訪日客による踏み切りでのトラブルが多発:その発生原因から見る地方のインバウンド受け入れ体制の整え方を考える

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訪日外国人が日本の踏み切りを使用する中でトラブルが起きているのをご存知でしょうか?大阪日日新聞の報道によると、JR西日本は訪日外国人が多く利用する踏み切りにおいて、遮断器が下りた後に踏み切りを渡ろうとする訪日外国人が多いことから、訪日外国人が多数利用する阪和線日根野駅(大阪府泉佐野市)脇の踏み切り遮断機に、英語中国語、韓国語の3ヶ国語で「危険、止まるな。進め。」という自動音声、電光掲示板で、踏み切り横断時の注意を呼びかける装置を設置した ようです。なぜこうした事態になっているのでしょうか?

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阪和線日根野駅脇の踏み切り遮断機に、3ヶ国語による自動音声、電光掲示板で注意を呼びかける装置を設置

日根野駅は訪日外国人にとっての西の玄関である関西国際空港から2駅のところにあるため、多くの訪日外国人が利用します。しかし、毎月1件程度、訪日外国人が警報が鳴り始めてから横断を始めたり、踏み切り内で立ち止まったしまう、閉じ込められてどうすれば良いかわからなくなっているという事態が発生していま。

このままでは将来的に大きな事故に繋がる懸念があったことから、JR西日本は800万円を投じて電光掲示板4基、音声アナウンスを行う設備を設置しました。縦20cm、横100cmの電光掲示板には英語中国韓国語の3カ国語による注意表記が表示され、音声でもこれらの言語によるアナウンスが行われます。これらによって、遮断器が降りてからも踏み切りを横切ろうとする訪日外国人の減少という効果が出ています。

訪日外国人はそもそも日本の踏み切りのルールを理解していないケースが多い

訪日外国人が踏み切り内に立ち入ってしまう、遮断器が降りているのに踏み切りの中で立ち止まってしまうなどの問題がなぜ起きるのかというと、「そもそも踏み切りに馴染みがない」、「日本の踏み切りのルールを知らない」という無知 によるものです。「そもそも踏み切りに馴染みがない」というケースの場合、住んでいる地域に踏み切りがないために踏み切りがどういうものなのか知らないという事もありますし、日本の踏み切りは自国の踏み切りのルールと違うという場合もあります。

赤信号を律儀に守るのは日本人くらいという言い方もあるくらい、海外では赤信号、踏み切りの横断に関しては自己責任という風潮があります。そのため、赤信号であっても、例え遮断器が既に降りていても、「渡れるかどうかの判断は自分でする」「上手く渡れなかったとしても自己責任だろう」という考え方が根底にあります。 こうした意識を変えてもらうということは難しいですから、今回のJR西日本の取り組みのように、まずは注意を呼びかけていく。日本のルールは海外とは異なる、どうしたら良いのかを各国の言語で呼びかけていくということが重要です。

踏み切りだけで呼びかけるのではなく、地域一丸となって宿泊先での情報提供などが必要

今回JR西日本では、該当の踏み切りに電光掲示板と音声による注意を促す設備を導入しましたが、こうした実態が明らかになったのは地元住民がJR側などに通報をしたことによるもの。つまり地域の目があったために、JR西日本もこうした施策を取ることが出来たのです。

そうなってくると、こうした踏み切りなど、訪日外国人が混乱をする恐れがある交通拠点に関する注意を、予め冊子などを作成して呼びかけるという方法も考えられます。

例えば地方自治体、観光協会、JRなどの交通事業者、もしくは訪日外国人の宿泊先などが協力して、「◯◯市の中で注意が必要な踏み切り、交差点」など、普段地域住民向けに作成しているような冊子を訪日外国人向けに作成し、訪日外国人の宿泊先、その地域の民泊などに置いてもらうなどの方法も有効でしょう。安全に関する注意書きに加えて、電車の遅延原因となった場合に考えられる賠償請求などの罰則部分についても詳細に記載しておくと、心理的な抑止効果は高いでしょう。

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交通に関する訪日外国人のトラブルを防ぐには、先回りして周知を行う工夫が必要

今回はJRが管理する踏み切りにおける訪日外国人が抱えるトラブルをご紹介しましたが、訪日外国人がわかりにくいと感じるのは踏み切りだけではありません。例えば歩道を歩いている際であっても、各国によって横断歩道の歩行者用信号のボタンのデザインは異なりますし、訪日外国人の中で日本の歩道における自転車専用レーンなどを正しく理解している人は少数でしょう。また道路標識などについても、歩いて観光をするにしても、ある程度の知識があったほうが安全に観光を楽しめるケースもあります。

こうした訪日外国人が日本のルールを知らないからこそ発生するトラブルに関しては、こうした事故が発生する恐れがある場所に注意書きをする、今回のJR西日本のような設備を導入するなどの他に、「日本のこうした交通ルールを知っていますか?」といった冊子を作成して配る、宿泊先に置いてもらうなどの方法で、ある程度予防することも可能です。いずれのケースも求められているのは、訪日外国人の目線になった時にわかりにくい情報を先回りして周知しておくという工夫だと言えます。

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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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