「Samsung Pay(サムスンペイ)」とは、韓国企業のサムスン電子株式会社が展開する電子決済サービスで、スマホにクレジットカード情報を登録することでスマホひとつで簡単に決済できるシステムです。
世界でもっともキャッシュレス化が進んでいるのは韓国であるといわれています。今回の記事では、Samsung payの概要や韓国で人気となっている理由を紹介します。
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韓国のキャッシュレス事情
韓国ではクレジットカード決済が広く利用されています。きっかけは1997 年の東南アジア通貨危機で、深刻な経済不振に陥った韓国政府が、実店舗等の脱税防止や消費活性化のためクレジットカード利用促進策を実施したことにあります。
また、韓国では硬貨の発行や流通・管理にかかる社会経済的コストが日本円で約54億円に上ることから、2017年4月以降、コインレスに向けたプログラムを開始。消費者が現金で支払ったおつりをプリペイドカードに入金させることで、釣銭を出さない取組みを進めています。
韓国ではSamsung Pay(サムスンペイ)が人気
クレジットカードが普及する韓国において、スマホ決済として広まりを見せているのがSamsung Pay(サムスンペイ)です。
日本でも人気のアンドロイドスマホ「Galaxy」に搭載されている決済機能で、スマホにクレジットカード情報を登録しておけば、おサイフケータイやApple PayのようにNFC(非接触IC)端末に近づけるだけで支払いができます。
さらにSamsung Payは、従来の磁気カード式端末に近づけても決済できる点が特徴的です。
Apple Payとは似て非なるもの?
磁気カードとは、クレジットカードの裏側に磁気ストライプ(黒い帯)が入っているカードです。通常は専用のカードリーダーに磁気部分をスキャンすることでカード情報を読み取ります。
Samsung Payはスマホから特殊な電波を発することで磁気カードリーダーに情報を送し、カードをスキャンしたのと同じ結果を得ることができます。この方式はMST(Magnetic Secure Transmission)と呼ばれています。
世界進出も開始 Samsung Payが導入しやすい理由
もともとクレジットカードが普及している韓国において、新たにNFC端末を用意しなくても非接触決済が利用できるSamsung Payは、店舗に導入コストの負担がありません。Visaやmasterなどの国際ブランドも登録できることから、現在は世界24か国でも利用されています。
導入国の事情に合わせて柔軟に対応できる点も特徴です。香港では世界初の交通系電子マネーカード「オクトパス」と提携し、Samsung Payをプラスチックカード代わりに使えるようになっています。
セキュリティも万全
従来の磁気カードはカードリーダーの価格が安い反面、偽造が簡単なことから安全性に不安があります。スキミングの被害は世界中で問題になっており、日本でも2012年以降の被害件数が増加に転じています。そのため2016年12月の割賦販売法の改正で、磁気カードよりも安全性が高いとされるICカード対応端末の使用が義務付けられることになりました。
Samsung Payは、決済端末に磁気カードを通す作業が発生しないため、スキミングの被害に遭うリスクがありません。またカード情報を暗号化して端末に送信するため、店舗にカード情報を知られるリスクがなく、IC対応端末でなくても安全にカード決済を利用できます。
日本のキャッシュレス化促進に取り入れたいSamsung Payの技術
日本では比較的安価に導入できるQRコード決済を普及させるため、2018年12月にペイペイが行なった「100億あげちゃうキャンペーン」でユーザーが急増しました。その一方でアプリに脆弱性があったために、不正に入手したクレジットカード情報で決済されるという被害も多数報告されています。
今まで現金しか扱ってこなかった店舗にとってQRコード決済の導入のしやすさは有益です。しかしすでに磁気カード決済を導入済の店舗にとって、新たにQRコード決済を取り入れたり、IC対応端末に入れ替えるのは大きな負担になります。
Samsung Payを使えば磁気リーダーでも安全性を確保できます。日本でもキャッシュレス化を促進させたいのであれば、1つの決済手段にとらわれずあらゆる手法を取り入れて、店舗の負担を軽減する必要があるのではないでしょうか。
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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
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