国慶節とは?春節との違いや経済効果、インバウンドへの影響も解説

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JNTO(日本政府観光局)の発表によると、2024年の年間の訪日外客数は、過去最多の3,687万人でした。そのうち698万人が訪日中国人です。

また、中国人の訪日旅行での消費額は年間1兆7,265億円におよび、訪日外国人による消費全体の約2割を占めています。訪日中国人は、その人数や消費額において、インバウンド市場で存在感を放っているのです。

この記事では、訪日中国人向けのインバウンド対策で押さえておきたい、中国の大型連休の一つ「国慶節」について紹介します。

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国慶節とは?

国慶節中国の法定祝日で、春節に並ぶ大型連休の一つです。国慶節とは具体的にどのような祝日なのかを説明します。

2025年の「国慶節」は10月1日から8日まで

中国国務院の発表によれば、2025年の国慶節は10月1日で、1日から8日までが大型連休となります。

今年はさらに、もう1つの祝日「中秋節」と日程が重なり、例年よりも1日長い8連休となっています。

国慶節の日程は毎年変わりますが、例年9月末から10月上旬が連休になります。

この連休期間に海外旅行する中国人は多く、日本にも毎年多くの訪日中国人観光客がやってきます。

「国慶節」は中国の建国記念日

国慶節は、中国の建国記念日です。

1949年10月1日に中華人民共和国の成立が宣言されたことから、毎年10月1日が国慶節として定められています。

北京の天安門広場では国旗が掲揚され、10年ごとの節目には軍事パレードが執り行われます。

「国慶節」の意味や読み方

国慶節」とは、中国語では「国庆节」と書き、「こっけいせつ」と読みます。「慶」には「祝う、祝賀する」という意味があり、「国慶」で「国を祝う」という意味になります。

関連記事:2024年国慶節から見える、中国人旅行者の旅行動向を解説

【最新版】中国の祝日と大型連休

国慶節の他にも、中国には多くの祝日があります。大型連休には、国内外の経済活動が活発化し、日本のインバウンド市場にも大きな影響を与えるため、ぜひ押さえておきましょう。

中国の祝日と大型連休一覧

2025年の中国の祝日や連休は、以下の表のとおりです。

1月1日(水)

元旦(正月)

西洋暦の新年を祝う国際的な祝日です。

1月28日(火)~2月4日(火)

春節旧正月

中国における旧暦の正月(旧正月)のことで、家族と新年を盛大に祝います。

4月4日(金)~6日(日)

清明節

お墓参りをし、祖先を供養する日として定められた祝日です。

5月1日(木)~5日(月)

労働節

労働者の貢献を讃える中国版「メーデー」です。

5月31日(土)~6月2日(月)

端午節

古代中国において成立した暦上の節目の日です。

10月1日(水)~10月8日(水)

国慶節中秋節

国慶節中国の建国記念日、中秋節は五穀豊穣を願う祝日です。

中でももっとも長い連休が春節国慶節で、それぞれ8日間の大型連休となります。

2026年以降の祝日についてはまだ発表されていませんが、時期や連休期間は例年と大きく変わらない見込みです。

関連記事:【2025年版】中国の祝日・連休カレンダー

▲2025年の中国の祝日カレンダー
▲2025年の中国の祝日カレンダー

春節と国慶節の違い

国慶節春節中国の二大大型連休として知られていますが、それぞれ文化的意味は異なります。

国慶節は中華人民共和国の建国に由来する記念日であり、祝日になったのは毛沢東主席が中華人民共和国の成立宣言をした1949年以降です。

一方、春節はいわゆる旧正月であり、旧暦の1月1日を祝う日です。中国で最も伝統的で重要とされる祝日で、新暦の正月よりも盛り上がりを見せます。日付は毎年異なり、例年1月下旬〜2月中旬に設定されます。

春節には、離れて暮らしている家族が一同に会し、家族で過ごすのが一般的です。とくに、大晦日にあたる「除夕(じょせき)」の夜には、多くの中国人が家族と過ごします。

国慶節には、秋の快適さもあって、旅行やレジャーなど外出を楽しむ人が多い傾向があります。家族で過ごすことを重要視する春節に比べて、国慶節は友人などと連休を楽しむ中国人も多いといえます。

中国の振替出勤制度

中国には「振替出勤」という、春節国慶節などの大型連休を作るため、前後の土曜日や日曜日を出勤日として扱う制度があります。

たとえば、2025年の国慶節は、連休前の9月28日(日)と、連休後の10月11日(土)が出勤日として調整されています。

国慶節の経済効果や観光への影響は?

国慶節を利用して海外旅行に行く中国人は多く、日本にも毎年多くの中国人観光客の姿が見られます。

国慶節期間の訪日中国人による経済効果や、観光への影響を解説します。

【日本国内】国慶節の観光影響

日本政府観光局JNTO)の統計によれば、2024年の年間の訪日外客数約3,687万人のうち、中国人観光客の総数は698万人でした。

また、2024年時点では年間訪日中国人数はコロナ前の水準に届かなかったものの、その後順調に回復し、直近8月には101万8,600人(前年同月比36.5%増)を記録。コロナ後初の単月100万人を突破しています。

関連記事:6月の訪日中国人数は79.8万人、上半期はコロナ前を上回る:中国市場の最新インバウンドデータを解説【2025年上半期】

▲訪日中国人客数の推移(2014〜2024):日本政府観光局(JNTO)より訪日ラボ作成
▲訪日中国人客数の推移(2014〜2024):日本政府観光局(JNTO)より訪日ラボ作成

消費額を見てみると、国慶節があった2024年10-12月期の訪日中国人消費額は4,303億円でした。これは国・地域別ではもっとも多く、全体の訪日消費額の18.7%を占める数値です。

今年は昨年よりも訪日客数の回復が進んでいることから、さらに多くの中国人観光客が訪れることが予想できます。これに伴い、前年以上の経済効果が期待されます。

国慶節の海外旅行先は日本がトップ

中国OTACtripが発表した2024年のレポートによると、国慶節期間の人気海外旅行先では日本が1位になりました。

同レポートでは、Ctripプラットフォームにおけるインバウンド旅行(海外から中国への旅行)およびアウトバウンド旅行(中国から海外への旅行)の1日平均注文量は、コロナ前を上回り過去最高を記録したと発表しています。

また、Airbnb Chinaが今年の国慶節のトレンドを予測したレポートにおいても、日本は最も検索された旅行先としてトップになり、検索数は前年比で倍増しました。

関連記事:

訪日中国人観光客の旅行トレンドは?

訪日中国人観光客による旅行トレンドはいくつかあります。

まず、旅程の前倒しや後ろ倒しでピークを避ける旅行スタイルです。混雑を避けて旅行体験をより快適にするだけでなく、ピーク時の航空券やホテル代を節約する意図があることがうかがえます。

次に、混雑する観光名所を避け、人の少ない穴場スポットを訪れる旅行スタイルもトレンドです。ソーシャルメディアの影響も大きく、旅行者はこれまで知らなかった観光地や旅行商品を発見できるようになりました。

2024年の国慶節では、静岡県伊東市の南部にある大室山が、日本の映画『君の名は。』の中で出てくる風景と似ている、という理由で人気を集めました。

関連記事:中国人の間で流行中の「逆向旅行(反向旅游)」とは?混雑避ける”穴場”が人気

【中国】国慶節の観光影響

中国交通運輸部の発表によると、2024年の国慶節期間中、10月1日から7日の間に地域外に移動した人の数は延べ20億300万人、1日平均2億8,600万人となり、前年同期比では平均3.9%増加しました。

また文化観光部によると、中国国内旅行者の旅行消費額についても、前年同期比6.3%増、2019年同期比7.9%増と、前年・コロナ前を上回りました。

国慶節期間には、中国国内の観光スポットも混雑することが予想されます。

国慶節に向けた訪日中国人観光客へのインバウンド対策

国慶節を利用して来る訪日中国人観光客に対しては、どのような対応が実際の集客につながるのでしょうか。市場動向などふまえて解説します。

1. インバウンド市場はモノ消費からコト消費へ拡大

2015年~2016年頃、訪日中国人観光客による「爆買い」と呼ばれる現象が注目を集めました。その後、訪日中国人観光客の消費需要は、医薬品や日用品、食品などにもおよび、日本でショッピングを楽しむのが訪日旅行の主流でした。

最近では、手にとって購入できる商品だけでなく、日本ならではの文化体験という形に残らないものに魅力を感じる中国人観光客が増えています。観光庁の「インバウンド消費動向調査(旧 訪日外国人消費動向調査)」によると、2019年の訪日中国人観光客による消費において、買い物代は51.1%と半数を占めていましたが、2024年には43.1%に減少し、宿泊費、飲食費、娯楽等サービス費の割合が上がっています。

こうした傾向は中国人に限らず、インバウンド全体で増加しています。物質的な豊かさではなく、体験サービスといった精神的な豊かさへの需要が高まっているトレンドを踏まえ、訪日外国人の消費意欲を満たすような旅行プランや体験型商品を提供することが求められます。

関連記事:コト消費とは?モノ消費やトキ消費との違い、需要を取り込むための施策など

2. 旅マエ・旅ナカ・旅アトの3段階に分けたアプローチ

訪日中国人観光客の集客方法を考える際に重要なのが、「旅マエ旅ナカ旅アト」の3つの期間です。旅行者のタイミングごとに発信するべき情報や提供するべきサービスが異なります。

旅マエは、具体的な情報収集や予約を始める期間で、訪日旅行の1〜3か月前を指します。観光客はこの段階で、大まかな旅程や行きたい場所、食べたいもの、買いたい商品などに目星をつけるため、指名訪問を狙った対策を行う必要があります。具体的な接点としては、メディアや雑誌、口コミサイトSNSなどが挙げられます。

旅ナカは、すでに旅行を楽しんでいる期間であるため、今いる場所の近くで良い場所を探す「衝動訪問」を狙います。口コミサイトSNSによる発信のほか、街頭の看板なども訪問につながる可能性があります。

旅アトは、旅行者が訪日中に行ったお店や観光スポット、買った商品などの口コミをインターネット上に書いてくれる可能性があります。そのため、口コミの投稿を促す施策が必要になります。

関連記事:2025年版「インバウンドカレンダー」訪日プロモーションのタイミングを徹底解説

3. 中国人向けのSNSや口コミサイトの活用

中国では、FacebookXGoogleなどが規制されており、日本で一般的に使われているSNSでは情報を届けにくくなっています。そのため、中国人が利用しているSNSサービスへの情報掲載が必要です。

特によく使われているSNSとしては、Weibo微博)やWeChat微信)、RED小紅書)、大衆点評などが挙げられます。日本からアカウントを開設できるサービスもあり、日本の企業や有名人もこうしたSNSを利用して宣伝・PRを行なっています。

拡大する訪日需要を取り込むためにも、中国SNSの特徴を知り、トレンドに合わせた施策検討が必要です。

関連記事:中国人はSNSをどう使っている?SNSの「検索エンジン化」「EC化」など、おさえておきたい6つのポイント


国慶節は訪日中国人の集客を見込めるチャンス

日本旅行に対する中国人の関心は非常に高く、今年の国慶節訪日中国人観光客が増加することが期待できます。

一回の旅行だけでなく、リピーターとしてまた日本を訪れてもらえるよう、抜かりなくインバウンド対策を行っておきましょう。

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<参照>

JNTO(日本政府観光局):訪日外客統計
観光庁:インバウンド消費動向調査
国务院办公厅:国务院办公厅关于2025年部分节假日安排的通知

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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