中国人にとっての面子(メンツ)とは?「他人よりできることが多い」こと・謝らない理由・面子をたてるためには

公開日:2019年12月09日

年々増加している訪日外国人数で、中国人観光客の存在は一際目立っています。訪日旅客数も1位であり、中国人に対するアプローチは様々な業界で今後も引き続き広がっていくでしょう。

中国人とのコミュニケーションの際に理解しておきたいのが、中国で大切にされている「面子」です。中国人の「面子」に対する考え方を理解することで、サービスなどのソフト面の部分での満足度を上げられると考えられます。

この記事では、中国人の考え方の一部分である「面子」とは何を意味し、どれだけ重要視されているのかについて解説します。 


中国人の面子(メンツ)とは

中国人は「面子」を大事にしますが、それは日本で言われる「メンツ」が意味するところと少し異なります。

中国人にとっての面子とは、名誉や世間体といったことを意味すると同時に、「問題解決能力」でもあります。中国人社会ではその能力が高いこと、つまり「他人よりできることが多い」ことをよしとする価値規範があります。そしてこの能力を「面子」と呼びます。

中国人は、少しでも自分が他人より優れていることを証明したいと考え、他人からのこの点からの評価に執着する傾向があります。

中国人には「謝るマナー」がない?面子が関係

中国の子どもは幼い頃から「人前で恥をかかないように」と親から注意されます。面子(名誉や世間体)を重視している中国人にとって、人前で形式上だけだとしても、貶められることは恥そのものです。謝ってその場を丸く収めるという行為は、こうした恥をかく行為にほかならず、中国人にとってはトラブルの際の選択肢として存在しません。

こうした幼い頃からの指導により、何か不都合を指摘された場合に自分が悪かったと認めることは、他人から貶められていることと同義と強く考えるようになります。 こうした社会通念があるため、中国人は謝ることを簡単にはせず、日本人からすると時に違和感を抱いたり、基本的なマナーがなっていないように感じることもあるでしょう。また、もしも中国人が謝罪の意を伝えてくるようなことがあれば、それは気持ちが基本原則に勝つほど、申し訳なく感じているのだということが推測できます。

他人にはできないことができるという「面子」

中国人が意識する「面子」においては、自分が優れていることをいかに周りの人に示せるか、という部分が重要になってきます。自分が他人より優れていることが周囲から認められると、彼らの自尊心は満たされ、逆に公衆の面前で自分が優れていないと示されることを嫌います。

また、物質的豊かさや金銭的余裕も面子の一部に含まれます。自身の能力や財力や高いと称賛され続けることを求める中国人は少なくありません。自分の「面子」を潰さないために、中国人は日本人社会の規範で言えば尋常でない努力をします。 

中国人の「面子」を潰さないために 

ビジネスの相手が中国人であるとき、中国人の「面子」を潰さないことが大切です。人前で叱責するのはご法度です。自分は他人より優れているという自尊心を持ち生きているので、自分の価値の低さを大衆に知らしめるような形での叱責は信頼関係を一気に損なうでしょう。

中国人同士のコミュニケーションにおいては、相手に非があるように見えてもそれを指摘することはおろか、腹を立てることすらないように見えることがあります。あるいは、指摘があったとしても素直に非を認めない様子に気付くかもしれません。

中国人からの高級なプレゼントや豪華なもてなし料理は、彼らがいかに自分が優れた人間であるかを伝える方法でもあります。その豪華さや気遣いに対して感謝の気持ちを伝えることで、面子文化に生きる中国人とのコミュニケーションが円滑に進む可能性が高まります。

中国のインバウンド事情

中国人観光客数はインバウンド市場でのべ人数で最も多く、引き続き増加傾向にあります。ただし、訪日中国人の一人当たりインバウンド消費額は、2015年をピークに2018年まで3年連続下落しています。

流行語にもなった「爆買い」で注目を集めてから数年、現在は購入対象を多様化させながら、体験重視の「コト消費」にもその関心を高めていると言われています。

ここでは、中国のインバウンド事情について、把握しておきたい基本的な情報を紹介します。

約838万人が2018年に日本へ 

日本政府のインバウンド誘致への取り組みや、LCCの影響により飛行料金が安価になったことなどにより、訪日外客数は引き続き増加しています。中でも中国人訪日観光客数は断然多く、2018年に8,38万34人という圧倒的な人数を記録しました。

その内訳として、20~39歳までの比較的若い層が大半であり、滞在日数は4~6日間が約半数を占めています。7~90日間も約43%と、一定の割合を占めています。

データでわかる訪日中国人

爆買いという流行も後押しし、2015年の中国人訪日外客数は前年の約2倍となる499万人となりました。また、2015年の訪日中国人によるインバウンド消費額は約23万円で前年比10%増程度ですが、訪日外客数増加の後押しをうけ、訪日中国人全体のインバウンド消費額はなんと5,583億円。


訪日中国人観光客の特徴

'爆買い'という流行語が現れるほどに存在感を放っている訪日中国人観光客。日本国内でも大きな注目が集まっており、彼らに関するニュースやコラムを目にする機会は少なくありません。


買い物は引き続き目的の一つ 

商業施設でも中国人の姿を見ることが多くなりました。中国のカードブランドである銀聯カードに加え、スマホ決済の「Alipay」「WeChat Pay」の受付を示すステッカーも増えています。こうした事実からもわかるように、中国人の訪日旅行の目的の一つには、依然として「買い物」があります。

中国人の「面子」という面から考えると、日本旅行をすること、旅行先で人気の商品を持って帰ること、そしてそれを周囲の人々に分け与えられる財力を持っていることの全てが、自分の面子を立ててくれる振る舞いということになります。

面子の立つお土産を買いたいと考える中国人も少なくないと考えられます。化粧品や香水、菓子類、衣料品、また爆買いの時期に注目を集めた日本製の家電やブランド品は、依然としてこうした需要を満たしています。

最近では、ドラッグストアなどで購入できる医薬品にも注目が集まっています。日本の医薬品は品質が良く、また安全であるイメージが強いことから人気があります。中でも人気の高い医薬品は「神薬」と呼ばれており、絶大な信頼を寄せられているようです。

12の神薬(しんやく)とは?中国人と台湾人に人気・その理由・成功企業の3つの戦略

ドラッグストアで購入可能な、日本の一般医薬品が訪日中国人や訪日台湾人から大きな人気を集めています。こうした人気の医薬品は中国語で「神薬」と呼ばれ、訪日中国人や訪日台湾人購入し、現地でも転売されているといいます。特に「小林製薬」の売上はこうした需要に大きく支えられているとされ、それだけに中国で今年1月から施行された「新EC法」による影響が懸念されていました。実際には一時的な影響を受けたのみでしたが、今後は越境ECや中国現地の店頭販売などにも注力していく方針と伝えられています。本編ではこうした...

「深度遊」への注目度アップ、ビザや越境ECも関係?

ピーク当時ほどの勢いが見られなくなったと言われる買い物熱ですが、代わりに新たなブーム「深度遊(個人的な趣味趣向にフィットするディープな目的、テーマを持った旅行)」が起こっています。

買い物で物品を入手することではなく、体験を重視する流れの背景には、体験そのものへの関心の高まりはもとより、ビザの規制緩和により個人旅行が容易になったことも関係していると考えられます。また中国国内でも越境ECの発展により、以前より海外製品が手に入りやすくなったことも影響しているでしょう。

温泉やグルメ、また日本の四季が味わえるスポットなどが注目され始めています。今後は体験型の観光への需要の高まりをどのように取り込んでいくかが観光地にとっての課題となっていくでしょう。

【中国】年間1.5億人が海外旅行、最新トレンド「深度遊」とは?ニーズが「爆買い」→「体験・学び」に大変化

こんにちは、クロスシー編集部です。中国での「海外旅行」ブームについてはこれまで何度か紹介してきましたが、今年も中国人が一年で最も日本に来る「夏」がやってきます。昨年の中国人の海外旅行動向と、今年の夏の旅行傾向について、「深度遊」をキーワードに解説します。目次2018年の中国人の海外旅行傾向は?パスポート所有率は10%超も、まだまだ世界的に見れば低い水準人気の旅行地と観光スポット若年層に広がる”決めたら即出発”の旅、「現地ガイド」需要の高まりと博物館人気「深度遊」とは?テーマ設定・時間をかけ...

中国人を受け入れるためにできること

少しでも多くの中国人に日本を訪れてもらい、旅の満足度を上げるためには、中国で主流のSNSや観光客に対するマナーなどを知ることが有効になります。

中国で普及するSNSや観光客のマナーへの対策について説明します。 

SNS・メディア対策 

中国でもネットは日常の一部です。買い物や動画視聴といった娯楽、タクシーやシェアサイクルの利用、映画の予約など様々なシーンでスマホを用いた情報収集が行われています。観光に関連した情報収集も同様です。

情報規制の多い中国では、海外のインターネットサービスへの接続制限も行っている関係で、独自のメディアやSNSが発達しています。特にSNSは、気軽に情報を得られて投稿もしやすいため、中国独自のSNSへの投稿を動機づけるイベントやキャンペーンを企画することで、さらなる誘客や売り上げの向上も期待できるでしょう。

中国で主流となっているSNSには「新浪微博(シナウェイボー)」「微信(ウィーチャット)」「騰訊QQ(テンセントQQ」などがあります。 以下の記事ではそれぞれについて解説しています。

訪日中国人観光客が中国国内でよく見る人気のWEBサイト一覧・解説

中国はご存じのとおり、facebookやtwitterが閲覧できないほど非常に厳しいネット規制があります。中国国外のWEBサイトの検閲規制がかかっていたり、サーバードメインも現地法人がないと取得できなかったりと、様々な壁が存在します。

中国人観光客に対するマナー

中国では、食事を振る舞うときに、もてなす側が食べきれないほどの料理を出し、もてなされる側は少し残すことで満足の意を示す習慣があります。

お酒に関しては、1人ではなく複数人で楽しむ習慣があるため、中国人観光客にお酒を勧められた場合は一緒に楽しむと喜ばれるでしょう。

中国人観光客をターゲットとして店を展開している場合などには、こうした中国人観光客の食事に対する基本的な考え方を知っておくと、行動を理解しやすかったり、もう一歩踏み込んだおもてなしを提供できるでしょう。

訪日中国人観光客の特徴

'爆買い'という流行語が現れるほどに存在感を放っている訪日中国人観光客。日本国内でも大きな注目が集まっており、彼らに関するニュースやコラムを目にする機会は少なくありません。


中国人の「面子」他の基本的考え方を踏まえて、おもてなしを一歩先に 

中国人が日本でたくさんの土産物を買うのは、帰国後に周りから称賛を受けるためという理由もあります。そういった中国人の心理を理解して商品をPRすれば、購買意欲をかきたてることも不可能ではないでしょう。

また最近は、温泉や食事、その他ありとあらゆる体験に旅行そのものの価値を置く「コト」消費への需要の高まりが確認できます。こうした角度から、満足度を上げられる接客やサービスが中国市場からは求められていると言えるでしょう。サービスの提供に際しては、面子に代表されるような中国人観光客の基本的な考え方をふまえた行動が重要であり、差別化にも有効と考えられるでしょう。


関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!