中国人が大阪の「不動産」を爆買いする理由|なぜ不動産投資をするのか

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インバウンド需要の高まりとともに、日本の一部の都市では不動産価格の上昇が見受けられます。

近年では、中国人の爆買いの対象が日本の不動産に向けられており、なかでも大阪の西成は今大きな注目を集めています。

今回は、訪日中国人が日本の不動産の爆買いにおいて、大阪をターゲットとしている理由について解説します。


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中国人による「不動産」爆買い

化粧品やブランド品などの爆買いで有名だった中国人も、近年では爆買いするターゲットが変わりつつあります。

近年顕著となってきている中国人による日本の不動産の爆買いについて、3つの観点から解説します。

日本では東京都北区、板橋区周辺に注目集まる

東京都内の北区や板橋区付近では、駅から徒歩10分圏内、築30年以上ある中古アパートを一棟買いする中国人が増加しました。タワーマンションに投資するよりも利回りが良いとし、リフォームをした後に中国人をはじめ外国人入居者に貸し出しています。

葛飾区や江戸川区で主に見受けられる再建築不可の一戸建ての中古物件も、中国人投資家に人気です。再建築不可物件はローンが組めないため買い手がつきにくいとされていますが、日本で不動産投資をする中国人の多くは即金で購入する経済力を備えています。

中国人オーナーは購入した物件に最低限のリフォームを行い、外国人向けに貸し出し、収益を得ているといいます。

海外ではこんな場所も買われている

これまで、中国人投資家にとってオーストラリアとカナダが最も人気の投資先となっていました。しかし、中国人による不動産投資の拡大が現地の住宅価格の高騰を引き起こしたため、現在は当局による規制が強化されています。

そこで中国人の不動産投資の新たなターゲットとして、日本をはじめタイやマレーシア、ベトナムなどのアジア諸国に注目しているそうです。

アジアの物件は高価ではなく手が届きやすいことはもちろん、将来の価値上昇も期待できるとして人気が高まっているといいます。

そもそも中国人は「不動産投資」が好き

中国では経済成長にあわせ自分の資産をさらに増やすための手段として、不動産への投資を積極的に行う傾向にあります。

特に日本への不動産投資に力を入れる理由としては「永久的な所有権が得られる」「貸し出した場合の利回りが高い」「外国人による投資制限が少ない」などが考えられます。

近年では日本で不動産を購入することで、民泊として活用し収益をあげることができると話題です。

訪日客に貸し出すだけでなく、自分が日本を訪れた際は滞在先にできることもメリットの一つでしょう。

中国人の不動産投資に大阪「西成」が注目を集めている理由

新たに中国人投資家たちが不動産投資のターゲットとしているのが、大阪市西成区です。

通天閣や新世界の南隣に位置する動物園前一番街には、10を超えるカラオケ居酒屋が立ち並んでいます。近年ではカラオケ居酒屋を増やし、投資家に貸し出すといったビジネスが盛んです。

中には、カラオケ居酒屋の2階部分を民泊として訪日客に貸し出し、カラオケ居酒屋と民泊を組み合わせたビジネスの例もあります。

民泊は条例に適合した物件であることを求められるため、未登録の闇民泊の調査も同時に進められているそうです。

中国の2020年春節とは

春節とは中国のお正月で、伝統的に祝われてきた節句です。中国だけではなく、台湾・香港・マカオや、世界各地の中国ルーツを持つ華人にとって最も大切な祝日とされています。中国において、春節は国民の祝日で多くの人は一週間の連休になります。長期休暇となるため、中国国内外への旅行者が増える期間でもあります。2020年の春節では4.5億人の中国人が海外に出かけるとのデータも出ていましたが、新型コロナウイルスの影響で減少の動きが見られました。この記事では、2020年1月24日に始まった春節の休暇について、同...

インバウンドでも人気のエリア「大阪」ホテルや大型商業施設が続々

新今宮駅北側の浪速区には、2022年春、星野リゾートが観光特価型ホテル「OMO7(おもせぶん)」をオープンする予定です。

大阪の繁華街・心斎橋にも近く、大阪を代表する「通天閣」や大阪名物の串カツも食べられる繁華街「新世界」まで、徒歩で出られます。

また、訪日外国人にとって定番観光地である京都へのアクセスも便利とあり、インバウンド誘客への効果も見込まれます。

大阪市北区には2019年11月、ヨドバシカメラに直結した大型商業施設、リンクス梅田が開業しました。訪日外国人に人気のABCマートや伝統工芸品を取り扱う店などが出店しており、そのターゲットは明白です。

梅田と関西国際空港や国内の主要都市を結ぶバスターミナルも整備してあり、インバウンド誘客が期待できる新施設です。

大阪・梅田に外国人観光客が殺到するワケ

訪日観光客が今こぞって訪れているのが大阪です。観光庁が昨年発表した2018年4月から6月にかけての「訪日外国人消費動向調査」によると、インバウンド観光客が一番多く訪問しているのは東京でもなく京都でもなく大阪でした(訪問率ベースで大阪府41.8%、東京都41.6%、千葉県34.1%の順でTOP3)。訪日観光客の実に4割が大阪を訪れると言うのですからその人気は明らかです。そこで気になるのが外国人観光客たちは一体大阪で何をしているのか?大阪のどこに魅力を感じているのか?と言うことです。中でも大阪...

「リーズナブル」ニーズに応える

LCCを利用して日本を訪れる訪日外国人の増加により、リーズナブルに滞在できる宿泊施設に対する需要も高まっています。

西成区の天下茶屋では、労働者の高齢化により需要が減少していた西成区の簡易宿所を、インバウンドのバックパッカー向けにリニューアルすることで、新たな需要を取り込んでいます。下町ならではの情緒が感じられ、長屋や古民家を改装した民泊は、日本に根付く歴史や文化を知りたいと考える訪日外国人の知的好奇心も満たすでしょう。

特に訪日中国人はLCCで関西国際空港に降り立つケースも多く、その中には大阪を拠点に京都や神戸などを周遊したいと考える人も相当数いると考えられます。西成区天下茶屋はなんばや天王寺などの中心部と比べると不動産価格は比較的割安であり、こうした訪日中国人をターゲットに見据えた中国人の民泊オーナーの注目を集めています。

今後も成長する「民泊」市場、不動産の爆買いをどうとらえるべきか

大阪は日本の主要な玄関口の一つであり、中国人はじめ訪日外国人旅行客が多く訪れています。今後も民泊は、リーズナブルな滞在を求める層の大きな宿泊需要が見込めます。

中国人はおしなべてビジネスの視点で物事をとらえることにたけており、大阪以外でもこうした訪日外国人によるトレンドの機微をつかんで、不動産の確保といった動きが進むことも想像に難くありません。

日本の各地では、訪日中国人や在日中国人の増加による中国文化の広まりも見られています。今後は、ビジネス面でも中国式と併存していくことになるかもしれません。

社会の少数派である中国人の不動産所有には、ネガティブな印象が抱かれたり、実際行政や管理会社にとっては不都合が生じたりということもあるようです。

しかし、民泊はすでに一大マーケットを形成しており、今後も成長市場と考えられます。中国人の不動産投資としての民泊経営は、むしろ日本社会を活性化する一要素としてポジティブにとらえ、協力してくような姿勢が今後は重要なのではないでしょうか。


<参照>

星野リゾート:【星野リゾート】「星野リゾート OMO7 大阪新今宮」着工のお知らせ 着工日:2019年6月1日

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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