訪日外国人数3,000万人を突破!増加続く理由は「ビザ・LCC・日本ブーム・リピーター化」という4つの背景

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訪日外国人数は年々増え続けており、2018年には史上初の3,000万人を突破しました。

この記事では、訪日外国人数が増え続ける背景や今後の動向を、最新のデータに基づいて解説します。

最も数が多い中国人観光客の動向や、訪日リピーターの増加についてなど知っておくべき情報もまとめています。

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訪日外国人数が過去最高を記録

訪日外国人数は震災のあった2011年に一度減少しましたが、2012年には無事回復し、それ以降年々増え続けています。

ここでは、日本政府観光局JNTO)による2018年、2019年の最新データを解説します。

2018年訪日外国人数が3,000万人を突破

▲JNTO 訪日外客数データより作成
▲JNTO 訪日外客数データより作成

日本政府観光局JNTO)によると、2018年の訪日外国人の総数は約3118万人で、初の3,000万人突破を果たしました。

度重なる自然災害の影響もあってか、2018年9月の訪日外国人数は約216万人で、前年同月比は-5.3%と5年8カ月ぶりに減少に転じました。ですが翌10月には約264万人、前年同月比も1.8%と無事に回復し、そのまま過去最高記録を達成しました。

2018年の訪日外国人数に関する詳しい内容は次の記事もご覧ください。

【国別】2019年訪日外国人観光客数の予測|効果的なインバウンド対応のポイントとは?

日本政府観光局(

2019年の前年同月比もプラスが続く

続いて2019年の最新データです。

2018年の同じ月と比較した「前年同月比」は、1月:7.5%、2月:3.8%、3月:5.8%(2、3月は推計値)と順調にプラスの伸率が続いています。

今年もさらに訪日外国人数が増えていくと言えそうです。

訪日外国人数増加の背景

ここまで最新のデータを基に、訪日外国人数の推移についてお伝えしてきました。

ここでは、なぜ訪日外国人数が増え続けているのか、その背景を解説していきます。

訪日中国人向けビザの緩和

訪日客数自体の多さもさることながら、消費額の多さでも重要な位置を占めるのが中国です。

2017年5月から訪日中国人に対するビザ発給要件が緩和されました。「爆買い」が収束し中国人観光客が減少するかと思われましたが、ビザ緩和が功を奏し、前年比を見ると2017年が15.4%、2018年が13.9%と2桁の伸率を保っています。

また2019年1月にはさらなるビザ緩和を行い、手続きの簡素化の対象となる大学がなんと75校から12,43校に拡大しました。その潜在需要は3,000万人とも言われています。

今後も訪日中国人観光客が増加していくと言えそうです。

航空運賃の低価格化

LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社を利用する旅行者が増えています。

特に韓国など距離的に近い国々からの観光客は、あまりお金をかけずに手軽に楽しみたいという感覚があるようです。そのため、韓国などのLCCの利用率は非常に高くなっています。

航空運賃の低価格化が東アジア圏の旅行者の増加に寄与していると言えます。

詳しくは以下の記事を参照してください。

韓国では6割超 アジア圏の訪日客の間で高いLCC利用率 訪日客数の増加とも影響する?改めて考える「LCC」と「インバウンド」の関係性

近年、FSA(Full Service Airline:ANAやJALなど従来の代表的な航空会社)に比べてフライトの料金が安いことから、世界中でより多くの人が LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)にて旅行する ようになっています。日本のインバウンド市場においても、 特にアジア圏の訪日外国人観光客を中心にLCCで訪日する人が増えており、 LCC市場の動向とインバウンド市場は切っても切り離せない関係になってきています。観光庁では、訪日外国人消費動向調査のトピックス分析におい...

日本文化・商品への関心

いくら環境が整ったとしても、日本そのものへの興味が無ければ訪日観光客は増えません。

既にご存知の方も多いと思われますが、日本食、マンガ、アニメ、日本建築(寺、神社など)といった日本文化への関心の高まりが訪日観光客を増加させています。また、訪日中国人の「爆買い」に象徴されるように、質のいい日本の家電、日用品などが人気を集めています。

また近年、SNSやブログなどを利用したマーケティングが盛んになっており、日本の文化や商品が世界に広まりやすくなっていると言えます。

訪日外国人観光客の約6割がリピーター

ここまで訪日外国人数の推移とその背景についてお伝えしてきました。

訪日外国人観光客の約6割がリピーター、つまり以前日本に来たことがある人だと言われています。

ここからは、訪日リピーター増加の詳しい情報とその効果を解説していきます。

訪日リピーターの増加

日本政府観光局JNTO)による2018年のデータでは、観光目的の訪日客のうち、来日回数が2回目以上だと答えたのは59.5%でした。

全体の人数にすると約1855万人にのぼるとみられます。2017年に比べ伸率は緩やかになったものの、100万人近く増加しました。

訪日リピーターは地方を訪れる傾向が強い

観光庁によると、訪日回数が多いほど地方を訪れる割合が高くなる傾向にあります。

▲観光庁「平成29年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】」より
▲観光庁「平成29年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】」より
これは2017年のデータを基に、特にリピーターが多い東アジアの国々に絞って、訪日回数別の地方訪問率をグラフにしたものです。

訪日回数が増えるほど地方を訪れる割合が高くなっているのがわかります。中国は一見すると減っているように見えますが、訪日回数が増えるほど訪問する都道府県が増加するというデータもあります。

訪日リピーターを集客することで、地方へのインバウンド集客を増大させることができると言えます。

訪日回数が増えるにつれて消費額も上昇

観光庁によると、訪日回数が多いほど訪日旅行時の消費額が増える傾向にあります。

▲観光庁「平成29年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】」より
▲観光庁「平成29年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】」より
これは前項の図と同じデータから、訪日回数別の旅行支出をグラフにしたものです。特に訪日ヘビーリピーターは1回目と比較して 2~4割程度高くなっているのがわかります。

訪日リピーターを集客することで、訪日観光客1人当たりの消費額を増大させることができます。

訪日リピーターを増やすには「旅アト」戦略

旅アト」とは、母国に帰国し、訪日旅行の余韻にひたる期間です。SNSや越境ECなどを活用し、旅アト」期間の訪日観光客に積極的なプロモーションを行っていくことで、次の訪日観光客を創出することができます。

詳しくは以下の記事を参照してください。

【旅アト編】インバウンドで話題の旅マエ・旅ナカ・旅アトを徹底解説

年々、訪日外国人観光客が増えるにつれて、インバウンドビジネスに参画する企業も増えつつあり、それにともない、インバウンド業界におけるマーケティング手法が確立しつつあります。現在、インバウンドマーケティングにおいては、訪日外国人観光客の行動について「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」、すなわち訪日旅行前、訪日旅行中、訪日旅行後にフェーズわけをした上で、それぞれの段階ごとに適切なアプローチをすることが重要となってきています。今回は、その「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のうち、「 旅アト 」について徹底解...

訪日リピーターの増加を促進し、地方創生・消費額増へ

2018年に訪日外国人数が3,000万人を突破し、今後も増え続ける見通しです。その背景にはビザ緩和、航空運賃の低価格化、日本文化・商品への関心があったということをお伝えしてきました。

既に訪日観光客の約6割がリピーターであり、地方への訪問や大きな支出が期待できます。旅アト」戦略をしっかりと行うことで、さらに訪日リピーターを増やし、地方創生や消費額増へつなげていきましょう。

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【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】

【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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