平成28年3月30日に策定された「明日の日本を支える観光ビジョン」では、訪日外国人旅行者数4,000万人、6,000万人を目標としています。この目標の実現に向けて、訪日外国人の日本滞在時の観光地の魅力を向上させるため、宿泊事業者などに対する補助金の交付 を行い、訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備を進めるための事業として 「宿泊施設インバウンド対応支援事業」という観光庁の事業 があるのをご存知でしょうか?
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「宿泊施設インバウンド対応支援事業」事業の概要
この事業は、複数の宿泊事業者が共同して宿泊事業者の宿泊施設の受け入れ能力、生産性を向上させることにより、宿泊施設の稼働率、訪日外国人宿泊者数の向上を図る取り組みを、経費の一部(※経費の1/3、上限100万円)を補助することで支援する ものです。補助金の対象者としては「宿泊事業者等団体」(複数の宿泊事業者やその他関係する事業者等により構成される団体)、「構成員宿泊事業者」(宿泊事業者等団体の構成員である宿泊事業者)です。
補助を受けるためにはどうしたらいい?
補助対象事業者が補助を受けるためには、「宿泊事業者等団体」が「構成員宿泊事業者」の宿泊施設の稼働率及び訪日外国人の宿泊者数を向上させるための計画(訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画)を策定した後、この計画について国土交通大臣の認定を受ける 必要があります。
なお、この事業は平成27年度補正予算事業の第1回目から数えて、今まで4回実施されており、直近では平成29年6月28日(水)~7月31日(月)に募集が行われています。
補助金の対象事業は?:Wi-Fi整備からクレジットカード対応まで補助が受けられる
補助金の対象となる事業は幅広く、下記10の事業が設定されています。なお、過去にはパスポートリーダーの導入、多言語表示のためのデジタルサイネージ導入、シャワールームの設置などが認定されています。
- 館内共用部のWi-Fi整備
- 館内共用部のトイレの洋式化
- 自社サイトの多言語化(宿泊予約の機能を有するサイトに限る。)
- 館内共用部のテレビの国際放送設備の整備
- 館内共用部の案内表示の多言語化
- 館内共用部の段差解消
- オペレーターによる24時間対応可能な翻訳システムの導入又は業務効率化のためのタブレット端末の整備
- クレジットカード決済端末の整備
- ムスリムの受入のためのマニュアルの作成
- その他宿泊施設の稼働率及び訪日外国人の宿泊者数を向上させるために必要であると大臣が認めた事業(宿泊事業者等団体の運営費、宿泊事業者の人件費など経常的経費は補助対象外)
「宿泊施設インバウンド対応支援事業」の応募手続きの概要
実際にこの事業の応募方法については、こちらの表を見るとわかりやすいですが、提出する必要がある書類は基本的には7種類です。
- 様式第1-1(計画認定申請書)/別紙1〜4、
- 補助対象経費の算出根拠となる書類(1社以上の事業者の見積書)
- 構成員宿泊事業者となる証明(旅館業法営業許可証の写し/風営法第2条第6項非該当の宣誓書)
- その他計画を審査する上で参考となる書類 ※任意
- 反社会的勢力排除に関する誓約書
- 担当者登録票
- セルフチェックシート
これらを各1部ずつ提出する必要があります。後日1〜7の書類の電子データ(Word、Excel等)の提出を求められる場合があり、その場合は電子メール等により提出が必要です。なお、提出先は観光庁観光産業課 宿泊施設インバウンド対応支援事業事務局で、提出の際には封筒等の表面に「宿泊施設インバウンド対応支援補助金応募書類在中」と朱書きする必要があります。
「宿泊施設インバウンド対応支援事業」の認定基準とは?
提出された事業の認定に関しては、観光庁において提出書類をもとに、有識者委員会の意見を聴いた上で、
- 宿泊事業者等団体を構成する宿泊事業者数が多いこと
- 全体稼働率及び合計外客宿泊者数の目標が現状に比して高い目標であること
- 団体事業及び個別事業の実施に必要な資金の調達方法において、本補助金以外の資金の占める割合が高いこと
- 宿泊事業者等団体を構成する宿泊事業者数の数が多いこと
などを勘案して認定されます。なお、審査の結果は、観光庁のホームページにおいて認定の公表を行うほか、認定された応募者に対し、認定通知を文書が送付されます。
補助の対象期間は 交付決定日から最長で3ヶ月程度 とされており、この期間中での工事完了が必要です。なお、補助金は補助対象事業が完了(工事、業者への支払い含む)した日から30日以内に、事業の完了実績報告書を提出、観光庁において、実施した事業内容の検査と経費内容の確認を行い、交付すべき補助金の額が確定します。補助対象事業者は、補助金の額の確定の通知があった後、補助金支払請求書を提出、補助金の交付を受けます。
交付決定後は何をしなければならない?
「宿泊施設インバウンド対応支援事業」において補助対象事業への補助金の交付が決定した後も、いくつかの注意事項があります。
- 遂行状況調査及び報告 - 補助事業期間中において、事業の遂行状況について観光庁から求めがあった場合には、事業者は事業の遂行状況について観光庁が指示する日までの遂行状況について、遂行状況報告日から30日以内に報告書を観光庁へ提出する必要があります。
- 実施状況報告 - 「宿泊事業者等団体」は、補助事業の完了後2年間は毎年、認定訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画についての実施状況を観光局の大臣に報告する必要があり、「構成員宿泊事業者」は、補助事業完了後2年間において毎月、個別稼働率及び個別外客宿泊者数を大臣へ報告する必要があります。
- 補助事業に関する書類の管理等 - 補助事業に関する書類については、事業が完了した年度の翌年度から5年間、管理・保存しなければなりません
- 立入検査 - 本事業の実施状況確認のため、観光庁が実地検査に入る場合、本事業終了後、会計検査院等が実地検査に入ることがあります。
まとめ:上手に補助金を活用して、訪日外国人の受け入れ体制の整備を
訪日外国人向けのトイレの様式化を行うなどの場合においては、莫大な費用がかかるケースもありますが、こうした補助金を上手に活用することで費用を抑えることが可能です。今後の公募に関しても、引き続き観光庁HPに情報が掲載されていきます。申請を検討されている場合は、次回の公募までに申請の方法をしっかりと把握して準備されることをおすすめします。
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<参考>
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