2018年は史上初めて訪日外国人客数が3,000万人を突破しました。今年2019年も日本のインバウンド市場は成長を続けています。上半期の訪日外国人客数は過去最高を更新し、新聞社各社やシンクタンクがインバウンド市場の最新動向をまとめたり今後の展開について論じています。
宿泊予約サイト大手が発表した都市別の国別宿泊数ランキングでは東京、大阪を含む5つの大都市で中国人がトップとなり、中国人旅行客が日本経済に与える影響は引き続き大きいことがうかがえます。同時にリピーターの増加と地方への誘客の必要性が説かれており、こうした分野での取り組みにも注目が集まります。
この記事では、観光庁発表のデータや統計に基づき2019年の訪日外国人客数、インバウンド消費額、今後の目標値、インバウンド市場の動向や推移について解説します。
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2019年上半期の訪日外国人は1,663万人
7月17日に2019年6月の訪日外国人客数のデータがJNTOより発表されました。データによれば、2019年上半期の訪日外国人客数は累計1,663万3,600人であり、前年同期間の1,589万9,063人から4.6%増という結果となっています。
ここ数年における訪日外国人客数は右肩上がりに増加しており、過去最高を更新し続けていましたが、2019年上半期も例にもれず過去最高となりました。
訪日外国人数3,000万人を突破!増加続く理由は「ビザ・LCC・日本ブーム・リピーター化」という4つの背景
訪日外国人数は年々増え続けており、2018年には史上初の3,000万人を突破しました。この記事では、訪日外国人数が増え続ける背景や今後の動向を、最新のデータに基づいて解説します。最も数が多い中国人観光客の動向や、訪日リピーターの増加についてなど知っておくべき情報もまとめています。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次訪日外国人数が過去最高を記録2018年訪日外国人...
2018年の時系列・トレンドで見るインバウンドデータ
訪日外客数が3000万人の大台を超え、2020年までに4000万人という目標が現実のものとなろうとしています。 大阪におけるナイトタイムエコノミーの躍進 に代表されるように、インバウンド業界に着実な変化が訪れていると言えるでしょう。 一方、 西日本豪雨、大阪地震、北海道地震、台風21号といった自然災害が、いバウンドにマイナスの影響を与えたことも事実です。東京五輪に向けてインバウンド対策が加熱するなか、 新たな視点での対策の必要性 が叫ばれるようになった2018年。そのインバウンド市場のトレ...
国・地域別では中国が最多
2019年上半期に日本を訪れた外国人客のうち最も多い割合を占めたのは中国からの訪日客で、半年間で約453万人もの中国人が日本を訪れています。訪日中国人は前年同期間と比較して11.7%増加しており、日中間を結ぶ航空便の新規就航や増便、2019年1月より開始されたビザ発給要件の緩和措置が要因として挙げられます。
国・地域別の訪日外国人客数ランキングにおける上位5ヶ国および順位は前年と同様で、訪日外国人客の内訳という観点からは、2018年から2019年にかけてのインバウンド市場に大きな変化はなかったといえるでしょう。
一方、ベトナムやロシアからの訪日客はそれぞれ前年比にして30%、20%と大きな伸びを記録しており、両国が日本のインバウンド市場拡大を目指す上で重視すべきターゲット層となりうることを示しています。
2019年上半期国・地域別訪日外国人数ランキング
順位 | 国・地域 | 人数 |
1位 | 中国 | 453万人 |
2位 | 韓国 | 386万人 |
3位 | 台湾 | 248万人 |
4位 | 香港 | 109万人 |
5位 | アメリカ | 87万人 |
2019年上半期国・地域別前年比伸び率ランキング
順位 | 国・地域 | 前年比増加率(増加した人数) |
1位 | ベトナム |
30.3%(5万9,000人) |
2位 | ロシア | 20.4%(9,000人) |
3位 | インド | 15.5%(1万2,000人) |
2019年上半期のインバウンド消費は2兆4千億円
2019年上半期のインバウンド消費額は2兆4,326億円で前年比8.8%増となっています。四半期単位でみると4~6月期のインバウンド消費額は1兆2,810億円で前年比13%と、上半期における消費額よりも大きな伸びを記録しており、その伸び幅も徐々に増加しているといえます。
2019年の4〜6月における訪日外国人1人あたりの支出額は15万7,000円で、支出の内訳を費目別にみると買い物代が5万6,000円、宿泊費が4万6,000円、飲食費が3万4,000円となっています。
国・地域別では中国が最多
国・地域別のインバウンド消費額についての統計からは、それぞれの国から日本を訪れた人々の消費傾向がわかります。訪日外国人客数のランキングと照らし合わせると、台湾と韓国、アメリカと香港の順位が異なっています。台湾からの訪日客数は韓国の約3分の2であるにもかかわらず、消費額は台湾の方が多いことがわかります。
また、1人あたりの消費額についてのランキングではフランスやイギリス、オーストラリアと、訪日客の数自体は決して多くない国々が上位にランクインしています。
距離が遠く渡航費用もかさみがちな遠方からの訪日客は滞在期間も長くなる傾向にあり、結果として消費額が増加することが一因として挙げられます。
2019年4~6月期国・地域別消費額ランキング
順位 | 国・地域 | 消費額 |
1位 | 中国 | 4,706億円 |
2位 | 台湾 | 1,457億円 |
3位 | 韓国 | 1,227億円 |
4位 | アメリカ | 946億円 |
5位 | 香港 | 904億円 |
2019年4~6月期国・地域別一人当たりの消費額ランキング
順位 | 国・地域 | 消費額 |
1位 | フランス | 24万2,491円 |
2位 | イギリス | 23万5,327円 |
3位 | オーストラリア | 23万1,674円 |
他の年のインバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)を見る
訪日ラボでは2011年以降の各年におけるインバウンド消費データを掲載しています。インバウンド市場全体や訪日外国人客の消費に関する動向を知るために年ごとのデータは貴重な材料となるでしょう。
- 2011年のインバウンド消費データ
- 2012年のインバウンド消費データ
- 2013年のインバウンド消費データ
- 2014年のインバウンド消費データ
- 2015年のインバウンド消費データ
- 2016年のインバウンド消費データ
- 2017年のインバウンド消費データ
- 2018年のインバウンド消費データ
2019年の訪日外国人数予想は?
政府ではインバウンド市場の拡大について2020年に訪日外国人4,000万人、インバウンド消費額8兆円と目標を設定しています。この目標値は2016年に「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」にて決定されたもので、同会議内において安倍晋三首相は観光について成長戦略の1つの大きな柱であり、地方創生の切り札であるとの認識を示しました。観光業界やインバウンド市場が今後の日本経済を支えるファクターになっていくと見込んでいます。
仮に2019年の下半期に上半期と同等の訪日外国人客数、インバウンド消費額を見込んだ場合、2019年の1年間における訪日外国人客数は3,326万人、インバウンド消費額は4兆8,652億円となります。
推定値ではあるものの2019年の1年間において上記の訪日外国人客数、インバウンド消費額を記録した場合、政府の目標を達成するためには2020年に訪日外国人客数では前年比20%、インバウンド消費額では前年比64%以上の伸びを見込む必要があります。
オリンピックという国際的な祭典の開催を控えているため、2019年から2020年では訪日外国人客数・インバウンド消費額ともに大きな伸びが期待できますが、目標達成のハードルは決して低くないでしょう。
2019年のインバウンドはどうなる?アウンコンサルティング、2018年
目次インバウンドのこれまでとこれから訪日外国客数は過去最高・伸び率ではベトナム2019年のインバウンド施策動向とトレンドインバウンドのこれまでとこれからアウンコンサルティング株式会社は2月14日、2018年の訪日外国人の年間動向調査結果と、2019年の予測を発表しました。観光庁の統計をもとに動向を分析しています。2018年訪日外国人の年間動向調査結果+2019年の予測訪日外国客数は過去最高・伸び率ではベトナム2018年の訪日客数は、前年比8.7%増で約3,119.1万人、250万人のプラス...
【国別】2019年訪日外国人観光客数の予測|効果的なインバウンド対応のポイントとは?
日本政府観光局(
2019年は日本の「離島・鉄道・祭り」を世界に売り込む!ビジット・ジャパンが手がける次のプロモーションとは
日本政府観光局(JNTO)は、ビジット・ジャパン事業の一環で、官民連携事業における2019年度事業化アイディアを公募し、3件を選定しました。JNTOでは2020年までに訪日外国人観光客数4,000万人突破、訪日外国人旅行消費額8兆円を目指す上で、民間企業等と連携した取り組みの1つとして今後のプロモーション活動に注目が集まります。昨年度に実施された2つの事業と、平成31年度の3つの事業化アイディアから、官民連携事業による地域創生へ向けた取り組みについて見ていきましょう。目次平成30年度はキャ...
2019年下半期の動向に注目
2020年の上半期には1,663万人もの外国人客が日本を訪れており、半期ごとの訪日外国人客数としては過去最高を更新しました。また、いよいよ東京オリンピックの開催まで1年を切り、2020年夏に向けてインバウンド市場はさらなる盛り上がりをみせると予想されています。2019年の下半期から2020年にかけてのインバウンド市場の動向にも注目していく必要があるでしょう。
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【2023年インバウンド最新動向を予測】国・地域別デジタルマーケティング戦略
2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。
では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。
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- 国・地域別のデジタルマーケティング
- 外国人向け情報発信の際に意識すべきこと
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