伊豆半島が「世界ジオパーク」に認定されました。ジオパークは直訳すれば「地球公園」です。自然の美しさを目で見るだけでなく、学術的な価値もふくめ言葉にし理解しながら自然をめぐる注目の観光手法といえます。
ジオパークが注目される理由は、世界自然遺産のようにグローバル観光のブランディングが出来るというだけでなく、自然観光資源をアクティビティ化し収益化しやすい点が挙げられます。
日本には9ヶ所の「世界ジオパーク」があり、世界的にいっても認定が多い国のひとつです。しかしお隣りの中国には37ヶ所もの世界ジオパークが存在します。これからのインバウンド業界において世界ジオパークがもつ重要性をまとめました。
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「自然・景勝地観光」は訪日外国人の4大人気アクティビティ
昨年度の観光庁のアンケートによると、観光・レジャー目的で日本を訪れた73.6%の訪日外国人は「自然・景勝地観光をした」と答えています。(訪日外国人消費動向調査・H29年年間値より)
同アンケートから日本での人気アクティビティをランキングすると
- 1位「日本食を食べる(96.0%)」
- 2位「ショッピング(89.3%)」
- 3位「繁華街を歩く(79.2%)」
- 4位「自然・景勝地観光(73.6%)」
「自然・景勝地観光(73.6%)」は「温泉入浴(38.7%)・旅館に宿泊(33.6%)」より、はるかにポピュラーなアクティビティであることがわかります。
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ヨーロッパ系の訪日外国人観光客が特に好む「自然・景勝地観光」
もっとも「自然・景勝地観光をした」割合の高い訪日外国人観光客は、
- 1位 スペイン(86.1%)
- 2位 イタリア(84.0%)
- 3位 英国(83.9%)
- 4位 ドイツ(83%)
- 5位 オーストラリア(82.8%)
となっており、訪日欧米人は総じて「自然・景勝地観光」を好むことがわかります。彼らは「次回したいアクティビティ」としても「自然・景勝地観光」を挙げています。
例外はフランスで、スペインとほぼ同数の訪日数があるにもかかわらず「自然・景勝地観光」をした割合は72%にとどまっています。これはフランスの観光文化が文化観光主力であることも関係ありそうです。
「自然・景勝地観光」に「満足した」のは英語圏からの観光客
日本での「自然・景勝地観光」に「満足した」と答えた訪日国別ランキングを見ると英語圏・または英語が通じる国が圧倒的に多いことがわかります。
- 1位 英国(99.5%)
- 2位 インド(98.4%)
- 3位 インドネシア(98.1%)
- 4位 シンガポール(98.1%)
- 5位 オーストラリア(97.8%)
- 6位 カナダ(97.7%)
同アンケートからは、フランス(96.8%)・イタリア(96.5%)・スペイン(95.9%)といったラテン語圏からの訪日外国人の「自然・景勝地観光」への満足率は英語圏ほどではないということがわかりました。
「自然・景勝地観光」にもっとも「満足していない」のは東アジアからの観光客
訪日数が多い東アジア諸国からの訪日客も「自然・景勝地観光」への満足率はあまり高くありません。
- 中国(87.8%)
- 香港(87.8%)
- 韓国(87.3%)
- 台湾(86.1%)
これらの東アジアの国々は圧倒的な訪日観光客数があるので、満足度が低いというのは大きな問題のように思われます。
多言語化のニーズに対応が遅れている日本の自然観光の現状
英語圏からの訪日客は自然観光への満足度が高く、それ以外の言語を話す訪日客はそうでもない…訪日客の「自然・景勝地観光」への満足度と出身国言語に相関関係があるとすれば、多言語対応の遅れによる提供情報の不均衡が生じている可能性があります。
観光庁が発表した「通訳案内士を巡る状況及び今後の対応について(平成27年)」という資料を見ると、日本国内で訪日外国人をツアーガイドする登録通訳案内士は英語ガイドに偏重し、多言語化が出来ていない問題が指摘されています。
また同資料では自然観光ニーズの顕在化にも対応が出来ていないことが指摘されています。トレッキングガイドや山岳ガイドといったアクティビティガイドの数が圧倒的に不足しているのです。
自然観光資源を収益につなげるためには、訪日外国人が自然を眺めて歩くだけではなく、そこにツアーガイドが付き添い母国語で説明を加えたり実際に植物や鉱物を手に取って体験してもらう努力が必要です。
パンフレットや案内板も多言語対応が足らず「日本語にローマ字表記を併記」程度では自然の持つ複雑な魅力をほとんど伝えることは出来ないでしょう。
多言語対応への遅れが英語を母国語としない訪日外国人観光客の「自然・景勝地観光」への満足度が低い原因となっている可能性は否定できません。
まとめ:自然観光資源の収益化には多言語対応が不可欠
自然観光資源を収益につなげるためには、自然を眺めるだけでは不十分で、トレッキングやキャンプといったアクティビティ化して課金していくことが必要です。ツアーガイドの養成やアクティビティ拠点の整備を急ぐ必要があるでしょう。せめてパンフレットや掲示だけでも多言語対応し、訪日外国人が母国語で日本の自然に親しめる環境を作るのが必要です。
観光庁アンケートによると、訪日外国人の約半数は旅マエの時点で旅程に「自然・景勝地観光」を入れたことがわかっています。旅行中の飲食や宿泊、購買などの旅ナカ消費をどの地域で行うかは旅マエで「自然・景勝地」を軸に決められているのです。
「ジオパークだから・国立公園だから」と広大な自然に入場料をかけることは難しいものの、有料の自然観光ツアーや宿泊を伴うアクティビティはいくらでも導入可能で、じじつ世界各地の自然公園で行われています。
多言語対応と専門知識で「自然・景勝地観光」という観光資源の収益性を高めることは可能です。自然から生まれた利益を自然環境の保護に使うという理想的な観光スタイルも可能になっていくでしょう。
[blogcard url=”https://honichi.com/news/2017/10/06/tottoriinbound/”]
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【2023年インバウンド最新動向を予測】国・地域別デジタルマーケティング戦略
2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。
では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。
インバウンド対策を何から始めたら良いか悩んでいる方や、インバウンドの最新動向を知りたい方向けに
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