株式会社オズマピーアールは7月、日本最大級の在日中国人女性プラットフォーム「一般社団法人美ママ協会(美丽妈妈协会)」の会員を対象に、日本のマナーや習慣に関する調査を実施しました。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目前に控えた今、訪日外国人観光客の増加に伴い、インバウンドのマナーや習慣に対して注目が高まっています。
今回は、インバウンドの巨大市場・中国に焦点を当て、日本のマナーや習慣に対する認識を見ていきましょう。
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日本在住の中国人の約6割が「初来日時に日本のマナーや習慣に戸惑った」
「初来日時に日本のマナーや習慣に困ったり気になった経験はありますか?」といった質問に、約60%の人が「ある」と答えています。「初来日時に日本でのマナーや習慣について人に尋ねたことがあるか」という質問に対しては、「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した人は75.7%にのぼりました。
訪日中国人観光客のマナーに対する注目が集まる中、訪日する中国人自身も日本におけるマナーや習慣を気にしており、身近な人に相談していることが明らかになっています。また中国では、政府の担当部門が「旅先でのマナー遵守」について、OTAを通じて呼びかけているようです。
若者を中心に流行中のショートムービーアプリDouyin(TikTokの中国版)でも、日本のマナーを教えるコンテンツが、一般ユーザーによって公開されています。訪日旅行に向けて、日本のマナーや習慣を事前に把握しようといった動きがあると言えるでしょう。
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訪日を検討中の中国人、約8割が日本でのマナーや習慣を気にしている
本調査において、日本在住の中国人の約80%が訪日を検討している家族や知人から、日本のマナーや習慣について質問されたことがあるとのことです。
「日本のマナーや習慣について、地元から来る友人や家族から尋ねられたり、あなたご自身が困った・気になった経験があるものは」という質問に対して、約半数となる48.9%が「温泉・浴場に入るとき」と答えています。
日本ならではの体験をしたいといったコト消費需要の高まりに伴い、温泉でのマナーに注目が集まっていることがうかがえます。さらに「エスカレーターの立ち位置がわからない」といった細かなマナーや習慣に対する、関心の高さも顕著です。
また、中国で普段飲まれる水は煮沸したものが一般的で、常温かあるいはお湯に近いものです。中国では体を冷やすことは健康を害するととらえられており、氷の入った飲料や冷蔵庫で冷やした飲み物を日常的に飲むことはありません。そのため「飲食店での冷たい水に戸惑った」など、カルチャーショックを受けるケースもあります。
日本に住む中国人91.6%は「知人や家族から日本の情報を求められている」
「中国の知人や家族から、日本の情報を聞かれることはありますか」という質問に対し、日本在住の中国人の91.6%が「ある」と回答しました。訪日旅行を検討する中国人は、日本式のマナーや習慣に関する相談を、家族や知人といったより身近な人に相談する傾向があります。
旅行の際に、口コミを重視する傾向にある中国人の特徴がここにも表れています。インバウンドの中国市場に向けて、日本のマナーや習慣の情報を発信する際は、日本に住む中国人をターゲットに情報を発信することも効果的でしょう。
まとめ:ターゲット層の目線で「つい見たくなる」コンテンツを制作
調査から、訪日中国人観光客は日本におけるマナーや習慣を強く気にしていることがわかりました。インバウンドの中国市場に向けた情報発信では、こうした不安を解消できるような情報と合わせて案内することで、より一層の注目を集めることが可能となるかもしれません。
また、こうした不安は日本在住の中国人に相談していることもわかりました。積極的に情報収集を行っている姿勢も見られます。在日中国人数は約76万人とされていますが、帰化した人数も入れるともっと多くなるでしょう。こうした日本在住の中国にルーツを持つ人々に響く情報が、めぐりめぐってインバウンド中国市場での売り上げ拡大等にむすびつく可能性も低くはないはずです。
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<参照>
・産経新聞:【中国人が困る日本のマナーや習慣に関する調査】訪日を検討している約8割の中国人が日本でのマナーや習慣を気にしていることが判明
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