東京オリンピック予算、7,000億円が3兆円に/延期の経費は?収入源・スポンサー・会場設備費と大会運営費・過去大会の予算も紹介

公開日:2019年06月26日

※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。

東京オリンピックの予算は当初7000億円といわれ、世界一コンパクトな大会にするという話でした。しかし蓋を開けてみると、予算はみるみる膨れ上がっていきました。小池都知事による不必要な施設の見直し等も行われましたが、3兆円を上回る予算額が必要ではと言われています。

また、オリンピック・パラリンピックの延期が決定したことで、必要な経費がさらに増えていくことが予想されます。

このままで進むと東京オリンピックはレガシーではなく、負の遺産となりかねません。なぜ予算をオーバーするような状況になっているのでしょうか。過去の東京五輪とも比較しながら見ていきましょう。

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オリンピック予算は3兆円?当初の予定より跳ね上がる

数々な試算により、世間では東京オリンピック・パラリンピックの関連経費について、総額で3兆円を超えるのではと言われています。これは誘致当初の予算を大幅に上回っているものとして、驚きを込めて噂されています。

国を挙げての記念行事のはずが、国民の負担を増やす結果になっては元も子もなくなってしまいます。誘致時の予算と現在の予算について見ていきます。

誘致時の予算は?

東京オリンピック招致時点の立候補ファイルでは、国民の負担を軽減する為に、既存の施設を活用して「世界一コンパクトな五輪」「世界一カネのかからない五輪」とされていました。

確かに、2013年1月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルには、大会経費として8,299億円と予算提示されています。当時と比べて建築関連費用に高騰等があったとはいうものの、予算の開きが大きいことが見て取れます。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、まず招致ありきで、開催を勝ち取るためにでたらめな予算を見積もったのでは、とすら言われています。

現在の予算は?延期による影響は

東京オリンピック・パラリンピック競技大会の現時点における予算は、会計検査院の調査結果から、3兆円を超えると予想されています。その内訳は、大会運営関係費、会場関係、大会関係行政経費、資産対象外等です。

一方で、組織委員会が公表している数字は1兆3,500億円で、その約半分程度となっています。いずれにせよ、当初の予算7,000億と比べてみても大きく差があると言えるでしょう。

会計検査院は各省庁における関連施設費も含めた額を総額としていますが、組織委員会は直接大会に関係のある経費のみを総額として発表しているため、両者の総額には大きな差があります。

また、会計検査院は組織委員会の予算には入れるべき費用が含まれていないと指摘しています。

例えば新国立競技場のセキュリティー対策費は、欠かすことのできない施策であるにも関わらず、予算計上されていません。この対策には高額な予算が必要と見られています。こうした状況をかんがみ、会計検査院は国、組織委員会に再度大会との関連性を良く精査して大会経費総額の全体像を提示するよう求めています。

また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2020年夏に予定されていたオリンピック・パラリンピックの開催は2021年夏まで延期となりました。

現在は予算を1兆3,500億円としていますが、延期となると競技会場の維持費や組織委員会スタッフの人件費をはじめ、多くの経費がかかってきます。組織委員会による試算はまだ発表されておらず、今後政府や都とともに予算の見直しを行っていく予定です。

1964年(昭和39年)東京オリンピック大会

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オリンピック予算はどのようなことに使われる?

組織委員会の予算において、収入の半分は国内のスポンサーからの収入となっており3,480億円です。また、IOC(国際オリンピック委員会)からの収入が850億円です。

以下は、2019年12月に組織委員会より発表された最新の予算です。延期前の試算であるため、今後変更が予想されます。

▲[組織委員会予算:収入]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP
▲[組織委員会予算:収入]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP
▲[組織委員会予算:支出]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP
▲[組織委員会予算:支出]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP

▲[組織委員会予算:支出]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP
▲[組織委員会予算:支出]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP
▲[組織委員会及びその他の経費]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP
▲[組織委員会及びその他の経費]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP
▲[組織委員会及びその他の経費]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP
▲[組織委員会及びその他の経費]:東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HP

支出においては、見直し調整が行われた会場整備費が7,140億円となっています。大会運営費ではエネルギーインフラ、輸送、セキュリティー、テクノロジー、オペレーション、管理・広報、マーケティング、その他の費用が支出項目となります。こちらは6,160億円です。

また、全体支出予算の13,500億円を大会組織委員会で6,000億円、東京都が6,000億円、国が1,500億円の支出振分となっています。しかし国の負担額において検査院が各省庁の関連施設費を集計したところ、2013~2017年度に8,011億9千万円の支出をしていたことが分かりました。

その内訳で省庁別で最も多かったのは国土交通省の約2,605億円、その次に経済産業省の約1,993億円です。 施策別では「暑さ対策・環境問題への配慮」「アスリート、観客らの円滑な輸送および外国人受け入れのための対策」があります。

2020東京オリンピックのスポンサーとは

※新型コロナウイルスのパンデミックを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。世界的なスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックは、その開催ごとに世界中の人々の感動を呼んでいます。2019年6月1日には、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会により、聖火リレーのルートの概要が発表されました。全国47都道府県、857市区町村を121日間かけて走行します。2020年3月26日に開始する...


過去のオリンピック予算を紹介

3兆円を超える予算になるのではないかといわれている東京オリンピック・パラリンピックですが、過去のオリンピックと比べると、その規模は大きいと言えるのでしょうか。

過去のオリンピックの大会運営費の最高額は、2014年にロシアで行われたソチ冬季オリンピックの500億ドルです。ソチオリンピックでは交通インフラの整備に日本円にして約3兆円が支出され、総額では日本円で約5兆円が投入されたと言われています。

ソチ冬季オリンピックは、500憶ドルと他の大会と比べて予算がとても多いという印象を受けると思いますが、これは国を挙げてロシアを世界にアピールするという目的がありました。そのため国内のインフラの整備をオリンピック費用として大規模に織り込んだことにより、このような超高額な予算が計上されました。

オリンピックの予算は経費の内訳や考え方が国によって変わり、その額面だけで単純に比較するのは難しいと言えるでしょう。

以下の表には、直近10回のオリンピック・パラリンピック競技大会の予算を示しました。

2000年夏季

シドニー五輪

66億ドル

2002年冬季

ソルトレイク五輪

12億ドル

2004年夏季

アテネ五輪

150億ドル

2006年冬季

トリノ五輪

36億ドル

2008年夏季

北京五輪

430億ドル

2010年冬季

バンクーバー五輪

17億ドル

2012年夏季

ロンドン五輪

104億ドル

2014年冬季

ソチ五輪

500億ドル

2016年夏季

リオデジャネイロ五輪

108億ドル

2018年冬季

平昌五輪

90億ドル

平昌五輪は予算が比較的小さくなっていますが、最終的に必要となった金額は大幅に跳ね上がっています。必ずしも予算通りで運営できるわけではないというのが現状のようです。

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予算はどう使われていくべきなのか

オリンピック・パラリンピック大会の開催による日本全体での経済波及効果は32兆円とも言われており、またこれを通じ194万人の雇用が生まれるとの試算もあります。

こうした経済効果には当然ながら、オリンピック・パラリンピックの選手の訪日や観戦目的の外国人観光客の来訪も含まれており、世界の旅行市場に対する日本の宣伝効果も期待されています。

一方で、大会運営そのものや、外国人観光客を含む大人数の移動を受け入れるインフラ整備のための経済的負担も少なくはありません。こうした大きな負担にもかかわらず、大会開催により残された競技場がその後何の経済効果も生まないといった前例もあります。

オリンピック開催を通じて生み出される施設や環境が、こうした「負のレガシー」と呼ばれる無意義な存在にならないように、長期的な視野をもって予算の分配は計画されるべきでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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