「日本で忍者募集」というフェイクニュースが世界中を駆け巡ったのは今年の7月後半のことでした。「日本の少子化による労働力不足は、とうとう忍者のなり手がいないほどに深刻化した。日本の伊賀市は忍者のトレーニングに挑む者に8万5千ドルの年俸を払う」というこのニュースのために、世界23か国・115人の忍者希望者から応募があり、伊賀市は対応に追われました。
「Japanese ninja」が海外で今でも注目されているとわかったニュースです。海外の若者が日本の「サムライ」や「忍者」に触れるコンテンツは「アニメ」が多く、海外では日本と同じかそれ以上に「サムライ・忍者」に対する憧れがあるようです。この人気をインバウンドでいかに活かすべきでしょうか?
意外と馬鹿にできない観光資源『忍者』 海外で「98.7%」が認知、「63.1%」は実在を信じていると調査で判明
忍者は海外でも「NINJA」で通じるほどにポピュラーな存在です。伊賀流忍者、甲賀流忍者は世界的にも知られており、伊賀市、甲賀市を訪れる訪日外国人観光客も少なくありません。そうした流れを受けて、日本忍者協議会(英語名:Japan Ninja Council)では忍者コンテンツに関する世界規模の調査『忍者グローバル調査』を実施。その結果を見ていきましょう。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!...
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日本の「アニメ市場」はとうとう2兆円産業に!?
昨年2017年10月24日に発売された『アニメ産業レポート2017(一般社団法人日本動画協会)』によると、アニメ産業市場が2016年に初めて2兆円を超えたとされています。市場は総額2兆9億円で、前年比で9.9%増とされます。
2兆円という市場規模をイメージするなら、アニメの広義市場規模は、日本の世界的産業であるゲーム産業とほぼ同じであり、2017年度のインバウンド業界の市場規模が、総額で4兆円です。いかに大きい市場規模であるかがわかります。
ほぼ同時期(昨年2017年7月27日)に経済産業省から発表された『経済解析室ニュース』にも、「アニメの狭義国内市場規模は1,700億円。しかし広義では1.24兆円に拡大(引用)」との分析がされています。行政がデータに基づいて控えめに見積もっても、巨大な市場規模であることがわかります。
同ニュースには「2009年以降は、狭義、広義のアニメの市場規模は安定的に上昇(引用)」との分析も示されています。
「アニメ広義市場規模」とはどのように算出されるのか?
経済産業省の経済解析室のレポートによると、アニメ市場として捉えられているのは、以下です。
- TV:テレビ番組制作/放映権利収入
- 映画:劇場作品制作/分配収入
- ビデオ:ビデオグラム制作/分配収入
- 配信:配信作品制作/分配収入
- 商品化:ライセンス収入/広告/販促/イベント物販等収入
- 音楽:音楽関連収入
- 遊興:パチンコ・パチスロ映像制作/分配収入
- ライブエンタテイメント:(アニソン・声優ライブ/イベント/2.5次元ミュージカル/ミュージアム・展示会/カフェ)
- その他
このうち、経済産業省では製作・制作会社の売上を狭義市場規模、エンドユーザーの支払額を広義市場規模と定義しています。
インバウンドにおけるアニメの聖地巡礼のような動きは、まだ広義市場規模にすら把握が出来ていないかも知れないのが現状です。
地方誘致の起爆剤なるか 海外の「君の名は。」ファンは聖地巡礼にどんな反応?実証調査を行うアニメツーリズム協会がシンポジウム開催へ
平成28年(2016年)9月15日に発足し、「クールジャパン連携実証プロジェクト」の一角を担う存在として活動しているアニメツーリズム協会。かねてから日本で生まれたアニメ作品のファンである訪日外国人観光客のアニメツーリズム(いわゆる聖地巡礼)活性化プロジェクトに関するシンポジウムを開催することを発表しました。場所は東京都千代田区の都道府県会館で、日時は平成29年(2017年)3月3日午後2時30分~4時30分までの2時間。参加できるのは中央官庁、地方自治体関係者などとなっています。いよいよプ...
近年、中国で躍進する「サムライ・忍者」のアニメ映画
近年の日本のアニメコンテンツの中で、映画の海外興行収入などから見て、断トツの人気を誇るのはジブリ作品です。しかし国によってかなり人気上位作品が異なるという印象があります。
- 米国:2000年前後公開のポケモンシリーズが人気。近年は日本作品はあまり人気がない
- 韓国:2000年代前半のジャパニーズホラーが人気だったが、ここ10年は『君の名は。』以外では爆発的ヒットはない
- 中国:2015年以降、ここ3年ほどで日本の映画作品の人気は急上昇している。ドラえもんが一番人気だが、銀魂(実写)・ONE PIECE・NARUTO・名探偵コナンなど少年マンガからの映画化アニメ作品が人気。
現在、日本で制作されるアニメコンテンツを一番支持しているのは中国市場で、「SF時代劇」「冒険ファンタジー」といったジャンルを好むことがわかります。現在公開中の『銀魂2』についても、Weibo(微博)で好意的な感想が多い印象です。
懐かしの「一休さん」 中国で熱烈な人気でランクイン!国内外のアニメファンの声を反映した「訪れてみたい日本のアニメ聖地150」発表
平成28年(2016年)9月16日に発足し、「クールジャパン拠点連携実証プロジェクト」の一角を担う団体として活動を行っているアニメツーリズム協会。理事長である富野由悠季さん(アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの監督として有名)を筆頭に、角川歴彦さん(株式会社KADOKAWA 取締役会長)、坪井泰博さん(株式会社ジェイティービー 取締役)、夏目誠(成田国際空港株式会社 代表取締役社長)、藤田直志さん(日本航空株式会社 代表取締役副社長)とそうそうたる人物が名を連ねることから、インバウンド関連...
Youtubeなどの動画サイトで人気の「サムライ・忍者」アニメTop10
ネットの動画サイトでも日本の「サムライ・忍者」アニメコンテンツの人気がわかります。
経済産業省のレポートでも指摘しているように、日本アニメ産業の特徴はコンテンツの多産です。知名度はそれほどなくても、小品でクオリティの良い作品も多いのです。海外のファンはそれも見逃していません。
サムライアニメTop10
youtubeで外国人向けにまとめられたサムライアニメのランキングのうちの1つです。1位は『銀魂』、2位は『るろうに剣心』です。(ランキング作者の主観によるランキングです。)
忍者アニメTop10
youtubeで外国人向けにまとめられた忍者アニメのランキングのうちの1つです。1位は『NARUTO』となっています。(ランキング作者の主観によるランキングです。)
海外の「サムライと忍者」イメージは?訪日外国人に体験型コンテンツが人気の理由
多くの魅力的な観光地や訪日外国人向けコンテンツがあるなか、「サムライ(侍)」や「忍者」といった日本の歴史に関連する独自のコンテンツは、常に訪日外国人から高い人気を集めています。それは、気軽にサムライ体験ができる歌舞伎町の「サムライミュージアム」が旅行情報サイトTripadvisorにおいて4.5の高評価を受けていることからもうかがえます。この海外での人気を受けて、かつて数々の戦国武将を輩出した愛知県は、「サムライ」「忍者」を活用した観光の活性化に取り組んでいます。以前、日本忍者協議会による...
まとめ:コンテンツの2次利用が収益化の鍵となるアニメ業界だが、まだまだ埋もれた「サムライ・忍者」コンテンツも多い。インバウンド業界はアクティビティやイベントでの積極的な活用を
日本アニメ(映画・テレビ番組・マンガ)には、海外で人気の「サムライ・忍者」コンテンツが多数あります。これらの関連市場には「日本人から何かを学ぶ」「日本に来て体験する」ことについて優位性があります。上手に二次利用する仕組みづくり、複数の作品のシナジーを活かしたイベントなどの活用が望まれます。
実は強力な観光資源「NINJA」を全面に押し出した産学官民の共同プロジェクト「忍びの里 伊賀」創生プロジェクトとは?
忍者は訪日外国人において、未だに人気の高い日本のコンテンツであり、文化として海外でも「NINJA」として定着しています。甲賀、伊賀の忍術を集大成した秘伝書「万川集海」の中には、極めて優れた忍術の使い手として、伊賀11名人などが紹介されていますが、こうした歴史的バックグランドを、日本文化に触れたいと願う訪日外国人に「本物を感じる」体験プログラムとして伊賀市、三重県、三重大学、JALが共同で進めています。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーション...
インバウンド×NINJA!?「忍者ツーリズム」を実現させるプロジェクト「NINJA NIPPON PROJECT」
日本を連想させるものといえば、何でしょうか。多くの訪日外国人観光客がイメージしそうなところだけでも舞妓、天ぷら、富士山といった具合に、いくつか挙げることができるでしょう。そして、まちがいなく忍者もこの1つに名を連ねています。舞妓さんとちがって日本国内でさえ目にする機会がほとんどない忍者が、なぜここまで有名になったのか不思議なところではありますが、映画「007は2度死ぬ」に登場したり、アメコミを原作とする「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」ではなぜか亀が忍術を使ったりと、コ...
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<参考>
- 忍者フェイクニュースに日本の街が尻ぬぐい NEW YOTK POSTより
- アニメ産業市場が2016年に2兆円を突破、アニメ業界市場は2301億円 アニメビジネスジャーナルより
- 日本の2大コンテンツ、ゲームとアニメの制作企業の実像を比較する(その1)経済産業省ホームページより
- Wikipedia 日本映画の歴代興行収入一覧
- BOX OFFICE MOJO 中国の年間映画興行収入ランキング
- Top 10 Best SAMURAI Anime List Youtube
- Top 10 Best Ninja Anime of All Time Youtube
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短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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