中国富裕層の特徴は?定義・グルメツーリズム・取り込む方法・事例

公開日:2019年11月29日

近年の訪日外国人の増加は著しく、特に中国人旅客数は圧倒的な多さを維持しています。

なかでも中国人富裕層は、一回の旅行で使う金額が多く、いいモノに対してお金を出し惜しみしません。

そのため日本の中心から地方まで、中国人富裕層を取り込むための対策が今後は欠かせないでしょう。

この記事では、中国人富裕層の特徴やどのように誘致すべきかについて解説します。


中国の富裕層の特徴

訪日中国人客を見ることはあっても、彼らが富裕層かどうかはどのように識別したらいいのでしょうか。

まず中国でいう富裕層とは、どのような人を指すのかについて紹介します。

中国でいう富裕層とは?

中国でいう富裕層とは、一説には下記のような定義があるようです。

超級大富豪:5000万元(8億3000万円~) 

超級富豪:1000~5000万(1億6000万円~)

大富豪:300~1000万元(4800万円~)

富 豪:50~300万元(800万円~)

高産者:30~50万元(480万円~)

中産者:15~30万元(240万円~)

低産者:8~15万元(128万円~)

(1元=16円で換算) 

一言に富裕層といっても、その種類は多く富豪と言われるのは年収800万円~であることが分かります。

中国人富裕層トップ5

2016年時点で中国の富裕層は361万3000人となり、この数字は中国人の約380人のうち1人が富裕層であることになります。

その中でも富裕層トップ5は誰なのか、2019年度の最新情報がフォーブスにて発表されました。その表によると順位は下記の通りです。

  • 1位(20位)馬化騰(テンセント創業者 / IT)388億ドル:広東省・深圳市
  • 2位(21位)馬 雲(アリババ創業者 / IT)373億ドル:浙江省・杭州市
  • 3位(22位)許家印(恒大集団創業者 / 不動産)362億ドル:広東省・佛山市
  • 4位(36位)王健林(恒大集団創業者 / 不動産)226億ドル:北京市
  • 5位(42位)楊惠妍(碧桂園創業者の娘 / 不動産)221億ドル:広東省・深圳市

中国人富裕層の消費の特徴

富裕層の人たちの興味を示すものが分かれば、彼らが訪日した際に興味のあるモノにお金を使ってくれるかもしれません。 

多くの中国人富裕層は投資に力を入れており、すでにある資産を増やすことに努力を惜しみません。その莫大なお金で日本の高級マンションを買い、日本に住む人もいます。

そんな中国人富裕層が好むのが「旅行」です。日本に訪日した後、リピーターとなる人たちがいます。

彼らが求めているのは癒し、つまりリラックスができる環境であるかどうかです。

中国富裕層が集まる「グルメ ツーリズム」とは

癒しやリラックスを好む中国人富裕層が重要視するのが、食事です。

美味しい食べ物を食べると幸せな気持ちになるものですが、中国人富裕層は観光向けではなく、日本人も満足するような真の日本グルメを探し求めています。

「本物の味」にこだわる中国人富裕層

日本食というのは中国と同じアジア料理ということもあり、中国人の好みの味付けであることも多いです。しかし中国国内の日本食レストランは値段設定が高いこともあり、日本食は割高であるという認識が高いようです。

そのため、日本を訪れた際には和牛や懐石料理といった値段の張るグルメを楽しみたいと考える富裕層が多く、食を第一に考えた旅「グルメツーリズム」の人気が高まってきています。

地方に行くと、その地域特産の食べ物・料理があります。そのため、食を旅行の中心にする中国人富裕層は、地方にとって集客のターゲットにすべき層だと言えます。

高くても良いモノにお金を掛ける

中国人富裕層は、一般の中国人観光客には知られていない、本物の日本グルメや温泉を日本で体験したいと考えています。

その目的を果たすためであれば、高くてもお金を使います。例えば日本でしか食べられないものであれば、10万円であろうと高いとは思わない人もいるほどです。

お土産としてお酒を選ぶ際も10万円を超える品物を選ぶ傾向にあり、一度の旅行に掛ける金額は100万円以上とも言われています。

中国人富裕層を取り込むための課題とは

日本でグルメを味わいたいとのニーズがある一方で、日本は彼らを満足させるような振る舞いができているかというと、そうとは言えません。すでに観光地化としている県ならまだしも、地方の旅館や接客は富裕層向けではありません。特に接客という点では、外国人に慣れていない旅館も多く残っており、今後の改善が必要になります。

地方への訪日外国人が増えている現状を考え、彼らのニーズに応じた対応ができることが地方の発展のカギともなるでしょう。

中国富裕層をどうやって取り込む?

中国人富裕層は癒しやリラックスを求めて日本を旅行先に選びます。数ある旅館やお土産ショップの中で、どうすれば中国人富裕層に選んでもらいやすいのでしょうか。

ここでは彼らを集客するための3つの方法についてお伝えします。

ユーザーニーズにマッチした情報発信の必要性

中国人富裕層をターゲットにしているならば、まずは彼らの目にする場所に情報を発信しなければなりません。

インターネットを使えば情報を拡散できて便利ですが、タイムリーな発信ができないと中国では受け入れてもらえない危険性も出てきます。

国が違うので、マーケティングの手法も中国人の感覚に合ったものにしなければなりません。彼らの興味を持つ内容を提供できるよう工夫し、中国人富裕層の目に留まる記事やサイト作りが大切です。

キャッシュレス決済の導入

最近は日本でも「~~Pay」という名称を多く聞くようになりましたが、中国では中国発祥のAlipayというキャッシュレス決済が、日本よりもかなり早い段階から普及しています。

Alipay」の決済方法は簡単で、店側または消費者がQRコードをスキャンするだけで決済ができます。現金が不要で導入の手続きも簡単であるため、中国人はこの決済方法を好みます。

クレジットカードでの決済も便利ですが、「Alipay」で決済すると中国人ユーザーへのメリットとして、両替するよりも人民元の為替レートが安く設定されていることがあります。

これらの理由から、中国人を誘致するためには「Alipay」のようなキャッシュレス決済の導入は一定の効果を果たすと言えるでしょう。

Alipayの仕組みとは?インバウンド中国人の集客・現地生活にマスト・QRコード決済・導入するメリットを解説

Alipay(アリペイ・支付宝)は中国で開始されたモバイル決済サービスです。QRコードを用いた決済が特徴で、クレジットカードや電子マネーと並ぶキャッシュレス決済のツールとして注目を集めています。日本旅行中にもこのツールを用いて支払いをしたいというニーズは大きくなっています。日本国内でもコンビニエンスストアや小売店はじめ、様々な場所で導入が進んでいます。今週は吉野家でも導入が完了したことが報じられています。この記事では、Alipayのサービス概要や手数料や送金の仕組み、店舗におけるAlipa...

【事例アリ】Alipay(アリペイ・支付宝)

中国や欧米を中心にキャッシュレス化が進んでいます。キャッシュレスにも様々な形態がありますが、近年は中国のモバイル決済が注目を集めています。中国のキャッシュレス化は、プラスチックのクレジットカードを用いた決済ではなく、スマートフォンアプリに表示するQRコードやバーコードによるモバイル決済「Alipay」「WeChat Pay」の普及により、非常に発展しています。中国ではこうしたモバイル決済がユーザーに支持され、キャッシュレス比率は現在およそ60%にまで達するとの調査結果もあります。日本のキャ...

北海道の事例

北海道は中国人に人気の観光地となっていますが、その理由には北海道の温泉やグルメだけではありません。北海道全体で訪日外国人を受け入れようと様々な取り組みを導入している点が、訪れる外国人にも伝わっているのではないでしょうか。

北海道は「北海道インバウンド加速化プロジェクト」という、外国人誘致のための目標を掲げていて、外国人が日常にいる社会を理解するという意識改革などの目標を掲げています。

目標以外にも、「Alipay」や「WeChat Pay」などの電子決済の導入が早かったのも、中国人が北海道を訪れる一つの要因となったと考えられます。

まとめ

旅行好きの中国人富裕層は、日本でしか味わえないグルメや温泉などを求めて訪日することが分かっています。彼らを誘致するには、十分に宿泊需要にこたえられるよう、地方においても旅館や施設の整備をすることがまず必要です。

また中国向けに情報発信をすることに加え、訪日の際には電子決済サービスを導入したりと中国人の利便性を考えた取り組みを重視する必要があります。

北海道は、日本の中でも訪日外国人の誘致に力を入れており、道民への意識改革やホテルに中国人スタッフを常駐させるなど、参考になる点があります。成功例からは、訪日中国人の誘致の際には何よりも相手の立場になって考えることが大切だということが見えてくるでしょう。そしてそれは、中国市場に限らず、どの国や地域に対しても共通した大切にすべき指標です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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