2020年オリンピックや2025年大阪万博に向け、インバウンド市場はますます拡大していきます。
しかし、私たち日本人が海外旅行に行くときに日本との文化や習慣などの違いに戸惑ったり不便を感じたりするのと同様、海外から来る人々も日本での旅行にストレスを感じることがあるようです。
そこでこの記事では、訪日観光客が直面する不安・不満とはどのようなことなのか、そしてその不安や不満をどのように解決したらよいのかについて、詳しく解説していきます。
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会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
訪日観光客が直面する不満とは?
訪日観光客のストレスを解消するには、まずストレスを引き起こしている原因を把握する必要があります。ここでは、訪日観光客が感じる不安や不満の代表的なものをご紹介します。
1. Wi-Fiがつながらない
近年では旅行先から、自国の家族や友人に連絡を取ったり、旅行先での写真や動画をその場でSNSなどにシェアしたりすることが当たり前になりました。訪日観光客が心を動かされたときに、すぐにネットワークにつながれる環境が非常に重要です。
しかし、日本ではまだカフェなどの施設内だけで使えるWi-Fiしかなく、その種類も様々です。利用の度にログインしなければいけない場合も多く、不便を感じる人が多いようです。
2. トイレ・お風呂の使い方がわからない
トイレやお風呂にはそれぞれの国の習慣がよく表れます。
日本では多様な便座機能が付いたトイレや温泉の入り方といった面で、初めて訪日した際などには戸惑うことが多くあると言います。
3. 英語が通じない、英語表記がない
東京などの大都市では、英語に加えて中国語や韓国語での表記も増えています。日本語のわからない海外の方でも、比較的旅行のしやすい環境が整ってきました。
しかし、一歩お店の中に入ったり、地方にいったりすると、まだ多言語対応が十分でないのが現状です。特に飲食店などでは、材料がなんなのか、どうやって食べるのかが分からないといった声も聞かれます。
外国人が日本滞在中に「困った」こと1位は25%超で「コミュニケーション」/「Wi
観光庁によると2018年の訪日外国人数は史上初めて3,000万人を突破し、訪日外国人観光客数の流入は年々加速しています。多くの人が「日本=おもてなし」と感じることから、ホスピタリティーあふれるきめ細やかなサービスは世界中から高く評価されています。しかし一方で、訪日外国人観光客が旅行中に不満に感じることも少なからずあります。そこで今回は、訪日外国人観光客が日本を訪れた際にどのようなことに困ったのか見ていきましょう。目次訪日外国人が最も困ったのは「コミュニケーション」コミュニケーションで困った...
国が力を入れるインバウンド関連事業
観光庁は訪日プロモーション事業として、2020年訪日外国人旅行客数4,000万人の目標達成に向けて、世界中で様々なプロモーションを実施しています。それに伴い、海外で日本の魅力を発信するだけでなく、訪日観光客の受入環境の充実化にも力を入れています。
観光庁が実施する補助金制度
受入環境の整備に関する事業では、「宿泊施設基本的ストレスフリー環境整備事業(昨年度:宿泊施設インバウンド対応支援事業)」、「交通サービスインバウンド対応支援事業」、「地方での消費拡大に向けたインバウンド対応支援事業」などを対象に補助金を交付しています。
宿泊施設基本的ストレスフリー環境整備事業 昨年度事業との違い
5月15日から公募が始まった「宿泊施設基本的ストレスフリー環境整備事業」は、前年度まで「宿泊施設インバウンド対応支援事業」として実施していたものから、要件を大幅に緩和し、補助金の上限も100万円から150万円に引き上げられました。公募はすでに締め切りとなっていますが、観光立国推進の一部として、今後もこうした補助金制度が展開されていくと考えられます。観光庁の情報には注目していくべきでしょう。
企業での対策は?
ここでは、企業や店舗でできるインバウンド対策について解説していきます。
Wi-Fiの設置は必須
施設内に利用客が自由に使えるWi-Fiの設置は必須です。ただし最近では、施設内だけしか使えないWi-Fiだと移動中に使えないなどの問題があり、訪日観光客が自ら旅行用のSIMを購入する場合が多いようです。
とはいえ、SIMには利用容量などに制限があることも多くあります。そもそもSIMを契約しない訪日観光客もいます。施設内で無料のWi-Fiを使えるというのは、外国人観光客にとっても日本人観光客にとっても良い環境といえます。
訪日外国人のために無料Wi - Fiが必要な4つの理由|インバウンド対策にオススメの店舗向けWi
訪日外国人にとって、自国で無料Wi-Fiを利用できることが当たり前となっています。日本は諸外国に比べ無料のWi-Fi環境の整備が遅れています。そのため観光庁が2017年2月に発表した「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」によると、訪日外国人観光客が感じる「訪日旅行で最も困ったこと」の第2位に「無料公衆無線LAN環境」がランクインしています。この記事では、インバウンド対策のために無料Wi-Fiの導入が必要不可欠な4つの理由と、店舗向けのオススメWi-Fiサービスをご...
ピクトグラム等の活用
ピクトグラムとは、文字がわからなくても、簡単な絵で状況を理解できるように表示したものです。トイレのマークや非常口マークがよく知られています。トイレの使い方やお風呂の入り方など、文字では表現しにくい説明もしやすくなります。
訪日観光客だけでなく小さな子どもでも理解できる優れたツールであると言えます。
最近のオンライン翻訳や翻訳ツールは優秀!
ほんの数年前は、オンラインの自動翻訳は不自然な文章で理解できないものを多い印象でしたが、最近では実用的なレベルにまで進化しています。実際にオンライン翻訳アプリを活用して外国人客に対応している事業者も多くあります。
また、ポケトークなどの音声翻訳機を利用するのも1つの手です。
下記の記事では、音声翻訳機について詳しく解説しています。
【2019年版】おすすめの音声翻訳機6選 !選ぶポイント・各製品の特徴を整理
海外旅行をする日本人だけでなく、日本に旅行に来る訪日外国人を近年よく見かけるようになりました。街中を歩いていて外国人に道を尋ねられ、慌ててしまったという経験をした方も多いでしょう。そんなときに音声翻訳機があればスムーズに対応できます。ポケトークやMayumill、ランジー、ili(イリー)など次々と多言語対応している音声翻訳機が登場しています。それぞれの性能に特徴があり、購入する際には人気だけではなく、精度の高さや、使用するシチュエーションが選ぶ際のポイントになってくるでしょう。オンライン...
ポケトークWとGoogle翻訳の違いと精度を解説!日→英中国語・逆パターンも徹底比較
ソースネクストの「POCKETALK(ポケトーク)」が自動音声翻訳機の中で圧倒的なシェアを誇っています。一方で自動翻訳で馴染みがあるものとしてGoogle翻訳が挙げられますが、翻訳精度はどちらのほうが優れているのでしょうか。今回は、ポケトークとGoogle翻訳それぞれの翻訳精度を確かめるべく、日本語から中国語、英語への翻訳とその逆パターンの翻訳精度を比較・検証しました。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご...
翻訳機ポケトークWの使い方|基本操作と手順・各種設定方法・翻訳精度を解説
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環境を改善して快適な訪日旅行を提供
わざわざ時間とお金をかけて訪日してもらったからには、快適な旅行を体験し、「もう一度来たい」と思ってもらいたいものです。
小さなおもてなしが訪日観光客の心をつかめば、いずれ大きな可能性につながっていくでしょう。
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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