【新型コロナ】世界のマスク事情とその心理/日本は特別?うがい・入浴・傘にも違い

新型コロナウイルスの流行により、世界中でかつてないほど飛沫の存在が強く意識されるようになりました。公共の場でマスク着用を義務付けられている地域もあります。

新型コロナウイルスの各国での流行の程度については、ウイルスの型の違いや、日常生活での振る舞いなどをその理由として指摘する声もあります。

例えば、空気のそれほど汚れていない欧米圏では、そうではないアジアと比べて、マスクを着用して出歩く人はそれほど多くなかったといわれています。もともと欧米では、鼻や口をなにかで覆って過ごすことや人とコミュニケーションをとることに強い抵抗感があり、こうした意識も予防の行動に影響を与えたといわれています。

工業地帯が多く排気ガスを多く排出する乗り物が多く存在するアジア諸国では、日常的にマスクを着用している人が多く、これが感染拡大を防止する効果につながったとの見方もあります。

報道では世界各地で感染防止のためマスクを着用する人々の姿が伝えられ、日本だけでなく世界的にマスクが品薄になる事態も起こりました。

また、現在では「ご当地マスク」といえるようなデザインにこだわったマスクが世界中で売り出されているだけでなく、日本では気候に合わせ快適さを追い求めた商品、発話の機能性を重視したものなどが販売され世界の注目を集めています。

今回は、マスクを中心に各国の衛生観の違いについて紹介していきます。

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各国のマスク事情:着用のタイミングは?

新型コロナウイルスが流行する以前と、その流行後を比べると、マスク着用に対する人々の意識はどのように変化していったのでしょうか。

各国の「マスク事情」について紹介します。

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1. 中国

中国では、新型コロナウイルスの流行以前、2002~2003年にもSARSが流行しています。この時期に、医療用マスクの使用が市民の間にも広がりました。

また、大都市では大気汚染のピークとなる冬の時期にはマスクをつける市民が多くなっています。ただし、「白い医療用マスク=医者や病人がつけるもの」というイメージがあり、SARSや大気汚染などで必要な時以外はマスクを着用する姿はほとんど見られません。

最近では、中国の人気俳優や韓国アイドルの影響で、ファッションの一環として黒いマスクを着用する文化も若い人の間で流行っていました。

新型コロナウイルスの流行語は、公共交通機関やホテルショッピングモールなど人が多く集まる場所ではマスクの着用が義務付けられている場合も多くなっています。

2. 台湾

台湾では新型コロナウイルスが流行する以前、使い捨てのマスクは病人がつけるものと認識されていました。日本社会では風邪予防や花粉を避けるためマスクをしている人がいますが、こうした光景は驚きをもって受け止められていました。

一方、台湾では日常の交通手段としてバイクが多く用いられており、特に台湾西部の都市圏を中心に大気汚染が問題となっています。そのため、バイクを運転する際には再利用のできる布マスクを着用する人が多く存在します。

また、新型コロナウイルスの流行以前に一般家庭で備蓄されていたマスクも多くが布マスクでした。

現在では、公共交通機関に乗る際や多くの公共施設に立ち入る際にマスクの着用が義務づけられていることもあり、外出時にはほぼ全ての人がマスクをかけています。

使い捨てのマスクをつける人も多いですが、マスクは配給制で全ての人に行き渡るようになっているため、買い占めなどの問題は発生していません。

3. 韓国

韓国でのマスク着用は、風邪を引いた際に使い捨てのものを利用することが一般的でした。日本の習慣とそう大きく変わりません。

韓国でも2月末から新型コロナウイルス流行が拡大しており、この際国内ではマスク不足が起きています。

これを解決するため、3月にはマスクを購入できる曜日を設定する「マスク5部制」を国が開始しました。これにより店舗での購入制限も緩和されたといいます。

4. インド

インドでは新型コロナウイルスが流行する以前、普段の生活でマスクをつける人は少なく、流行後もマスクしている人はあまりいませんでした。

4月8日には、ムンバイ市が公共の場でのマスク着用を義務付けたことなどもあり、都市部ではマスクをしている人も増えましたが、経済規模や人口が小規模な村ではマスクを着用する人の数は少ないことが伝えられています。

インドでは布に余裕のある衣服(サリー)を着用する人も多いため、マスクを着用せずにサリーの裾や布を顔に巻くことで今回のウイルスの感染予防とする人もいます。

5. アメリカ

アメリカでは、マスクを着用して外出することを神経質過ぎると捉える人も少なくありません。

新型コロナウイルスの流行前は普段からマスクを着用している人はほとんどおらず、マスクにより衛生が保たれることについてイメージできない人がほとんどであったようです。

新型コロナウイルスの流行語にアメリカ・ABCテレビが行った世論調査では、4月8日から9日にかけて先週外出したと答えた512人のうち、55%がマスクなどを着けたと回答していますが、こうした数字からも日本のマスクに対する意識とは大きな乖離があることがうかがえます。

アメリカの疾病対策センター(CDC)は「具合が悪くなくても、他人にウイルスを移す可能性があり、外出する際には全員が布で顔を覆うように」と発信しています。

アメリカでは感染拡大と大きな経済的被害が起きています。こうした出来事を背景に、今後もマスク着用に対する意識が以前とは大きく変わるかもしれません。

6. イタリア

イタリアでは新型コロナウイルス流行以前、普段から予防のためにマスクをつけるという習慣はなく、マスクをつけている人はどこか具合が悪いと捉えられ、こうした人には近寄りたくないと考える人も少なくありませんでした。

新型コロナウイルスの流行が始まり、イタリアでも地域によっては、外出時には症状の有無にかかわらず顔を覆わなくてはならないというルールが制定されました。

また、マスクを付けない人に対して非難がましい視線が注がれる地域もあったといいます。

7. ドイツ

ドイツでも、新型コロナウイルス流行以前には、マスクをしている人は重病人、医者、あるいは常識はずれな人と認識されていました。

こうした中で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ドイツの16の州政府は4月22日までに、独自の判断としてマスク着用の義務付けを決定しています。

国境封鎖の緩和が伝えられているドイツですが、今回の新型コロナウイルスの感染者数は世界でも多い部類となっており、今後もしばらくはマスクの着用に対して、以前とは異なる意識で捉えられていくことも考えられます。

8. フランス

フランスでもそのほかの欧州の国同様、一般的にはマスクは病人がつけるもの捉えられてきました。

フランスの感染者数は14万人超と、5月中旬現在ドイツの17万人超よりは少ないものの、死亡者数では2万7,000人と、世界でも被害の甚大なスペインにせまる勢いです。医療界をはじめ、マスクの効用に注目が集まっています。

これまでフランスであまりマスクが日常的に着用されていなかった理由の一つに、マスク着用によって顔や表情を隠したり隠され生まれる不信感や不安感の大きさが指摘されています。

フランスでは現在公共交通機関を利用する際のマスクの着用が義務付けられています。こうしたルールにより、これまで通りの快適なコミュニケーション感覚が損なわれることが考えられます。こうした感覚を補償するための、新たな様式を備えたサービスやアイテムが、今後フランスでは求められるかもしれません。

世界の衛生観:マスク以外の生活習慣

以上、マスクの着用についての各国の意識の違いについて紹介してきました。

マスクの着用以外にも、衛生を保つための習慣や感覚には、地域によって違いがあります。

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手洗いうがい

外出先から家に帰ってきたら手洗いうがいをするというのは日本では当たり前の習慣ですが、欧米諸国では聞き慣れない習慣です。特に、水道水でうがいをするという行為は定着していません。アメリカではうがい薬自体もほとんど売られていないといいます。

うがい文化が定着しない背景には、水道水の安全性があります。水道水がそのまま飲めるのは世界的に見ると特殊なことで、水道水をそのまま飲んでも問題ない国は世界で僅か8か国です(2018年調査)。

そのほかの国では、ミネラルウォーターやろ過した水でなければ、口にした場合に体調を崩す可能性があります。

こうした地域では、水を口に入れることの心理的ハードルも高くなると考えられ、感染予防のために水でのどをすすぐ回数も自然と減ると考えられます。

水資源の安全性に関するTwitter投稿
▲国土交通省のTwitterより:編集部スクリーンショット

Twitter:国土交通省の投稿(https://twitter.com/MLIT_JAPAN/status/1030366103082389504?ref_src=twsrc%5Etfw)


入浴習慣

日本と海外で大きく異なる衛生習慣の一つが、入浴です。

体の清潔を保つことを目的として、湯や水で体の汚れを落とすことはどの国でもされていることですが、日本では湯船に入ることも一般的です。

体の衛生を保つだけでなく、肉体的、精神的に疲れを癒すことや、体を温めることによる健康促進なども、日本の入浴習慣の目的となっています。

反対に日本以外では、例えば便座の横にシャワーが設置されているだけだったり、浴槽を洗い場として利用する形態だったりといった住居が存在します。

浴槽があっても、一人ひとりが湯を張り、利用後流すことが一般的である海外では、ためた湯を使いまわす日本人の習慣に違和感を抱く場合もあるようです。

入浴には多くの水が必要であり、水が豊富にある国とない国で、習慣にも違いが生まれます。湿度が低く乾燥しているなど、自然環境により体や頭髪を洗う必要性をあまり感じないケースもあります。

また、インドのガンジス川で行われる沐浴のように、宗教的な意味を含めて行われるものもあります。

こうした習慣の違いが、居宅へのウイルスの持ち込み、広がりに影響する可能性もあるでしょう。

傘は風雨から衣服や体を守り、粉塵や水汚れ、太陽光による皮膚への刺激を防ぎます。

傘をさすかどうか、風雨や日光をなにで遮るかという判断も、国によって差異があります。日本以外の社会では、傘をさすことは珍しい行為ととらえられることも少なくありません。

欧州では小雨のときは傘をささず、フードでしのぐ人が多数派のようです。 特にイギリスは一日の中で天気が変わりやすく、雨が降る時間も10分から20分程度ということがよくあるため、そのままやり過ごすことが一般的です。

ドイツでは小麦色の肌がもてはやされる文化であり、日常では日傘をさす女性はあまり多くありません。

一方、アジア南部の熱帯に位置する台湾では、雨期がありスコールも珍しくありません。現地の生活でこうした天候には傘が必須となりますが、多少の雨では傘をささない人も多く見かけます。

同じくアジア南部かつ熱帯のシンガポールの場合、都市部では地下道や屋根付きの歩道が多く、雨が降っても傘をさす必要がないという場所が多く見受けられます。

また、北欧のノルウェーでは、傘よりレインコートを着用することが主流となっています。北欧では雨と共に強い風が吹くことも多いため、傘が役に立たないという事情も関係しています。

世界のマスク事情からインバウンド業界が学べること

マスク着用に対する考え方や実践には、日本の感覚を基準にすれば信じられないと思うようなことでも、その国や土地では当然のこととして受け入れられています。こうした異文化の「感覚」を想像する力が、これからの観光立国には必要になってくると言えるでしょう。

同時に、訪日外国人観光客に日本の基準をすべて合わせてしまえば、海外から来た人にとって「日本らしさ」や「異文化体験」を感じることができなくなってしまう可能性にも想像を巡らせるべきでしょう。

日本と海外の文化の違いを理解しながら、日本そのものを楽しんでもらうサービスや商品は何であるのか、新型コロナウイルスの流行で日常の一つとなった「マスク」を例に考えてみるとよいかもしれません。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!