注目を集めるムスリムのインバウンド市場ですが、現段階で各都道府県ではどの程度ムスリムの訪日外国人観光客を受け入れる体制が整備されているのでしょうか。 CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global Muslim Travel Index 2017 (GMTI 2017)をもとに紐解いていきます。
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ムスリムの訪日旅行市場に関するレポートGMTI 2017では都道府県別ムスリムフレンドリーランキングを紹介
Mastercard-CrescenRating Global Muslim Travel Index 2017では、都道府県別ムスリムフレンドリーランキング を紹介しています。これは各都道府県がどのくらいムスリム旅行客の受け入れ環境を整備しているかをあらわしたものです。このランキングは、①アクセス環境(訪日者数とWi-Fi整備環境)②サービス(礼拝施設・ハラールフード・空港・宿泊施設)③コミュニケーションの3つの観点から各都道府県のムスリム受け入れの取り組みをポイント化して作成してあります。
[都道府県別ムスリム訪日客受け入れ環境ベスト5]軒並み大都市がランクイン トップは東京に
順位 | 都道府県名 |
---|---|
1位 | 東京都 |
2位 | 大阪府 |
3位 | 北海道 |
4位 | 千葉県 |
5位 | 愛知県 |
47都道府県でもっともムスリム訪日客の受け入れ環境が整備されているのは 東京都 という結果になりました。2位には大阪府、5位には愛知県がランクインしており 大都市と呼ばれる地域がランキングの上位を占めている ことがわかります。上位にランクインした都道府県ではさまざまなムスリム向けインバウンド対策を実施しています。例えば大阪観光局では宗教上の制約に従った「ハラル」やそれに準じる料理を提供する店やホテルを紹介するA4判の冊子 「ハラル&ムスリムフレンドリーマップ」を英語で作成 しています。
また訪日外国人観光客の玄関口である成田空港が位置する千葉県では 「CHIBA MUSLIM TOURISM GUIDE」を制作。 各観光スポットの礼拝スペース、ハラール認証を受けたレストランの有無などが詳しく紹介してあります。こうした取り組みが評価されたものであると予測することもできるでしょう。
[都道府県別ムスリム訪日客受け入れ環境ワースト5]地方ではムスリムフレンドリー度は低い結果に
順位 | 都道府県名 |
---|---|
43位 | 秋田県 |
44位 | 青森県 |
45位 | 山口県 |
46位 | 山形県 |
47位 | 高知県 |
対して、現段階でムスリム訪日客の受け入れ体制が整っていないと評価されたのは軒並み 地方部のエリア でした。これらのエリアを訪れる訪日外国人観光客数自体が少ないこともありますが、今後訪日外国人観光客の地方訪問がさらに加速していくと予測されるため、これから何らかの対策は行っていくべきかもしれません。
地方のムスリムのインバウンド向け対策実施例として、富山県朝日町 新潟県糸魚川市・上越市 長野県小谷村・白馬村・大町市では北アルプス日本海広域観光連携協議会が中心となって①ムスリムセミナーの実施②ハラール料理教室③礼拝環境整備③各種団体ホームページの統一(ムスリム専用ページの作成)などを実施しています。こうした他の取り組みも参考になるでしょう。
増加するムスリムインバウンド 各自治体の先進事例に学ぶ、ムスリム旅行者の受け入れ対策とは
近年、ビザ要件の緩和やLCCの就航等により東南アジアからの旅行者が急増しており、マレーシアやインドネシアからのムスリム旅行者が今後一層増加することが見込まれています。観光庁は施策としてムスリム旅行者を迎え入れる環境の整備に取り組んでおり2015年8月にはムスリム旅行者が訪日した際に、宗教的・文化的な習慣に不便を感じることがなく、安心して快適に滞在できる環境の向上を図るため、ムスリム旅行者の食事や礼拝に対する習慣やニーズをもとに、「ムスリムおもてなしガイドブック」を作成。また、2015年11...
まとめ:ムスリムの受け入れ環境 都市部でしか進んでいない結果に
訪日ラボの記事でもご紹介したように 最近のインバウンド市場でムスリムの訪日外国人観光客が注目のターゲットとなっています。 東南アジアでのビザ緩和に加え、LCC(格安航空会社)の普及、円安、ムスリムをターゲットにしたビジネスの拡大を理由に2014年には15万人であったムスリム訪日客数は、2016年には4倍以上となる70万人にまで増加。2020年には140万人のムスリムが日本に旅行に来るとの予測も存在しています。
しかし、CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global Muslim Travel Index 2017 (GMTI 2017)の都道府県別ムスリムフレンドリーランキングでは、上位には大都市が、下位には地方の都市がランクイン。 ムスリムにとって地方部を旅行することは未だにハードルの高いことであるという事実が把握できそうです。訪日外国人観光客の地方訪問が増加している今、地方でムスリムの受け入れ環境を整備すれば「地方創生」にも一役買うことになりそうです。
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訪日ムスリム旅行者が2年で4倍以上に増加した2つの理由とは?
以前の訪日ラボの記事でもご紹介したようにムスリムの海外旅行市場は、2026年には 3,000億米ドル(日本円で33兆6,000億円)にまで成長するとされており、世界中で注目されている市場 です。日本のインバウンド市場に関しても近年、ムスリム誘致へさまざまな取り組みが行われていますが、そもそも 日本のムスリム旅行者市場はどの程度のものなのでしょうか。 CRESCENT RATING・mastercard・HMJの三社が作成したMastercard-CrescenRating Global M...
<参照>
- CRESCENT RATING・mastercard・HMJ:Mastercard-CrescenRating Global Muslim Travel Index 2017 (GMTI 2017)
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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