「新幹線×カナヘイ」が台湾人に歓迎される理由、ゆるキャラと鉄道は台湾でも鉄板

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2019年11月14日より、台湾新幹線(台灣高速鐵路)は日本のイラストレーター・カナヘイ氏の描くキャラクターシリーズ「カナヘイの小動物 ピスケ&うさぎ」とのコラボレーションを開始し、同シリーズのキャラクターが描かれたラッピング列車の運行を開始しました。2020年9月までの運行を予定しており、台湾新幹線限定のカナヘイの小動物グッズも販売されています。

鉄道におけるキャラクターコラボレーションにどれほどのポテンシャルがあるのか探ってみました。

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台湾新幹線の2回目のキャラクターコラボレーション

台湾新幹線は、2013年7月22日に初のキャラクターコラボレーションとして、米国・カートゥーンネットワークで放送されてるアニメ「アドベンチャー・タイム」のキャラクターを彩ったラッピング列車を運行しました。

今回は台湾新幹線にとって6年ぶり2回目のキャラクターコラボレーションとなります。台湾新幹線はこれまでキャラクターの他にも、故宮博物院やトヨタ自動車のラッピング列車も運行した経験があり、ラッピング列車そのものは台湾において馴染みのイベントとなっていると言えるでしょう。

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台湾新幹線(台湾高速鉄道)とは?

台湾新幹線は、正式には台湾高速鉄道(台灣高速鐵路)と称し、2007年1月5日に営業運転を開始した台湾の高速鉄道です。現在では首都・台北にある南港駅と台湾第2の都市・高雄にある新左営(新左營)駅最短約1時間半で結んでおり、台湾島西部の交通の要となっています。

日本の東海道・山陽新幹線を走る新幹線700系電車をベースに製造された車輌を採用しており、実は日本の新幹線技術が海外に輸出された初の例でもあります。

カナヘイの小動物とは?

カナヘイの小動物は、日本のイラストレーター・カナヘイ氏によるキャラクターシリーズです。「おちゃらけ小動物うさぎ」と「生真面目な鳥ピスケ」の2匹を描いたもので、「ゆるキャラ」らしい緩やかなタッチが若い女性を中心に人気となっています。

台湾では「卡納赫拉的小動物」という名前で知られており、LINEスタンプや文房具など、多くのコラボレーション商品が販売されています。

▲[カナヘイのLINEスタンプ]:編集部キャプチャ
▲[カナヘイのLINEスタンプ]:編集部キャプチャ

インバウンド向け「カナヘイの小動物 ゆるっと小旅 西武鉄道で行く川越旅」開催

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台湾で愛される日本の「ゆるキャラ」

台湾では、カナヘイの小動物シリーズをはじめとする多くの「ゆるキャラ」が日本から輸出され、台湾人の日常生活に溶け込んでいます。台湾の文化は日本の文化と類似していることもあり、特に若い女性を中心に多くの台湾人の間で愛されているようです。

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台湾各地で見られる日本の「ゆるキャラ」

台湾ではカナヘイ氏の「カナヘイの小動物(卡納赫拉的小動物)」だけでなく、熊本県PRマスコットキャラクター「くまモン(熊本熊)」、京都府宇治のご当地ゆるキャラ「チャチャ王国のおうじちゃま(茶茶小王子)」など、多くのゆるキャラが日本から輸出され、台湾の日常に浸透しています。

台湾独自の「ゆるキャラ」も続々誕生

日本のゆるキャラに影響を受けた台湾社会では、台湾独自のゆるキャラを創り出す動きも広まっており、有名なところでは統一企業・セブンイレブンの「OPEN小將(OPENちゃん)」、全聯福利中心の「福利熊」、中華民国交通部観光局「喔熊(OhBear)」などが知られています。

更には日本の「萌えキャラ」文化を導入した例として、高雄捷運(ガオションジエユン)の「高捷少女」(ガオジエシャオニュ)、屏東(ビンドン)県東港の「絢櫻」(シュンイン)などが知られています。

台湾では日本の漫画やアニメが多く流通していることもあり、二次元キャラクターは日常生活の一部になりつつあります。キャラクターを利用して町おこしを実施し、好意的にとらえられている例も少なくありません。

▲[台湾の国民的ゆるキャラ、OPENちゃん(中央)]:公式サイトより
▲[台湾の国民的ゆるキャラ、OPENちゃん(中央)]:公式サイトより

日本のキャラクターが世界で愛される理由

このように、日本のキャラクターが受け入れられているのは台湾だけでなく、日本のキャラクターは世界のさまざまな国で活躍しています。「カナヘイの小動物」などの比較的新しいキャラクターから「ドラえもん」「ハローキティ」などの有名なキャラクターまで、その種類はさまざまです。ここでは、世界中で日本のキャラクターが受け入れられている理由について解説します。

1. 日本の漫画やアニメを見て育った層が、今も増えている

1980〜1990年代頃から、日本の漫画やアニメは世界中に輸出されました。現地の出版社やテレビ局で現地後に翻訳したものが発売・放送されたことで、海外の子供たちも日本の漫画やアニメに触れて育ってきました。

例えば「ドラえもん」は漫画が17か国で発売、アニメが55か国で放送されています。また、最近では「クレヨンしんちゃん」「ワンピース」「あたしンち」「こちら葛飾区亀有公園前派出所」などの長期間に渡って放送されたアニメも人気で、台湾などの国では既に本放送の終わった作品を繰り返し再放送しています。

これらの漫画やアニメで育った層にとって、日本というのは文化の発信地であり、日本製の「ゆるキャラ」に対しても好意的な感情を抱いている外国人が多く存在します。

2. 「カワイイ」文化の中心的存在だから

現在では「可愛い」という単語そのものが輸出されており、英語では「Kawaii」、中国語では「可愛」という単語が用いられています。「可愛い」という概念は日本発祥のものであり、諸外国においても「カワイイ」文化を好む人々が多く存在します。

「カワイイ」好きの訪日外国人は、日本でもさまざまなキャラクターのグッズを集めるなどのアクティビティを好む傾向が高く、東京都・原宿の竹下通りやサンリオピューロランドなどは多くの外国人も訪れる人気の観光スポットとなっています。

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「カワイイ」好きをターゲットにしたインバウンド対策と交通機関の重要性

このように、海外にも「カワイイ」文化を好む人々は数多く存在します。彼らの趣味・志向に合った訪日旅行を提供できるように、地域や団体でゆるキャラを製作することや、人気のキャラクターとコラボーレーションした商品を開発することは、更に多くの訪日外国人を呼び込むための起爆剤となり得るでしょう。

特に鉄道とのコラボレーションは、キャラクターのファンにこれまで目を向けなかった分野に注目させることになり、その副次効果も期待できます。実際に乗車することの動機づけに成功すれば、その移動先での観光経済への寄与が見込めるはずです。もちろん、鉄道好きな外国人の誘客も期待できるでしょう。

2020年には東京オリンピックを控え、訪日外国人が日本に求めるものも更に多様化します。訪日外国人の期待に応えられるような多様なソリューションを用意できるかどうかが、インバウンド対策の要となるでしょう。

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<参照>

フォーカス台湾:http://japan.cna.com.tw/news/atra/201911150002.aspx

台湾新幹線公式:http://www.thsrc.com.tw/tw/Article/ArticleContent/c942b3c3-893a-4de9-990c-599581a0ac81

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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