東南アジアを中心にマーケティング/プロモーションサービスを行っているPOINTSです。今回は、我々の拠点がある シンガポールの外国人観光客に対する取り組み のご紹介をします。
シンガポールは人口が550万人程ですが 2016年の外国人旅行客は1640万人 でした。小さな国ですが人口の3倍以上のインバウンドです。シンガポールが行なっている外国人観光客に向けた取り組みは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時に4,000万人誘致を目指す日本にとって学べる点があるのではないでしょうか。
世界旅行&観光協議会(WTTC)の最新のリリースによると、シンガポールの観光マーケットは 過去10年間で倍増し、2016年に124億米ドルに達し、国内で164,000の雇用を支援 しています。2017年1月から6月にかけては、国際観光客数は昨年同期間より4%増加し、850万人。観光収益も10%増の127億シンガポールドルに。2017年上半期の強い成長は、ショッピング、宿泊施設、食料品、観光、エンターテインメント&ゲームを含む多岐にわたり高い支出でした。
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日本は観光立国となる資源は豊富。現状の課題は何か?
ユーロモニターインターナショナルは、 ロンドンで開催された旅行業界の世界最大級のイベント「ワールド・トラベル・マーケット・ロンドン(WTM)」で『2017年版世界の観光都市トップ100』を発表しています。それによると、アジアの観光都市ランキング第3位はシンガポールであり、日本は8位 でした。
日本は「おもてなし」では世界1位で、自然・文化の観光資源は11位、世界遺産数も12位と評価されています。一方で、それ以外では課題が多く。価格競争力119位、旅行者へのサービス・インフラへの満足度は75位、ATMでのクレジットカードの利用しやすさは73位と不満が高い結果 となっています。シンガポールとの違いを1つあげると 外国人観光客へのマーケティングやブランドづくり は日本が57位に対してシンガポールは6位。シンガポールに比べどれだけ劣っているかがわかります。
そんな「インバウンド観光先進国」シンガポールの新たな取り組みを見てみましょう。
シンガポールの取り組みその①:シンガポール政府観光局の「Passion Made Possible」
2017年8月24日、シンガポール観光局(Singapore Tourism Board、略語 ”STB”)とシンガポール経済開発庁(Singapore Economic Development Board、略語 ”EDB”)共同で新しいシンガポールブランド「Passion Made Possible」を発表しました。STBとEDBの初コラボレーションブランドで、「Passion Made Possible」は国際市場に向けて、ツーリズムとビジネス両面で引き付けたいという狙いです。
今回の取り組みの焦点は、シンガポールの設備・インフラだけではなく、シンガポール・シンガポール人の精神、つまりアイデンティティ、郷愁、国民性を表現しています。約100人のシンガポール人・著名人を活用して、映画・映像シリーズを作成。これを様々なメディアチャネル・SNSプラットフォームや、シンガポールツーリズムウェブサイト「VisitSingapore.com」で放送します。
このプロモーションは世界中15か所のマーケットに展開されます(日本、タイ、インドネシア、中国、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ドイツ、イギリス、香港、韓国、アメリカ、オーストラリア、インド)。日本ではなかなか国全体でこういった取り組みは少ないように思いますが、シンガポールは違います。もちろん、国が小さいこともその理由にありますが、それよりも、官民一体での取り組みで新たなことにもチャレンジを行えるマインドが在るからこそ、外国人観光客の誘致マーケティングとインバウンドの対策が行われている のです。
シンガポールの取り組みその②:シンガポールの玄関「チャンギ空港」の壮大な計画「ジュエル」
シンガポールのチャンギ国際空港は、航空サービス調査会社「Skytrax」により、5年連続で世界一の空港 に選ばれています。チャンギ国際空港は、美しい建物、効率的なサービス、豪華な設備を誇り、旅行者から多くの支持を得ています。
先日10月末にはターミナル4がオープンをし、チェックイン、手荷物の預け入れ、出入国審査、搭乗でセルフサービス機能を多く取り入れるなど最新設備の導入でニュースにもなりましたが、さらに壮大な計画が行われています。その中心となるのが、予算17億ドル(約1900億円)の「ジュエル」という名前の多目的施設 です。
「ジュエル」は140万平方フィート(約13万平方メートル)の広さに、地下5階、地上5階の10フロアで構成されます。そこでは森のような庭園、落差約40mの人工滝、ホテル、300以上のレストランやショップが設けられます。
「ジュエルは、旅行者の心をつかみ、乗り継ぎの拠点としてのシンガポールの魅力を増すだけでなく、チャンギ国際空港での素晴らしい体験を利用者や訪問者に提供する」 と、Jewel Changi Airport DevelopmentのCEOジーン・ハン(Jean Hung)氏は声明を出しています。
シンガポールの取り組みその③:シンガポールの街中でも新たなサービスが登場
世界中で車や自転車などのシェアリングブームが起こっていますが、シンガポールでもUberに続き、2017年1月に中国発の自転車シェアリング「Mobike」や「Ofo」が参入しました。そして新たに、「電動キックスクーター」のシェアリングが始まっています。
電動キックスクーターは、シンガポールで近年、持ち運びのしやすさなどから急速に普及しています。新たにサービスをはじめた「Telepod」は、2017年7月からシンガポール国内でテスト運用を開始しました。自転車シェアリングと同じく アプリでサービスを提供 し、ユーザーは自分の位置情報を使って利用可能なスクーターを見つけ、利用料と初回のみデポジットとして49シンガポールドル(約4000円)を支払います。利用料は時間制で、10分ごとに1シンガポールドル(約82円)で使用できます。
日本ではこういったサービスは法律や安全面などを理由にサービス化が難しい場合が多い ですが、民間でも新たなサービス提供に柔軟にチャレンジできる環境があるシンガポールならではの取り組みであり、日本が学べるポイントの1つではないでしょうか。
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