国慶節とは | 中国の建国記念日・日本旅行に大きな需要・インバウンド対策3選

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日本政府観光局の発表によると、2018年の年間の訪日外客数は3,119万人を突破し、うち訪日中国人は838万人を記録しました。

訪日中国人はその人数だけでなく、旅行消費額でもインバウンド市場の注目を集めています。中国人の訪日旅行での消費額は年間1兆5,450億円におよび、訪日外国人による消費全体の約3割を占めています。

中国政府は今年2019年より個人輸入を行うソーシャルバイヤーに対する徴税体制を強化したことから、訪日中国人観光客の消費意欲も減退がささやかれていますが、日本百貨店協会が発表した免税総売上高は今年に入ってからの売上は1月を除き、毎月前年同期比100%超となっています。

こうした数字から、訪日中国人観光客の観光収入による経済効果は非常に大きく、インバウンド関連業界では最も重視すべき顧客層の一つであることがわかります。

この記事では、訪日中国人観光客向けのインバウンド対策を計画する際に覚えておきたい、中国の大型連休の一つ国慶節(こっけいせつ)について紹介します。


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国慶節とは?

「国慶節」は中国の法定祝日で、春節に並ぶ大型連休の一つです。ここでは、国慶節とは具体的にどのような祝日なのかを説明します。

国慶節は、建国記念日

国慶節は、中国建国記念日を祝日とした10月1日を指します。

1949年10月1日に毛沢東を主席として北京を首都に定め、天安門広場で中国の国旗である五星紅旗を掲揚、そして、中華人民共和国の成立が正式に宣言され、建国式典が行われたことが由来です。

国慶節」とは中国語の単語を日本漢字に置き換えたものです。中国語でも「慶」は祝う、祝賀するという意味があり、国を祝う日という単語となります。

国慶節は、春節に並ぶ大型連休

2018年の国慶節の祝日は、10月1日(月)~10月7日(日)の7連休でした。

2018年の春節旧正月)も7日間であり、年2回の大型連休となります。

2019年の国慶節は、10月1日(火)~10月7日(月)の7日間が予定されています。ただし、連続した休日の中には振替休日が含まれ、9月29日(日)と10月12日(土)を振替の出勤日とすることが法律で定められています。

2019年中国の国慶節|スケジュール・休日日数、やるべきインバウンド対策とは

訪日外国人を集客したい小売り企業や飲食店などにとって、中国の国慶節は大きなビジネスチャンスとなります。この記事では、2019年の国慶節の休暇について休暇期間の中国人の旅行動訪日中国人観光客の満足度をアップさせるため行うべきインバウンド対策について詳しく解説します。目次国慶節とは?国慶節は中国の建国記念日2019年の国慶節のスケジュール・休日日数は?大型連休国慶節の人気渡航先は日本渡航先の人気第1位は日本日本が観光先として人気な理由国慶節が日本に与える影響と具体的なインバウンド対策モバイル電...


国慶節に日本を訪れる訪日中国人観光客は年々増加

国慶節と春節は年に2回の大型連休です。この休みを利用し海外旅行する中国人は多く、日本にも毎年多くの訪日中国人観光客の姿が見られます。

訪日外客数のトップは中国838万人、東アジアが7割を占める

日本政府観光局(JNTO)の統計によれば、2018年の年間の訪日外客数のうち、東アジア4市場(韓国、中国、台湾、香港)のうち香港を除いては、その数字は過去最高を更新しています。なかでも中国は13.9%増の838万100人で市場の約4分の1を占めます。

一方で、韓国は5.6%増の753万9,000人、台湾は4.2%増の475万7,300人、香港は1.1%減の220万7,900人と伸び率は中国ほど大きくはありません。ただし、香港を除く市場はいずれも過去最高記録を更新しており、2018年の訪日外客数3,119万2,000人のうち、この4つの地域で7割を占める結果となっています。

▲[訪日外客数統計]:JNTOより
▲[訪日外客数統計]:JNTOより

中国人の観光目的地、国慶節で日本がトップ

中国参考消息網の情報によると、2018年の国慶節連休において、中国本土から海外旅行する中国人観光客は過去最高の700万人と伝えられています。事前調査では人気の目的地のトップに日本、次いでタイ、中国香港地区との結果になりました。

このように国慶節期間の海外旅行市場でもかなりの人気を博している日本は、インバウンド対策を強化することで、更に多くの訪日中国人観光客をよびこめるのではないでしょうか。 

訪日中国人観光客が満足する環境とは?

近年、訪日中国人観光客は、有名な観光地だけでなく地方にまで足を運んでいます。

訪日中国人観光客含め、世界的な旅行のトレンドを表す「モノからコトへ」という言葉があります。これまで買い物一辺倒ともとらえられていた訪日中国人観光客の旅行スタイルが多様になっています。特に、旅先での体験を重視する訪日リピーターの姿が見られます。

このような訪日中国人観光客をリピーターの需要を取り込むためには、彼らの具体的な需要を把握し、それを提供することで満足度をアップさせることが重要です。

その一つの取り組みとして挙げられるのが、「アリペイ」「WeChatPay」といったモバイル決済サービスの導入です。

現在、中国の生活では「WeChat」というチャットアプリが活躍しています。日本でいうLINEのようなチャットや音声通話の機能に加え、映画チケットの手配、フードデリバリー、タクシー配車といった様々な機能をWeChatで利用できます。

このアプリには自分の金融口座やクレジットカードとひもづけて支払いができる「WeChat Pay」の機能も搭載されています。中国ではこの機能で支払いを行うことも多く、旅行先である日本でもこうした決済機能を利用したいと考える訪日中国人観光客もいます。使い慣れた手段で決済が行えることで、消費意欲が促進されることも考えられます。

実際に「WeChatPay」を導入した事例もあり、以下の記事で紹介しています。またアプリのダウンロードや導入方法についても解説しました。

WeChat Payを日本で利用する方法 店舗での導入事例

年々増え続けている訪日中国人観光客。多くの日本企業がインバウンド対策の強化を図るべく、様々な施策を打ち出しています。WeChat Pay(微信支付)を導入することで訪日中国人観光客の決済の利便性だけでなく、世界最大規模のSNSであるWeChatの特徴を最大限に生かすことができます。 そこで今回はWeChat Pay(微信支付)を日本で利用する方法と、店舗での導入事例について詳しく見ていきます。 関連記事Alipay(アリペイ・支付宝)とはQR決済WeChat PayとはAlipay...


訪日中国人観光客を集客、インバウンド対策を紹介

国慶節を利用して来る訪日中国人観光客に対し、どのような対応が実際の集客につながるのでしょうか。市場動向などふまえて解説します。

1. インバウンド市場はモノ消費からコト消費へ拡大

2015年~2016年頃、訪日中国人観光客による「爆買い」と呼ばれる現象が注目を集めました。炊飯器や温水便座などの家電やブランド品が、訪日中国人観光客により大量に購入されていました。

その後、訪日中国人観光客の消費需要は医薬品や日用品、食品等へとその対象を広げました。

さらに現在は、こうした手にとって購入できる商品だけでなく、日本ならではの文化体験といった形に残らないものに魅力を感じ、それらに対価を支払いたいと考えるようになっています。

こうした体験に価値を見出した訪日中国人観光客は、日本の地方にまで足を運ぶこともあります。インバウンドの世界では今、彼らの消費意欲を満たすような旅行プランや体験型商品が求められているといえるでしょう。

訪日外国人に人気の体験ツアー3選とガイドマッチングサービス

近年、訪日外国人の消費傾向は、「爆買い」を代表とする商品に価値を見出す「モノ消費」から体験型観光やツアーといったような体験に価値を見出す「コト消費」に傾向がかわってきました。そこでこの記事では、コト消費に焦点をあてた具体的なツアーやサービスを紹介しながらインバウンド対策を考えていきます。目次インバウンド需要はモノ消費からコト消費に変化そもそもモノ消費・コト消費とは?訪日リピーターは体験型コト消費が人気外国人観光客に人気の体験ツアー厳選3選1. ゲームの世界観を堪能できる「マリカー」(東京都...


2. 旅行前・旅行中・旅行後の3段階に分けたアプローチ

訪日中国人観光客の集客方法を考える際には、観光客へのプロモーションやインバウンド対応には「旅行前・旅行中・旅行後」(旅マエ、旅ナカ、旅アト)の3つの期間があること、そしてその期間ごとに発信するべき情報や提供するべきサービスが異なることを認識することが重要です。

訪日旅行の前には、日本の魅力を伝えるだけではなく、地震や台風といった災害への心配を取り除く風評被害対策が必要です。実際に、東方地方では例年風評被害対策として、SNSや中国人インフルエンサーを活用したプロモーションを講じています。

日本の滞在中に提供可能なインバウンド対応の一例には、多言語対応がります。例えば、中国語表記の張り紙や看板などを目につく場所に設置すれば、旅行中の不安や不便を解消でき、結果として満足度の向上へとつなげることができるでしょう。その他、WeChat Payなどの電子決済を導入も満足度を向上させるための一つの方法です。

旅行後は旅行者によるインターネット上の口コミの拡散が期待できます。訪日中国人観光客の集客を拡大したい場合は、たとえば中国のSNSのアカウントを取得し、そこで定期的に、継続的に情報更新することで、インターネット上の口コミの広がりを促進できます。

3. 中国語は繁体字と簡体字で表記すること

訪日中国人観光客を対象とした多言語対応では、中国語を表記する文字にも注意が必要です。

簡体字」は、中国本土で使用される表記で、「繁体字」は台湾や香港などで使用されています。

しゃべっている言語を聴くとほとんど同じですが、どちらの文字を使用しているかで、そのメッセージが訪日中国人観光客向けなのか、訪日台湾人向けなのか判断されるといえます。

中国本土向けなのか、台湾向けなのかを意識して多言語対応を講じると、より訪日中国人観光客、訪日台湾人観光客の心をつかむことができるでしょう。

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国慶節は見込み客・リピート率をアップさせるチャンス

昨年の国慶節シーズンにも中国人の日本に対する関心は非常に高かったことがわかりました。こうした傾向が今年も続き、今年の国慶節にも訪日中国人観光客が増加することが期待できます。

中国も台湾も年間の訪日外客数が過去最高を記録するなど、安定して訪日観光客が増加しています。

独自性の高い体験をしたいと考える訪日中国人観光客は多く、今後はこうした需要を満たすことのできる場所に彼らがこぞって来訪することも感がられます。

国慶節は中国の長期休暇であり、中国人にとってはまたとない海外旅行のチャンスです。せっかくたくさんの訪日中国人観光客が来るのですから、その後リピーターとして日本を訪れてもらう動機付けができるよう、早め早めの抜かりないインバウンド対策を講じることが大切でしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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