こんにちはトレンドExpress編集部です。
今年も春節到来。中国旅游研究院とCtrip共同で制作した『2018 春節海外旅行趨勢予測報告』によると、2018年の春節期間に海外旅行に出かける中国消費者はのべ650万人次と、過去最高を記録するとの見通し が発表されました。今年の春節も多くの観光客が日本へとやってくる見通しです。
しかし、その動向は以前「爆買い」と騒がれた時より変化が続いています。その動きを探るべく、トレンドExpressでは春節に先駆け、春節に日本で「買いたい」「行きたい」「〇〇したい」についての調査を行いました。今回はそこから注目のポイントをピックアップします。
データ収集期間:2017年12月1日-2018年1月21日
データ収集方法:新浪微博を対象に春節の予定に関する内容と特定できる書き込みを収集後、対象書き込み内から日本で「買いたい」「〇〇したい」「行きたい」に関係する行動を予定する書き込みを抽出・集計
※ランキングは50位までを基本とするが、50位に満たない場合はそこでランキングを終了
※ランキングにおける粒度の差異(ベビー用品とオムツ、東京と渋谷等)については、発信者の書き込みとしてそのまま採用。
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散らばる訪日観光客。次なるターゲットは?
まずは日本で行きたい場所。もちろん、北海道、沖縄、東京、京都、大阪が上位ですが、特に20位以下で「行きたい場所」がさらに細分化されつつあります。
例えば北海道。冬は雪景色、なかにはウインタースポーツを楽しむ中国人観光客も多いのですが、これまでは「北海道」、より具体的な地名でも「札幌」だったのですが、現在は「登別」や「洞爺湖」がランクインしており、北海道の各地に注目が集まっている ことがわかります。
登別や洞爺湖が急上昇した背景にはパワーブロガーや人気アニメの影響が
登別温泉は週次ランキングでは登場以来下降傾向が続き、現在はランキングには登場していません。しかしこの年末年始、フォロワーが68万人いるパワーブロガーに「登別地獄谷」が取り上げられており、リツイートランキングでは2位となりました 。その影響がこの春節でも見られるようです。
そして登別とセットで訪れているのが「洞爺湖」。もちろん、その美しくも幻想的な風景は多くの旅行者を魅了しており、SNSにも多くアップされていますが、同時に見られたのが「木刀、売ってなかった」というもの。実は洞爺湖という地名を中国で広めた(?)一因となったのが日本の人気アニメ『銀魂』。主人公の坂田銀時が腰に差している木刀に「洞爺湖」と刻まれていることがあります。
視線を西に向けると「岡山」、そして「和歌山」というキーワードが挙がっています。岡山県が人気になったのは「圀勝寺」というお寺。行ったランキングで昨年秋あたりから上昇傾向にあり現在は78位まで来ているスポットですが、350年の歴史を有するツバキの木や、落ちた花で地面が真っ赤に敷き詰められた風景がSNSなどに投稿され、人気を呼んでいます。
また和歌山には近年、中国でもニーズが高まっている 「座禅」体験先として注目されている高野山。近年は日本で「座禅」を行おうという観光客も増えていることから同地を訪れる中国人観光客が増加。SNSにアップされる情報を見て興味が高まっているようです。
謎の国「ニッポン」が知りたい中国人 そんな日本に来て、「したいこと」とは?
トップはもちろん「買い物」でしたが、同時に「日本の伝統文化に触れたい」なども定番となっており、昨年の春節と同様にランクインしています。また「日本のウィスキーを飲みたい」など、新たなブームも感じさせています。
国慶節 訪日中国人は何買った?「中国産がない」が火をつけた!? サントリー「山崎」が初の口コミランキング1位に!
こんにちは、トレンドExpressです。月初には中国の大型連休「国慶節」がありましたが、同期間におけるWeChatを利用した地域別支払い金額では、東アジアが東南アジアに次いで2位となったようです。政治的な逆風のため韓国人気が伸び悩む中、日本が健闘した形ではないでしょうか。さて今回お届けするのは、海外消費も盛り上がった「国慶節」期間を含む、9月27日〜10月3日の1週間を対象に、中国のSNS「新浪微博」での日本旅行に関するクチコミランキングです。目次日本で「買った」トップ10ウイスキーは「国...
しかし、注目したいのが「日本人と交流をしたい」に加えて今年は「日本人の生活を見たい」がランキング内に姿を見せており、伝統文化だけでなく、日々の生活にも関心を持っていることが伺えます。
日本人にとって中国での生活が未知の世界であるように、中国人にとってみても日本はまったく謎の国。ネット上で見る日本のドラマのほか、SNS上には数多くの日本生活情報が流れています。それらを「行って、見て、確かめたい」という欲求が強まっているように見えます。
よくある興味と言えば、
- 日本人の礼儀正しさは本当か?(公共機関、警察の礼儀正しさ)。
- 生活リズムとプレッシャー、自殺率は?
- 子供の教育。特に学校で子供が掃除、配膳することに驚き。
- 高齢化って本当に進んでいるの?
など。特に 学校の様子に関しては非常に関心が高く、子供の自立心を育てる姿に感心する書き込みなどがみられます。また、中には日本の農村を見学に行った旅行者もいたらしく、ブログや微信メディアも「農村のレベルの高さに驚いた」といった情報の発信をするなど、多くの発見を得ているようです。
まとめ
調査を見る限り、中国の消費者は次々に新しい日本の楽しみ方を生み出しているようです。今後は、そうしたニーズに対応していくのと同時に、彼らに先んじて観光のトレンドを作り出すことがより重要性を帯びてくるように思います。
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