オンラインorオフライン?訪日外国人の交通手段手配、到着後は「対面窓口」が多数派!地方誘客のためのヒントが満載の調査結果を紹介(JTB)

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JTBは「JTB訪日旅行重点15カ国調査2019」において、訪日外国人観光客旅ナカ行動の1つ「交通」に着目しデータを分析しました。

訪日旅行の移動手段に関して、利用交通機関や予約時期・方法・予約を行ったサイト・アプリを調査した最新の結果から、今後のインバウンド旅ナカへの効果的なプロモーションや対策について解説します。

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訪日外国人観光客の利用する交通機関

訪日旅行中に利用した交通機関について、多くの訪日外国人観光客公共交通機関を利用していることが明らかになりました。同時に、観光客向けのツアーバスや貸切バスの利用者も20%以上となっており、初心者向けの旅行形式も依然として支持されていることもわかりました。

JTBグループでは、訪日外国人観光客向けに、都内の観光路線バス「スカイホップバス」と周遊型バスツアー商品「Seat in Coach」を提供し、観光地開発や地方誘客に取り組んています。中でも「Seat In Coach」は、世界45カ国で販売されているバスツアーで、日本では2017年4月から販売が開始されています。

北海道から九州まで、22都道府県を巡る全69コースが用意されており、最少催行人数は1名、ニーズに合わせてコースや乗車区間を自由にカスタマイズできる点が特徴です。インバウンド地方誘客のさらなる促進が期待できるでしょう。

そのほかにも街中を手軽に移動できるレンタサイクルから、長距離移動に便利な飛行機や新幹線まで、訪日外国人観光客は多種多様な交通機関を利用している状況が伺える結果となりました。

移動手段の手配、出発前は「旅行予約サイト」→到着後は「対面窓口」

訪日旅行での移動手段の予約について、日本へ出発する前はインターネットの旅行予約サイトやアプリ、日本へ到着後は交通機関などの対面窓口が多く利用されていることが明らかになりました。

対面窓口は、調査対象の15の国と地域全てで「バスターミナル、レンタカーの窓口で直接」と「日本の旅行会社の店舗」のいずれかが1位となりました。

移動手段の予約サイト・アプリ最新トレンド

訪日外国人観光客の旅行前の移動手段の予約方法として、15の国と地域のうち11の国と地域で利用率がトップとなった「旅行予約サイト」と「旅行予約アプリ」の最新トレンドを見ていきましょう。

圧倒的な存在感のTripAdvisor、アメリカではUberも人気

インバウンド需要の高さで圧倒的な存在感を見せたのは、TripAdvisorでした。

世界49の国と地域において28言語で展開しているTripAdvisorでは、8億件の口コミや評価を参考に、交通機関の料金を比較しながら予約ができる点が好評です。「世界最大の旅行プランとフォーム」として、毎月5億人近くのユーザーが利用します。

利用率について、東アジアでは韓国が27.4%、東南アジアフィリピンインドネシアではほぼ半数と高い比率を記録しているのが特徴的です。フランスで41.6%、イギリスドイツオーストラリアも3割以上となり、安定した需要の高さが見受けられます。

一方で、アメリカでは2.3ポイントの僅差でUberがトップとなりました。2009年からアメリカで始まった自動車配車プラットフォームで、スマホのアプリで簡単に車が手配できます。顧客とドライバーが相互に評価する仕組みのため、安全性と信頼性を担保できる点が人気の理由です。

近年のシェアリングエコノミーの需要拡大を後押ししており、現在は世界60以上の国と地域の600都市以上で展開されています。

アジアで注目のローカルなサイト・アプリとは?

東アジアでは、ローカルな旅行予約サイトやアプリの利用が見受けられます。世界各地の着地型オプショナルツアーをスマホなどで手軽に手配できるサービスを展開しているKLOOKは、台湾で26.3%、香港で30.5%と最も利用率の高いサイトとなりました。

KLOOKは急速に利用者が拡大しており、2019年4月時点で、ユーザー国籍100ヶ国以上、月間2,500万人以上が利用しています。世界270以上の旅行先で100,000以上の体験サービスを提供しており、インバウンド台湾香港市場のプロモーションにおいて、KLOOKはしっかり抑えたい定番サイトです。

中国で最も利用されているのは、中国最大のオンライン旅行会社Ctripで、利用率は44.6%となりました。Ctripの会員数はすでに約3億人に達しており、春節の時期には中国人の5割が利用すると言われる人気サイトです。

東南アジア市場では、マレーシアを拠点にサービスを開始した自動車配車アプリのGrabの利用率が高い傾向にあります。ベトナムでは51.7%、マレーシアでは50.2%と半数以上の利用率となりました。2018年3月にはUberから東南アジア事業を買収したことから、現在は東南アジア最大の配車サービスとして、東南アジア8カ国300都市以上でサービスを展開しています。

日本の予約サービスやアプリの利用状況は?

日本の予約サービスアプリの利用率も一定水準を維持しており、今後さらなる需要拡大が期待されます。リピーターが多い台湾では、Japan Rail Pass official siteが24.6%、日本の高速バス予約サイト・アプリが10.5%、JAPAN TAXIが7.6%と、日本のサービスが健闘しました。

JAPAN TAXIは韓国でも14%の利用率を誇るほか、香港でも15.5%、中国でも13.3%とニーズの高まりが伺えます。中国ではJapan Bus Onlineが20.9%、日本の高速バス予約サイト・アプリがそれぞれ2割前後の利用率を維持している状況です。

一方で、日本の宿泊・ツアーの予約から観光情報の収集まで、訪日旅行の旅ナカの不安解消やニーズに応えるスマートフォンアプリ「JAPAN Navigator」も注目されています。JTBグループが保有する1万件以上の観光スポット情報を駆使し、詳細な経路検索が行えるのが特徴です。自治体DMOとも連携しているため、オリジナルの観光情報も入手できます。

検索や利用者の質問に対してAIがチャットで対応する機能もあります。観光情報入手と宿泊や飲食店・ツアーの予約も同時にできることから、訪日外国人観光客地方誘致を促進することが期待できるでしょう。

まとめ:インバウンドの旅マエ・旅ナカ動向を掴もう

JTB訪日旅行重点15カ国調査2019」において、訪日外国人観光客旅ナカの交通手段と旅マエ旅ナカの予約ツールについ紹介しました。全体的に鉄道をはじめとする公共交通機関の利用が一般的であったほか、交通手段の旅マエの予約はアプリやサイト旅ナカでは対面窓口が多く利用されていることが明らかになっています。主な人気予約サイト・アプリの国別の傾向は以下の通りです。

  • 全世界で安定的に需要あり:Tripadvisor
  • 台湾と香港:KLOOK
  • 中国:Ctrip
  • 東南アジア(マレーシアとベトナム):Grab

日本のサービスも健闘しており、観光情報の検索から経路検索、各種予約まで包括的に行える「JAPAN Navigator」がアジアを中心に人気となっています。

今後さらなるインバウンド誘客促進を目指す上で、旅マエ旅ナカインバウンドの行動動向をキャッチし、インバウンド対策に効果的に反映していくことが求められるでしょう。

<参照>

・JTB INBOUND SOLUTION:JTB訪日旅行重点15カ国調査2019 訪日外国人の旅ナカ行動"交通"編〜滞在中の移動手段と予約方法〜

・JTB INBOUND SOLUTION:Seat In Coach

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
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詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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