパン 2016開催レポート>
激変するインバウンドの流れ
冒頭でも触れたとおり、2016年は訪日外客数にして2,400万人、インバウンド宿泊数にして7,000万人泊を突破し、非常に好調なインバウンド市場。しかしながら、そのインバウンドのトレンドが次々と移り変わっており、2016年は特にそれがはっきりとあらわれた年と言えます。
2016年のインバウンド市場における最も大きな話題といえば、「爆買い」の失速です。また、「爆買い」をしに訪日した中国人らがリピーター化し、2度目以降の訪日旅行では買い物ではなく 体験やサービスを求める「コト消費」にシフト したことにより、インバウンド市場全体も「コト消費」にシフトしました。
国内インバウンドビジネスにおいても、「コト消費」によって多様化した訪日外国人観光客の行動(カスタマージャーニー)を「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」とフェーズ分けすることによって、それぞれのフェーズに対して、より適切なプロモーションをする考え方が定着。また、「コト消費」と「インバウンドでの地方創生」の相性の良さから、訪日客の地方誘致を促進する動きが活発になりました。
このように、「コト消費」へのシフトによって多様化したインバウンドに呼応するように、様々なインバウンドサービスや事例、マーケティング手法が次々と登場しています。
コト消費にシフトしたインバウンド市場に対応
日経BP社 インバウンド・ジャパン事務局長の森田知己氏によれば、このようなインバウンドを取り巻く状況のなかで、インバウンド・ジャパン 2017では以下の3つのポイントを意識し、インバウンド市場を更に成長させる情報交流の場になる展示会となるよう準備しているといいます。
- モノだけでなく、旅本来の魅力である体験価値を高めることが重要
- インバウンドの地方誘致→地方がどう魅力づくりとアピールをするか
- 旅ナカ消費だけでなく、旅アトの「越境EC」も注目すべき市場
これらのポイントを踏まえた上で、旅ナカだけでなく、旅マエから旅アトまで含めたすべてのフェーズにおける「 日本に関する『体験』 」を、このインバウンド・ジャパン 2017での対象市場としているとのこと。
「あらゆる”ジャパン・エクスペリエンス”価値向上のための見本市」を体現するコンテンツ
インバウンド・ジャパン 2017では、スローガンとして掲げる「あらゆる”ジャパン・エクスペリエンス”価値向上のための見本市」を体現すべく、さまざまな講演セッション(KEYNOTEセッション、テーマセッション)や、パビリオン企画の準備を進めています。
インバウンド市場のキーパーソンが集まる講演セッション
インバウンド・ジャパン2017では、魅力的な講演セッション(KEYNOTEセッション、テーマセッション)を準備中だといいます。
昨年に引き続き、内閣官房長官 菅義偉氏のKEYNOTEセッションを始めとして、ホテル、旅館、店鋪、観光施設などの「インバウンド・トップランナー経営者」や、地方創生でインバウンドに積極的に取り組む自治体、中央省庁のインバウンド関連施策を推進する担当者や、インバウンド関連の識者、オピニオンリーダーなど、今まさにインバウンド最前線を走る著名人らが続々と登場します。
自治体やDMOのインバウンド取り組み事例を取り上げるテーマセッションも複数実施する予定とのことです。
インバウンドの「今」を捉えた幅広い製品・サービスが展示で集う
昨今のインバウンドはますます多様性のある市場に変貌しています。そのため、インバウンドとして通常の展示テーマ(ICT、各種サービス、集客マーケティング、多言語対応)は出展社が増え、更に充実した内容に。また、前述の3つのポイントをふまえて、パビリオン企画を展開します。
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地方での共通の魅力として「食」を取り上げるパビリオン
- 「 インバウンドの地方誘致→地方がどう魅力づくりとアピールをするか 」というポイントに対応。「地産地消」だけでなく、全国に流通させてインバウンドでの消費を促すという主旨。
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越境ECのパビリオン
- 「 旅ナカ消費だけでなく、旅アトの「越境EC」も注目すべき市場 」というポイントに対応。昨年の開催においても消費財メーカーに勤務する来場者も多かったこともあり、彼らの情報ニーズを更に満たすことが出来ると考えているとのこと。
そのほかにも、「和の空間演出」をテーマにしたパビリオンを新設したり、前年に引き続き「ムスリムインバウンド&ハラル対応」をテーマにしたパビリオン、
さらには訪日外国人向け観光メディア紹介コーナーを予定しています。
インバウンド・ジャパン 2017の出展対象製品・サービス
前述でも触れたとおり、今回の開催では現状のインバウンドの流れを捉えて、インバウンドとして通常の展示テーマ(ICT、各種サービス、集客マーケティング、多言語対応)などに加えて、越境ECについても展開しています。
インバウンド・ジャパン 2017の来場対象者層
一方、来場者対象者層は、訪日外国人を迎えて事業展開する立場、場を企画し、つくる立場、観光客誘致を推進する立場、外国人向けに販売増を図ろうとする立場、という4つの立場に属する客層を想定しています。
まとめ:インバウンドでの事業拡大を目指す場、インバウンド・ジャパン 2017
日経BP社は7月にインバウンド・ジャパン 2017を開催します。今回のスローガンは「あらゆる”ジャパン・エクスペリエンス”価値向上のための見本市」。最新のインバウンドの流れを捉え、来場者と出展社の双方が事業拡大のきっかけを掴むことができる展示会にしていきたいと事務局長の森田氏は語ります。
入場料は事前登録をしていれば無料で、事前登録は5月下旬から案内開始を予定しています。また出展を検討する場合は、申し込み締め切りが4月21日となっており、申込後、5月24日(水)に出展社説明会を予定しているとのことです。
インバウンド・ジャパン 2017の出展に関する詳細情報はこちらから。問い合わせは以下まで。
<インバウンド・ジャパン事務局>
- メール:inbound@nikkeibp.co.jp
- 電話:03-6811-8083
- 公式サイト:http://expo.nikkeibp.co.jp/ibj/
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