広域周遊「ドラゴンルート」が惹きつけるは、訪日タイ人!勝ち組「長野」「三重」なぜ?訪日ラボ著『インバウンド調査報告書』で分析する日本

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訪日外国人にとってメジャーな観光ルートの一つが、ゴールデンルートです。東京、箱根、富士山、名古屋、京都、大阪などを巡る広域の観光周遊ルートであり、特に初めて日本を訪れる層に人気となっています。

入国地や出国地は様々ですが、例えば成田空港から入国し、東京、富士山、名古屋、京都、大阪を経由して関西空港から帰国するというパターンがあります。

実際、これらのゴールデンルート上に位置する都道府県は訪日外国人の訪問率や消費金額などが高い傾向にあり、ゴールデンルートの恩恵を受けているといえるでしょう。

一方、観光庁の主導により設定された第二のゴールデンルートとも言える周遊ルートとして、昇龍道ドラゴンルートが存在します。

今回は訪日ラボ著『インバウンド調査報告書2020』に掲載されている最新のデータを基に、ドラゴンルートインバウンド業界の中でどのように機能しているかを探ります。

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昇龍道(ドラゴンルート)とは?

昇龍道ドラゴンルートは、ゴールデンルートに続く定番として訪日外国人に観光してもらうべく制定された新たな周遊ルートです。

中部地方、北陸地方、近畿地方にまたがっており、愛知県の中部国際空港からの入出国が便利です。

観光庁が認定した広域観光周遊ルートのひとつ

ドラゴンルートの名前は日本列島の形と、旅行者の移動経路の軌跡に由来しています。

ドラゴンルートの経路は、能登半島を龍の頭に見立てています。ここを折り返し地点に、龍の身体や尻尾にあたるエリアをそれぞれ観光します。

具体的には富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県の9県が含まれており、2015年には観光庁により正式な広域観光周遊ルートとして認定されています。

昇龍道(ドラゴンルート)とは?ハーレーで縦断!北米インバウンド対策

とはいえ、具体的にインバウンドに人気の観光ルートがどのようなものなのかはわかりにくいですよね。そこでこの記事では、ハーレーで昇龍道(ドラゴンルート)を横断する事例をご紹介し、北米の訪日外国人観光客を対象としたインバウンド対策について解説します。目次狙いは北米からのインバウンド中部・北陸へのインバウンド対策狙いは北米からのインバウンド国内バイクツアーを手掛ける「MOTO TOURS JAPAN株式会社」は、3月20日、一般社団法人昇龍道ドラゴンルート推進協議会と共に、招待旅行として、「ドラゴ...


ゴールデンルートの次の周遊ルートとして、今後の成長が期待されている

東京から富士山、名古屋、京都を経由して大阪に至るゴールデンルートは既に多くの訪日外国人が体験しており、日本観光の定番として国内外共に認知されています。

一方、ゴールデンルートに飽きた外国人観光客からの観光需要はこれまで拾えていなかったと考えられます。ドラゴンルートを第二のゴールデンルート位置づけ、より日本を深く味わえる周遊ルートとしての訴求が、今後のインバウンド市場拡大のカギを握っているといえるでしょう。

今更聞けない「ゴールデンルート」とは/東京〜大阪を巡るインバウンド王道観光ルート・日程例・ルート外地方に誘致する事例は?【インバウンド用語基

多くの訪日外国人観光客...


移動データを国籍・地域別に分析、訪日観光客の動きを可視化してみると…?

▲[全国籍 周遊ルート]:インバウンド調査報告書2020
▲[全国籍 周遊ルート]:インバウンド調査報告書2020

▲[訪問者数上位5か国 周遊ルート]:インバウンド調査報告書2020
▲[訪問者数上位5か国 周遊ルート]:インバウンド調査報告書2020

日本における訪日外国人の移動はデータ化されており、株式会社ナビタイムジャパンにより移動ルート情報として提供されています。ここではこの移動ルート情報を基に、訪日外国人がどのようなルートで日本観光をしているのか分析します。

愛知県~石川県を動き回る訪日外国人

ドラゴンルート付近の移動ルート情報を見てみると、愛知県から石川県にかけて太い線が走っており、ドラゴンルート実際に訪日外国人の観光周遊ルートとして活用されていると分かります。

また、訪問者数の上位5か国別にドラゴンルートの人気を見てみると、最もドラゴンルートを活用しているのはタイ人観光客であると分かります。

ドラゴンルートは地形の起伏が大きく山と海に富んでおり、日本の四季に合わせてさまざまな景観が楽しめます。これらの特徴が、日本らしい景観を楽しみたいタイ人を惹きつけているのかもしれません。

訪日客は日本を何で移動している?

1996年に設立され、月間約180万人のユーザーが閲覧している「ジャパンガイド」では、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、イギリスなどの英語圏からのアクセスが上位を占めています。サイトのページ数は約2000ページ。そのうち、約1700ページが観光エリア、スポットを紹介する「Destination」ページ、2番目に多くの割合を占めるのは、旅行計画を立てる際に役立つ情報を集めた「Plan a Trip」ページになります。今回は、「Plan a Trip」ページの中で、交通手段について紹介し...


ドラゴンルート上にある県別のインバウンド動向を解説

ドラゴンルート9つの県から構成されています。

移動データ情報から、ドラゴンルートが実際に訪日外国人の観光周遊ルートとして活用されていることは分かりましたが、それぞれの訪日外国人の訪問者数や消費金額にはどのような特徴がみられるでしょうか。

各県の訪問者数・個人消費金額の推移

昇龍道ドラゴンルート)を構成する9県における訪日外国人の訪問者数と一人当たり平均消費金額は以下の通りです。

県名 2019年上半期訪問者数 前年同期比 一人当たり消費金額 前年同期比
愛知県 1,400,338人 +21.4% 48,111円 -9.8%
岐阜県 543,397人 +21.3% 19,771円 -20.1%
長野県 533,611人 +10.4% 52,947円 +6.7%
静岡県 712,903人 +19.3% 23,903円 -4.5%
石川県 326,342人 +9.6% 21,838円 -13.7%
富山県 218,725人 +16.1% 14,598円 -1.8%
三重県 118,204人 +29.9% 37,247円 +11.6%
滋賀県 108,854人 +4.2% 27,644円 -21.2%
福井県 35,027人 +39.1% 24,558円 -33.3%


2018年上半期2019年上半期を比較すると、全ての県において訪日外国人の訪問者数は増加しています。

訪問者数の増加の一方で、一人当たり平均消費額を見てみると、減少している県が多いことに気付きます。その中でも、長野県、三重県だけはプラス成長しており、今後は両県の取り組みに注目が集まると考えられます。

愛知県から石川県にかけて位置するドラゴンルートのちょうど中間に位置する岐阜県の訪問者数は21.3%増、消費額も6.7%増となっています。また大阪からのアクセスの良い三重県も、それぞれ29.9%増、11.6%増です。

長野県はスキー場、飛騨高山、白川郷、下呂温泉などがあり、特に近年ウィンタースポーツに関心の高い中国人からの注目が高まっているのかもしれません。同じく三重県には日本を代表する「伊勢神宮」があり、訪日外国人の来訪の動機となっていることが考えられます。

一人当たりの消費額が減少してしまった理由には、周遊ルートに沿って観光した場合は、各エリアに滞在する時間が短くなっていることも考えられます。

こうした滞在時間の短さに加え、LCCの増加で予算があまり大きくない訪日外国人の訪日も増えていることも考えられ、こうした層の割合上昇が平均消費額の減少につながっているのかもしれません。

今後は富裕層の呼び込みや、長期滞在、消費に積極的になってもらえるような環境づくりが求められていくでしょう。

2019年上半期の訪日外国人数は1,663万人

2018年は史上初めて訪日外国人客数が3,000万人を突破しました。今年2019年も日本のインバウンド市場は成長を続けています。上半期の訪日外国人客数は過去最高を更新し、新聞社各社やシンクタンクがインバウンド市場の最新動向をまとめたり今後の展開について論じています。宿泊予約サイト大手が発表した都市別の国別宿泊数ランキングでは東京、大阪を含む5つの大都市で中国人がトップとなり、中国人旅行客が日本経済に与える影響は引き続き大きいことがうかがえます。同時にリピーターの増加と地方への誘客の必要性が...


インバウンド関連の数値から訪日外国人の動向を把握しよう

ゴールデンルート昇龍道ドラゴンルート)の他にも、観光庁により認定されている広域観光周遊ルートは現在11ルート存在します。

それぞれの広域観光周遊ルート上に位置する都道府県のインバウンド関連数値や移動データを調査することで、実際の訪日外国人の動きや消費の傾向が把握できます。

インバウンド戦略の策定には、これらの数値が一覧で分かる『インバウンド調査報告書2020』をぜひご活用ください。

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本調査報告書について

本調査報告書は「訪日ラボ」が、2018年上期から2019年上期にかけてのインバウンド市場を徹底的に分析することで、2020年上期のインバウンド市場を展望する内容となっております。

本報告書の制作にあたり、観光庁JNTOなどが提供する公的なデータ、株式会社ナビタイムジャパンからのデータ協力、そして自社メディアにて集積した膨大なデータを基に分析しており、変化の激しいインバウンド業界の方にとって価値のある情報を提供することを目的としています。

構成・各章の概要は以下の通り。

  • 第1章「市場全体データから分析するインバウンドの現在」
    • 訪日者数や消費金額総額等のマクロデータに加え、業界を支える事業者へのアンケートも交え、インバウンドの現在の趨勢についてまとめています。
  • 第2章「都道府県別インバウンドデータに見る トレンドと課題」
    • 全国47都道府県を9エリアに分け、県別に各種の公的データを集計。また、NAVITIME提供のインバウンドGPSデータによる宿泊者数や移動データも収録し、外国人訪問者の動向と消費の詳細が分かるデータとしてまとめています。
  • 第3章「国・地域別インバウンドデータに見る トレンドと課題」
    • 政府の指定する重点市場20か国について各種データを集計し、各国の訪問動向と消費内訳をまとめています。どの月にどの県へ訪問、宿泊がなされ、なにを期待して訪日したのか。またどの品目により多くの消費がなされたのか。次にインバウンド対策として打つべき手についてデータを分析しています。
  • 第4章「業界別インバウンド市場ニュースと事例」
    • 2019年1月-6月期において訪日ラボの人気記事を業界ごとにリストアップし、それらをPVの大きかった順に並べ、キーワードを抽出しています。メーカー、交通、宿泊、小売、そして地方自治体のニュースの記事が注目を集め、話題となったのか。業界ごとに分析・解説しています。
  • 第5章「インバウンド対策ソリューション企業一覧」
    • インバウンド向けに受け入れ対応したい・プロモーションしたい事業者をサポートする、インバウンド対策サービスをまとめ、リストアップしています。

書籍情報

書名:インバウンド調査報告書2020[2019年上期のデータから2020年上期を展望する]

著者:訪日ラボ

発行所:株式会社インプレス

発売日:2019年12月24日(火)

価格:CD(PDF)版、ダウンロード版90,000円(税別)CD(PDF)+冊子版100,000円(税別)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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