なぜ台湾には親日家が多いのか/日本との歴史が友好関係に影響・海外旅行では3人に1人が日本へ

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

台湾は旅行先として日本人に人気を集め、近年日本ではタピオカドリンクをはじめとする台湾グルメにも注目が集まっています。 

台湾にも親日家が多いといわれています。特に90年代には「哈日族(日本大好き族)」という日本の文化を熱狂的に愛する人たちも登場しました。

当記事ではデータや歴史的背景から、台湾人はどのくらい日本が好きなのか、なぜ台湾が親日といわれているのかを解説します。

関連記事
世界の親日国
「知日派」とは?

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

台湾人は親日って本当?データが語る親日度

そもそも台湾人は本当に親日なのか、と疑問をお持ちの方もいるでしょう。台湾人は親日とよく言われますが、実際に日本に好感を抱く人は多いといえます。

以下ではいくつかのデータを用いて、「台湾人の親日さ」について解説します。

台湾人の84.6%が日本に対して好感

台湾の民間団体、台湾民意教育基金会が2018年に発表した調査結果によると、台湾で最も好感度が高い国としてシンガポールに次いで日本が2位に選ばれています。

同調査では、台湾在住の20歳以上の男女を対象に、台湾の近隣諸国や主要国を含む10の国と地域について「良い印象を持っているかどうか」と質問形式で実施しました。

その結果、日本に良い印象をもっていると回答した人は84.6%に上りました。このデータは多くの台湾人が親日である一つの証拠といえます。

訪日台湾人観光客の特徴

親日家が多いことで知られる台湾は、中国に次いで世界で2番目に日本観光が盛んな地域です。訪日台湾人観光客はテレビ番組などから日本の最新情報を入手していることが多く、人気のエンターテイメントや話題の商品についてよく知っています。


日本は台湾人に人気の旅行先

日本政府観光局JNTO)の統計によると、2018年の訪日台湾人は年間約476万人で訪日外国人数の15.3%を占めています。

日本と台湾を結ぶLCC路線の増加や地理的に近いこともあり、多くの台湾人が訪れています。

2019年の1~12月に台湾から海外旅行に出かけた人数(延べ)では、日本が最も多く491万人、つづいて中国404万人、香港167万人、韓国120.9万人となっています。

同年の海外旅行者の総数は1,710万人であり、およそ3人に1人が日本に来ている計算になります。

特に北海道には多くの訪日台湾人が訪れています。台湾には降らない雪景色を楽しめることや北海道ならではの大自然が台湾人にとて魅力的なのでしょう。

また、台湾には多くの北海道産の食材をショッピングモールで目にする機会が多く、認知度が高いことも要因となります。

【独自調査】台湾人の97%が日本旅行に興味あり:「日本旅行をしたい理由・したくない理由」から探る次のインバウンド需要とは?【台湾市場編】

日本政府観光局(JNTO)によると、2020年3月の訪日外客数は19万4,000人でした。前年同月比では93.0%減少しており、6か月連続で前年同月を下回っています。この要因としては、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中の国々において海外渡航制限や外出禁止などの措置がなされたことが挙げられます。 現在は世界的に旅行需要が減少しており、流行の状況とともに今後の市場動向を注視していく必要があるでしょう。 また2021年には、東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。 ...

日本語能力試験(JLPT)の受験者数 第3位

2018年の日本語能力試験の受験者数を見ると、日本を除く国の中で台湾は中国や韓国に次いで第3位の38,981人でした。

台湾の教育部(文部科学省に相当)では高校生の海外渡航を促しており、その一貫として日本の中学・高校との交流を推進しています。

また、台湾の高校や大学では、第二外国語として英語に次いで日本語が人気のようです。

高校を卒業してから日本の大学に進学する人や日本の大学に交換留学する台湾人も多いといわれています。

台湾国内でも日本語学科のある大学が40以上あり、日本語を学べる環境が豊富です。

中国と「香港」「台湾」何が違う?歴史や最近の情勢、観光名所まとめ

香港と台湾、中国は日本からほど近く旅行先としても人気のある場所ですが、香港、台湾、中国のそれぞれの関係性や立場を深く理解している人は多くありません。 特に香港と台湾の違いについては歴史的背景を知らずに理解することは難しく、話に挙がることは多いものの、その本質的な違いは知らないということも珍しくありません。 しかし、歴史的背景や情勢を整理できれば両者の違いを理解することは決して難しいことではありません。 この記事では、香港と台湾の違いについて歴史、情勢、観光スポットなどの点からまとめま...

なぜ台湾は親日国になったのか:日本とのさまざまな歴史

これまでで台湾人に親日家が多いことはわかりました。では、なぜ台湾はこれほどまでに親日な国なのでしょうか。

以下では、台湾が親日な理由を年代別に解説します。

日本統治時代に日本語教育を受けた世代

1895年から終戦1945年の約50年間、台湾は日本に統治されていました。

統治時代、当時の日本政府は高速道路や鉄道敷設などのインフラ整備を積極的に行いました。

その結果、台湾の交通網が整い、経済発展に貢献しました。

また、日本は同時に台湾の子供の就学率を上げることや日本文化や日本語の教育も行いました。

台湾の経済発展に貢献したことや当時の教育を受けた台湾人は日本語を話せる人が多いことから、日本統治時代を実体験として経験した人に日本に親しみをもつ人が多いといわれています。

90年代に台湾に登場した「哈日族」(日本大好き族)

台湾では、日本文化に熱狂する台湾人を「哈日族(ハーリーズー)」と呼びます。

「日」は日本を意味し、「哈日」は「日本が好きでたまらない」という意味です。

由来は日本が大好きな漫画家・哈日杏子(ハーリーシンズ、ハニチキョウコ)さんが1996年に出版した4コマ漫画「早安日本(おはよう、日本!)」の作中で使われたことからきています。

哈日族は、日本統治時代を過ごした年代の孫の世代にあたり、祖父母から日本の文化を聞かされ、日本文化に親しみをもつようになったといわれています。

そのため、哈日族が主に好きなものは、戦後日本のサブカルチャーのようです。

台湾での日本ブームは2000年にピークを迎えた後も台湾に浸透し、ケーブルテレビでは2つの日本語専門チャンネルがあるなど、昨今の若い世代にとって日本文化は台湾文化のひとつとなっています。

台湾の祝日や休日には何がある?各イベントの由来・開国記念日・101の花火・三大節句・ランタンフェスティバルや行憲記念日の式典も解説

台湾は日本人にとって人気の観光地です。非常に親日的な国で旅行や観光がしやすい国です。台湾への旅行を計画する際に気を付けなくていけない点は、現地の祝日とそれに伴う連休でしょう。 台湾の休日は旧暦がベースとなっているものが多く、その年によって日取りが変わってきます。 こうした連休は、台湾人が日本に訪れるタイミングでもあります。この記事では、日本と台湾を行き来する旅行の際に理解しておきたい、台湾の祝日について紹介します。 [com_category_dl_btn name="訪日台湾人・香...


東日本大震災義援金が世界1位の台湾へ、感謝を伝える日本人発のコンテンツ

(データ参照元:https://www.nippon.com/ja/features/c04918/

台湾外交部(日本でいう外務省)が発表した資料によると、2014年12月31日までに日本に送られた台湾からの義援金は総額およそ253億円に上ります。

しかし、外交上の問題で中国への配慮もあり日本政府から台湾への正式な感謝の意は述べられませんでした。

そこで、政府ができないなら民間で台湾に恩返しをしようという運動が起こりました。

日本人女性デザイナーがSNS上で呼びかけたことから始まり、台湾への感謝を伝えるための広告やCMが有志で製作されました。

それらは実際に台湾の地方紙やテレビで使用・放送され、それを見た台湾人からは感謝のコメントが寄せられました。

台湾から日本への義援金にまつわるこのエピソードは、日台両国民のお互いに対する印象をさらに押し上げる要因になったといえるでしょう。

日本における台湾人気も拡大中

お互いの国の人気は、台湾から日本への一方的なものではありません。

以下では、日本で人気の台湾についてご紹介します。

旅行先の人気1位、5年連続で台湾

リクルートライフスタイルの調査研究機関「エイビーロード・リサーチ・センター」による2018年の日本人の海外旅行動向調査によると、人気の旅行先として台湾が1位(16.3%)に選ばれています。2014年から5年連続の1位です。

特に日本の若者の間で台湾旅行がブームになっています。

リーズナブルに台湾ならではの料理を楽しめる屋台やジブリ映画「千と千尋の神隠し」の舞台といわれる九份などが人気を博しています。

昨今は、日本・台湾間のLCC路線も増えており、気軽に台湾へ行きやすくなったこともブームを後押ししています。

空前のタピオカドリンクブーム

空前のタピオカブームはいまに始まったことではありません

1980年代に台湾でタピオカミルクティーが考案され、台湾のタピオカミルクティーのチェーン店の日本進出をきっかけに初のタピオカブームが1990年代後半に起こりました。第一次タピオカブームです。

その後、2008年に台湾の黒いタピオカ入りのミルクティーがブランド化され、日本でも人気を集めるようになりました。第二次タピオカブームです。

そして、現在は第三次タピオカブームとなります。

SNS映えや旅行先としての台湾人気も相まって、若い女性を中心にタピオカ人気が白熱しており、台湾のタピオカ店が続々と日本進出を果たしています。

台湾の音楽、グルメ、化粧品にも注目集まる

台湾旅行やタピオカのみならず、台湾の音楽やグルメ、化粧品にまで注目が集まっています。

音楽面では、日本で複数の台湾バンドがデビューしています。

2016年8月に都内で開催された台湾カルチャーイベント「台湾ワンダフル」では台湾の人気バンドらがライブを行い、一晩で900人が来場し盛り上がりをみせました。

また、最近では台湾料理である「ルーロー飯」(ご飯に味付けされた豚肉をのせたもの)などのフードワゴンも人気です。

化粧品では、台湾企業が2013年から日本で販売展開しているフェイスマスク「我的美麗日記」が品質の良さと安さにより特に若い女性から人気を集めています。

台湾人は日本に好感を持つ人が多く、近年日本でも台湾が人気に

日本語を学ぶ台湾人が多いことや災害時に台湾から多くの義援金が集まったことなどから、台湾は日本に好感をもつ人が多い国だと言えます。

台湾人に親日家が多い理由としては、日本統治時代を知り日本に親しみを感じる世代や1990年代に登場した哈日族など、世代によって「親日な理由」は多少異なるようです。

台湾で日本文化が根付き人気を誇る一方で、日本でも台湾人気は高まっており、昨今では空前の台湾ブームが起きています。

旅行先としての台湾人気やタピオカブームをはじめ、最近では台湾の音楽やグルメにも注目が集まっています。

インバウンド対策ではお互いの国に対する良いイメージを生かして、訪日台湾人に対してはフレンドリーなコミュニケーションを心がけたり、台湾国内で人気のある日本のコンテンツに関連付けてPRしていくと有効かもしれません。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

<参照>

日本語能力試験:2.実施国・地域別応募者数・受験者数

交通部観光局:觀光業務統計

中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】

短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。

今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。

今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】

【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに