広島だけじゃない!インバウンドに本気の中国地方/4つの魅力と5つの施策とは?

日本政府は2020年に訪日外国人旅行者4000万人を目指し、訪日外国人旅行消費額8兆円、地方部での外国人延べ宿泊者数7,000万人泊の目標を掲げています。

明日の日本を支える観光ビジョンとは?わかりにくい政府や観光庁の取り組みの構造をまとめました

政府は観光先進国への新たな国づくりに向け、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議を行い「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。しかしその取り組みについてわかりづらくなっています。そこでこの記事では、政府の取り組みの全体像についてわかりやすく解説します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次観光立国に向けた政府の取り組み、団体などの相関図インバウンドに関わ...

こうした流れを受け、中国地方でも2020年に外国人延べ宿泊者数 320万人泊を実現すべく、運輸局、各県、広域DMO等の各観光組織が目標実現に取り組んでいます。中国地方ではこうした各観光組織間での意見交換会を1月を立ち上げ、意見交換を続けてきました。こうした中で、今年6月に「中国地方の訪日外国人宿泊の増加に向けて」と題した提言がまとめられています。詳しく見ていきましょう。

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中国地方の2017年の外国人宿泊者数は167万人

中国地方における2017年の外国人宿泊者数は約167万人となっており、2020年に向けて順調に伸びていると言えます。しかし、全国に占める中国地方への宿泊者数の割合は、日本人を含めた総宿泊者数は5.2%のところ、外国人宿泊者数は2.1%と半数となっています。

これは訪日外国人の観光ルートがゴールデンルートを中心とした東京、大阪、京都を中心としていること、そして関西圏からは広島にはくるものの、中国地方での長期間の滞在には至っていないという理由があります。

動向調査によると、アメリカからの観光客は広島県への訪問率が8.0%であるのに対し、鳥取県 0.3%、島根県 0.3%、岡山県 0.6%、山口県 0.6%となっています。

訪日外国人に中国地方へ訪れ滞在してもらうには、宿泊してでも行きたくなる中国地方の魅力の増大や、旅行先に中国地方を選択してもらうための様々な施策が必要です。この中で単に知名度を上げるということではなく、中国地方に訪れた訪日外国人が、また来たいと思える受け入れ体制の整備、環境の整備が求められています。

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中国地方の魅力とは

それでは実際に訪日外国人が訪れ、滞在したいと思える中国地方の魅力とは何のでしょうか?改めて整理してみると、中国地方ならではの魅力がいくつか存在することが確認出来ます。

インバウンド観光における中国地方の魅力(1)固有の歴史・文化

中国地方は広島平和記念公園宮島世界遺産登録の石見銀山など、世界に認知されている観光資源があり、出雲大社、「コナン」で有名な青山剛昌記念館などがあり、歴史、文化の両面で魅力があります。

インバウンド観光における中国地方の魅力(2)自然・景観

中国地方には大山隠岐国立公園、瀬戸内海などの他にスノーリゾートも存在し、海だけでなく山に関しても様々な体験が可能な土地柄です。

インバウンド観光における中国地方の魅力(3)飲食

瀬戸内海の温暖な気候、日本海側の涼しい気候をいかした農産物、魚介類が豊富で、様々な食を楽しめるのも特徴で、訪日外国人にも人気の高いお好み焼きなども楽しめます。

インバウンド観光における中国地方の魅力(4)二次交通の魅力

他にはない特徴として広島市、岡山市を走る路面電車、山口を走る SL 機関車などあるほか、7月からはJR グループによる山陰デスティネーションキャンペーンが開催。様々なイベント列車の運行等が行われます。また中国・四国地域の高速道路を割引額で自由に走行できる山陰・瀬戸内・四国エクスプレスウェイパスなどがあり、レンタカー利用者にとっての利便性が向上しています。

中国地方の魅力アップのために必要な取り組み

現状の地方の魅力に関して、これらをさらにアップさせるにはどのような取り組みが求められているのでしょうか?

インバウンドに向けた中国地方の魅力アップ施策(1)歴史的資源を活用したまちづくり

中国地方においては、山間部や山陰地域を中心とした日本の原風景が味わえ、瀬戸内海等の海と島の景色が楽しめる地点が多く存在します。農村や漁村のもつ地域資源・建築物、郷土料理、体験型の娯楽活動、伝統的家屋での宿泊をはじめとした滞在型の観光を提供することが可能です。

こうした観光スタイルを実現するためには、過去の成功例の収集、各地域が具体的に取り組めるようなイメージを描けるということが重要です。

【地方誘致】コト消費で期待が集まるグリーンツーリズム「農泊」 全国500地域での展開を政府後押しへ

2017〜2020年度が対象期間となる、政府の観光立国推進基本計画の改定素案が2日に判明しました。改定素案では、農業、林業、漁業などの体験型宿泊であるグリーンツーリズム「農泊」を、全国500地域でビジネスとして展開するというものです。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションについてより詳しい資料のダウンロードはこちらコト消費に対応!インバウンド動画プロモーションについてネット上の有名人を活用したインフルエンサープロモーションについてインバウ...

インバウンドに向けた中国地方の魅力アップ施策(2)街や温泉街における夜の賑わいづくり

日本政府も「ナイトタイムエコノミー」の重要性を上げていますが、特に都心部ではない地方部においても、夜のエンターテインメント、工業地域の夜景、中国地方に古くから伝わる神楽を夜に公演するなどの取組み、星の観察など、夜に出来るエンターテインメントの発掘、商店、娯楽施設の営業時間の延長を検討し、訪日外国人が期待している地元の郷土料理を楽しみながら、地元の観光を楽しめるような工夫が必要です。

【その経済効果80兆円】インバウンドにおいて手付かずの成長市場である「ナイトタイムエコノミー関連市場」とは

未開拓の夜間市場の活用 を行うことが、大きな経済的インパクトを発生させるということで、日本でもナイトタイムエコノミーが大きな注目を集めています。 日本政策投資銀行、日本政策投資銀行がアジア8地域、欧米豪4地域の訪日外国人観光客旅行者を対象に行なった調査によると、「日本旅行で不満だった点は何ですか?」という質問に対して、「ナイトライフ(バーやクラブ・ナイトマーケット等)体験」という回答が7番目に多い回答となっています。日本の観光活性化策は昼間にどこを観光してもらうかという視点が中心であり、夕...

インバウンドに向けた中国地方の魅力アップ施策(3)食や自然を生かした取組み

2016年の訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人が訪日前に期待していたことを尋ねたところ「日本食を食べること」という回答が単一回答として26.0%と割合として最多となりました。日本食は訪日外国人を日本に惹きつける上では強力なコンテンツと言え、地域性の強い郷土料理は観光客を引きつける上では重要な要素と言えます。

中国地方にはこうした地域郷土料理の他に、B級グルメ、地酒といった独自の食文化が存在します。こうした独自の食文化を磨き、訪日外国人向けの観光メニューとセットにした形として、「食」「地域性のある体験」を売り出す事が求められます。

訪日外国人観光客の人気「日本食」は「ラーメン」「肉料理」、なぜ満足度が高いのか?

訪日外国人観光客の約7割が「日本食」を楽しみに、日本に旅行で来日します。日本を代表する日本食といえば「寿司」を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし観光庁「訪日外国人消費動向調査」によると、意外にも「肉料理」と「ラーメン」の人気が高いことがわかりました。この記事では、訪日外国人観光客に人気の日本食と、なぜ人気となったのかをご紹介します。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査...

インバウンドに向けた中国地方の魅力アップ施策(4)中山間地域・離島での滞在型観光の促進

中国地方の山間地域・離島というのは、他では見られない景観と共に、春夏には山岳リゾート、マリンリゾートとして、秋には紅葉の名所として、冬にはスノーリゾートとして雪を活用した観光メニューが活用できます。

瀬戸内海の美しさもさることながら、こうした島々での滞在型観光しまなみ海道のサイクリングは国際的にも有名となっており、訪日外国人が日本で楽しみたいと思っている様々なアクティビティを楽しめる素養が中国地方にはあることが伺えます。

今後はビジットジャパン事業等で海外旅行社のファムツアー、ブロガー招請等を活用し、しっかりと中国地方の魅力を取り上げてもらい、訪日外国人に中国地方の魅力について知ってもらうことが重要となります。

スポーツ文化ツーリズムアワード2016大賞受賞

インバウンド振興の成功例として、よく例に挙げられる「瀬戸内しまなみ海道(もしくは、しまなみ海道)」をご存知でしょうか。これは愛称として付けられた名前で、正式には「西瀬戸自動車道」といいます。瀬戸内しまなみ海道は、広島県尾道市と愛媛県今治市を海をまたいでつなぐルートで、近年は美しい風景が楽しめるサイクリングコースとして有名。2014年にはCNNが「 世界で最もすばらしい7大サイクリングコース 」のひとつに選定しています。瀬戸内しまなみ海道はインバウンド市場で、なぜここまでの人気を獲得している...

インバウンドに向けた中国地方の魅力アップ施策(5)富裕層向けの観光資源の開発

観光による消費効果を高めるには、富裕層の誘客が重要ですが、中国地方には伝統的な古民家での滞在が出来る地域、瀬戸内の海、山の食材を利用した富裕層向けの観光サービスが整備されつつあります。今後は富裕層のニーズをさらに深掘りすると共に、訪日外国人に人気の体験型観光、体験型メニューの整備を進めていくことが必要です。

富裕層インバウンド

訪日外国人観光客の急激な増加を理由に、魅力的な観光地域づくりを推進し地域の「稼ぐ力」を引き出す組織であるDMOの必要性は年々大きなものになってきています。DMOは、広域連携DMO、地域連携DMO、地域DMOの3種類に分けることができ、日本国内には現在、計123 のDMOが存在しています。全国のDMOでは地域に訪日外国人観光客を呼び込むためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。新潟県・群馬県・長野県の3県にまたがる地域連携DMOである 一般社団法人雪国観光圏 の取り組みに関してご紹介...

中国地方の魅力を知ってもらう上ではリピーター、新規客へのアプローチを分ける必要性

訪日外国人消費動向調査では、東アジア諸国(韓国、台湾、中国、香港)からの観光客は、リピート回数が多いほど中国地方への訪問率が高いとの結果が出ています。こうした訪日外国人に対しては旅行自体の満足度をさらに高め、確実にリピーターとなってもらうことが必要です。

そのためには受け入れ環境の整備、観光案内所や宿泊施設等で周辺の魅力的な観光資源の紹介、リピーターにも目新しさを提供出来るような穴場スポットの紹介など、各地域、国ごとに傾向などを把握した上での対策が求められます。

訪日リピーターの地方訪問率は驚愕の【100%】!「なぜインバウンドでリピーター化が重要なのか」を知る3つのデータとは?

観光庁の「平成29年訪日外国人消費動向調査 トピックス分析」によると、2017年に訪日した外国人観光客のうち、初めての訪日であった人の割合は38.6%、2回目の訪日であった人の割合は61.4%でした。後者の2回以上、日本を訪問した訪日外国人観光客は「訪日リピーター」と呼ばれ、インバウンド市場で注目されています。では、訪日リピーターが注目されている理由はいったい何なのでしょうか。3つのポイントをもとに紐解いていきます。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサ...

中国地方への訪問経験がない、浅い訪日外国人には、中国地方各地にある独自の観光資源や興味の高い温泉等を発信することにより興味を持ってもらう、SNSでの拡散を意識した料理、お祭り、風景などのフォトジェニックな観光資源のPRなども必要です。

訪日客に人気の「インスタ映え」スポットベスト5が意外!超有名観光地でなくとも「写真」を通じて訪日客を呼び込める時代に

安倍首相も発言しているように 地方活性化・インバウンド誘致には「インスタ映え」が重要な時代に なってきています。近年の訪日外国人観光客のモノ消費からコト消費への消費トレンドの変化により、最近では 「その地域独自の観光資材」が重要視されています。InstagramなどのSNSで投稿したくなるような景観を整備していくことは、その地域の観光資材を効率的にアピールすることにつながります。近年の 訪日外国人観光客は実際に日本のどのような景観に惹かれて写真を撮影しているのでしょうか。 今回は、Trip...

また、特に初めて中国地方を訪れる訪日外国人に向けては、ホームページ、フリーペーパーの多言語化、道路案内標識の英語対応、トイレの様式化、駅や観光施設における指差し会話ツールの導入、Wi-Fi ポイントの整備など、快適に旅行が出来る環境整備も必要になってきます。

政府『外客容易化法』の改正案提出:公共交通事業者に地方のWi

1997年(平成9年)に施行された「外国人観光旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律(外客容易化法)」。これは、公共交通事業者に対して、駅名などを英語、中国語、韓国語など多言語表記にすることを努力義務として課すものです。この「外客容易化法」の改正案が提出されます。日本政府はゴールデンルート以外の地方部への送客が今後の日本の観光のありかた、訪日外国人の受け入れに関して必要だとしていますが、地方部では外国語による対応、そして通信環境の整備が中々進まない ものとして挙げらます...

中国地方にいかに他地域を訪れた訪日外国人を呼び込むか?

中国地方では世界遺産では平和記念公園、宮島の知名度は高いものの、それ以外の観光資源はほとんど知られていないのが現実です。訪日外国人に人気の高い広島を中心とした中国地方の魅力を伝え知名度をあげていくと共に、広島以外の観光地域があることの周知、PRが今後は求められています。

つまり、訪日外国人でも知っている観光資源と地域名である「瀬戸内」、「山陰」、「山陰・山陽」という名称をリンクさせる事が必要で、中国地方を訪れる訪日外国人が最も多く訪れる広島からも移動が容易な岡山、山口といった中国地方の別の地域へ訪れてもらうことが重要となります。

今年最も地方誘致に成功した島根県 ウェブ上での集客方法がすごい!山陰インバウンド機構の効果的なインバウンド向けPR方法から学べる5つのこと

楽天トラベルの「人気上昇都道府県・人気都道府県ランキング」によると 島根県は2016年と比較して135.0%増の訪日外国人観光客の宿泊数を記録 しました。この伸び率は全国でもっとも大きい数値でした。島根県が、2017年の地方誘致において大きな成功を収めたといえる理由の1つが 日本版DMOである山陰インバウンド機構に参加していたこと です。山陰インバウンド機構では観光客向けに 広域観光周遊ルート「縁の道~山陰~」を整備 しており、訪日外国人観光客から大きな人気を博していました。訪日客の地方誘...

また、もう少し地域を広げると、中国地方は関西、九州の間にあり、新幹線を利用すればその利用は容易です。関西には大阪、京都があり、九州も訪日外国人には高い人気を誇ります。こうした地域を訪れる訪日外国人に中国地方を認知してもらう、その魅力をPRしていくことで、中国地方まで足を伸ばしてもらうという可能性も大きくなります。

まとめ:中国地方ならではの魅力を醸成、PRしつつも他地域からの訪日外国人の取り込みも求められる。

今後中国地方のさらに訪日外国人を呼び込むためには、中国地方ならではの魅力をさらに高め、それをPRしていくこと、リピーター客と新規客へ向けた対策が必要ですが、それだけではなく、中国地方の中でも訪日外国人に人気の広島を訪れる訪日外国人客、また大阪、九州など新幹線で訪れやすい地域を訪れる訪日外国人客へのPRなども求められています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!