WeChat(微信/Weixin)広告を徹底解説|広告の種類や費用、メリットを紹介

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WeChat微信/Weixin 以下:WeChat)とはテンセント(騰訊)が運営する、オンライン上でコミュニケーションができる無料メッセージアプリです。

中国版のLINEとFacebookをかけ合わせたアプリで、電子決済機能「WeChat Pay」も搭載します。

そのため、WeChatの機能はコミュニケーションだけにとどまらず、商品の購入や公共料金の支払もできます。

また、テンセントは2016年に、ミニプログラムというWeChat内部で起動することができ、インストール不要の軽量アプリサービスを開始しました。

ミニプログラムはアプリと比較するとわかりやすく、インストールが不要なため、ユーザーが端末データの容量やアップデートを気にせず利用できます。

WeChatは、Weiboなどと並び中国で人気のSNSの1つであり、中国人の生活にかかせないWeChatやミニプログラムに対する広告出稿は、訪日中国人をターゲットとしている日本企業から効果的なプロモーション手法として注目されつつあります。

本記事では、WeChatで広告出稿をする際の種類や費用、メリットを紹介します。

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WeChat (微信/Weixin)の広告は3種類

WeChatの広告に、

  • 朋友圈广告(モーメンツ広告):モーメンツという友人の投稿を閲覧する場所に表示されます。
  • 公众号广告(公式アカウント広告):WeChatの公式アカウントページ上に掲載されます。
  • 小程序广告(ミニプログラム広告):WeChat内で利用できるアプリケーション上に表示されます。

の3種類の配信先にわかれており、広告の種類ごとに異なる掲載面で宣伝ができます。

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朋友圈广告(モーメンツ広告)

WeChatではFacebookのニュースフィードやLINEのタイムラインと同様にWeChatのモーメンツで友人の近況を確認できる仕様となっており、朋友圈广告(モーメンツ広告)に出稿するとそのモーメンツ上に広告を表示できます。

広告にはプロフィール画像、名称、訴求テキスト、リンクなどを挿入できます。

具体的には、ブランド活動の宣伝、ストアの宣伝、アプリの宣伝、クーポンの配布、公式アカウントの宣伝、見込み顧客の獲得、商品の宣伝、ミニゲームの宣伝などに活用できます。

朋友圈广告(モーメンツ広告)には9種類の広告の種類があります。

1. 常规式广告(一般投稿広告)

この広告では、モーメンツ上に知り合いの投稿と同じ形式で、ナチュラルに広告を配信できます。

製作方法も簡単で、文字や画像、動画などを自由に配置してユーザーにアプローチできます。

2. 基础式卡片广告(一般カード広告)

画像と文字で構成されるカード形式で広告を配信できます。

カード形式の広告は、カードをタップすることで自社のサイトやミニプログラムなどのページに簡単に移動できるため、ユーザーからのアクションを得やすい広告であることが特徴です。

3. 标签式卡片广告(タグカード広告)

カード広告に、タグを設定できる広告です。

タグを設定することで、そのタグを検索したユーザーや、タグに関心度の高いユーザーなどに広告が届く可能性が高くなり、よりターゲットをしぼったアプローチが可能です。

4. 行动式卡片广告(アクションカード広告)

カードに「クーポンをゲット」などの単一ボタンを配置することによって、ユーザーに対してアクションを促します。

5. 选择式卡片广告(選択式カード広告)

カード形式にユーザーが選択できる2つのオプションボタンを配置するタイプの広告です。

ユーザーの興味を集めアクションを促すことで、エンゲージメントを高めることも可能です。

6. 全幅式卡片广告(全幅カード広告)

通常のカード形式より大きく表示することで広告がユーザーの目に留まりやすくなり、自社の商品やサービスをより大きくアピールできます。

7. 全景式卡片广告(360度カード広告)

カード広告に表示する写真をスワイプして360度見渡せる広告です。

ユーザーが写真を動かし、全方位から商品や場所を見られるだけでなく、右上に360度のマークがついていることによってユーザーの興味をひき、広告を目立たせることも可能です。

8. 滑动式卡片广告(スワイプカード広告)

カード内の画像にスワイプできる場所を作っておくことで、ユーザーの興味を引き、広告へのエンゲージメントを高められる広告です。

9. 长按式卡片广告(長押しカード広告)

カードを長押しすることで、モーメンツ内に動くエフェクトを出せるようになっている広告です。

大きなアクションが生まれることでユーザーの注目を集められるだけでなく、商品の魅力をより伝えられるという効果があります。

公众号广告(公式アカウント広告)

公众号广告(公式アカウント広告)に出稿すると、5万人以上のフォロワーを持ち広告の出稿を許可している企業の公式アカウントの記事下部や中央に、記事コンテンツと類似する形式でバナー広告を配信できます。

広告を出稿できる位置は5つあります。

1. 文章底部广告(記事の下部に掲載)

記事の一番最後に広告を掲載する方法です。画像や動画は16:9のバナー形式で表示できます。

2. 公众号文中广告(記事の中央に掲載)

記事の中央に広告を掲載する方法です。ページ下部に掲載するときと同様、16:9のイメージ写真を表示できます。

記事の中央に表示される広告は公式アカウントの記事内容との関連があるものが多いため、広告から自社ページへの転化率が高くなると考えられます。 

3. 公众号互选广告(相互選択広告)

広告主と掲載する公式アカウントが、互いを選択できる広告です。

4. 公众号文章视频贴片广告(動画広告)

公式アカウントの記事内に6〜15秒の動画広告を掲載できる広告です。ユーザーがWi-Fi環境か4G環境下にある場合のみ再生されます。

5. 返佣商品CPS广告(成果報酬型広告)

広告経由の会員登録、商品の購入など広告主が設定したコンバージョンが達成された場合に、広告料金の支払いが発生する広告です。

小程序广告(ミニプログラム広告)

小程序广告(ミニプログラム広告)とは、WeChatのミニプログラム上に広告を配信できる手法です。

WeChatミニプログラムとは、WeChat内で機能するアプリケーションプログラムのことで、「アプリの中で利用できるアプリ」です。

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小程序广告(ミニプログラム広告)には4つの種類があります。

1. 小程序Banner广告(バナー広告)

公式アカウントの記事下部への広告と同様の形の一般的なバナー広告で、ミニプログラムが並ぶ中に表示されます。

2. 小程序激励式广告(インセンティブ広告)

ミニプログラムやミニプログラム内のゲーム内で動画が再生される広告です。

3. 小程序插屏广告(インタースティシャル広告)

ミニプログラム内でポップアップで表示される広告です。

4. 小程序格子广告(グリッド広告)

ミニプログラムやミニプログラムのゲーム内に表示される広告です。四角い枠で囲まれた状態で表示されます。

バナー広告やグリッド広告では、各ミニプログラムの特性に合わせて表示ページや場所を柔軟に設定できます。

なお、バナー広告の一般的な表示場所は、記事のページの下部、詳細ページ、フィードの上部やフィード内などあります。

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WeChat広告を導入するメリットとは?

WeChat広告を利用する最大のメリットは、WeChatが保有する月間アクティブユーザー約12億人にリーチできる機会を得られることです。

掲載面や広告形式も多様なことから、商品やサービスに応じて的確な表示の仕方を実現できます。

膨大な数のユーザーに向けて配信できる

WeChatを運営するテンセントの2020年第1四半期財務報告のユーザーデータによると、全世界におけるWeChatのMAU(月間アクティブユーザー数)は、前年同期と比べ8.2%上昇し12億250万人に達しました。

WeChat広告を利用することで、WeChatが保有する膨大なユーザーにリーチでき、その中からターゲットユーザーを絞り、より効果的な広告配信が可能となります。

日本航空を例としてあげると、訪日中国人に交通手段として日本航空を選んでもらえるようWeChat内で広告を配信したところ、累計200万人以上のユーザーにリーチできました。

WeChatからそのまま購入へ誘導できる

WeChat電子決済機能の「WeChat Pay」がついており、さらにWeChatt内で利用できるミニプログラムもあるため、WeChat広告をタップしたユーザーは別のサイトやアプリに遷移しなくても、WeChat内で商品の購入ページに移動し、決済までを行うことが可能です。

こうした商品を認知してから購入するまで一つのアプリで完結できる手軽さにより、WeChatに広告を出すことは、ユーザーの消費行動のきっかけとなる効果が期待できます。

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かかる費用・出稿方法・注意点を解説

WeChatで広告を配信する場合、WeChat公式アカウントとミニプログラムの開設をすれば、およそ1万5千円から出稿できます。

掲載面や広告手法に応じて金額が異なるので、予算や商材によって適切な出稿方法を選択する必要があります。

費用はどれくらいかかる?

出稿費用は、広告の課金方法によって異なります。

課金方法は、スケジュール式・オークション式・クリックオークション式の三種類があります。

1. スケジュール式

スケジュール式の広告掲載は、日本の広告モデルでいう純広告に近く、特定の期間に特定の場所に広告を掲載する方法です。

料金はインプレッション数(広告表示回数)に基づき、地域や掲載面によって決められています。

モーメンツ広告、公式アカウント記事の下部と中央への広告、公式アカウント記事への動画広告、ミニプログラムのバナー広告、インタースティシャル広告に適用されます。


広告形式 最低金額 値段 広告掲載期間
モーメンツ広告 5万元(約76万円)/1回

動画広告

  • 核心都市:180元(約2700円)/1000インプレッション 
  • 重要都市:120元(約1800円)/1000インプレッション 
  • その他の都市:60元(約900円)/1000インプレッション

写真広告

  • 核心都市:150元(約2300円)/1000インプレッション
  • 重要都市:100元(約1500円)/1000インプレッション
  • その他の都市:50元(約760円)/1000インプレッション

開始時間:1~28日

持続時間:12時間~6日

公式アカウント記事下部への広告

1000元(約1万5,000円)/1回

動画広告

  • 核心都市:40元(約610円)/1000インプレッション
  • 重要都市:35元(約530円)/1000インプレッション
  • その他の都市:30元(約460円)/1000インプレッション

写真広告 

  • 核心都市:35元(約530円)/1000インプレッション
  • 重要都市:30元(約460円)/1000インプレッション
  • その他の都市:25元(約380円)/1000インプレッション

開始時間:1~28日

持続時間:12時間~6日

公式アカウント記事中央への広告

1000元(約1万5,000円)/1回

  • 核心都市:25元(約380円)/1000インプレッション
  • 重要都市:20元(約300円)/1000インプレッション
  • その他の都市:15元(約230円)/1000インプレッション

開始時間:1~28日

持続時間:12時間~6日

公式アカウント記事動画広告

1000元(約1万5,000円)/1回

  • 核心都市:25元(約380円)/1000インプレッション
  • 重要都市:20元(約300円)/1000インプレッション
  • その他の都市:15元(約230円)/1000インプレッション

開始時間:1~28日

持続時間:12時間~6日

ミニプログラムバナー広告

1000元(約1万5,000円)/1回

  • 核心都市:25元(約380円)/1000インプレッション
  • 重要都市:20元(約300円)/1000インプレッション
  • その他の都市:15元(約230円)/1000インプレッション

開始時間:1~28日

持続時間:12時間~6日

ミニプログラムインタースティシャル広告

1000元(約1万5,000円)/1回

  • 核心都市:35元(約530円)/1000インプレッション
  • 重要都市:30元(約460円)/1000インプレッション
  • その他の都市:25元(約380円)/1000インプレッション

開始時間:1~28日

持続時間:12時間~6日

WeChat公式サイトより、訪日ラボ編集部作成

2. オークション式

オークション式の広告形式は、ターゲットユーザーや広告時間に基づいて柔軟にCPM(1,000回あたりの広告表示金額)単価を設定し配信する方法です。

CPMは地域によって金額が変わるほか競合他社の入札額や配信面によっても異なります。

モーメンツ広告、公式アカウント記事の下部への広告、公式アカウント記事への動画広告、ミニプログラムのインプレッション広告、インタースティシャル広告に適用されます。

広告形式 最低金額 値段 広告掲載期間
モーメンツ広告

1000元(約1万5,000円)/1日

  • 核心都市:100~600元(約1500~9200円)/1000インプレッション
  • 重要都市:60~400元(約920~6100円)/1000インプレッション
  • その他の都市:30~400元(約460~6100円)/1000インプレッション

開始時間:最短当日

持続時間:6時間~60日

公式アカウント記事下部への広告

50元(約760円)/1日

20~200元(約300~3000円)/1000インプレッション

開始時間:最短当日

持続時間:12時間~

公式アカウント記事動画広告

200元(約3000円)/1日

10~200元(約150~3000円)/1000インプレッション

開始時間:最短当日

持続時間:12時間~

ミニプログラムインセンティブ広告

1000元(約1万5,000円)/1日

  • 核心都市:50~200元(約760~3000円)/1000インプレッション
  • 重要都市:40~200元(約610~3000円)/1000インプレッション
  • その他の都市:30~200元(約460~3000円)/1000インプレッション

開始時間:最短当日

持続時間:12時間~

ミニプログラムインタースティシャル広告

200元(約3000円)/1日

10~200元(約150~3000円)/1000インプレッション

開始時間:最短当日

持続時間:12時間~

WeChat公式サイトより、訪日ラボ編集部作成

3.クリックオークション式

クリックオークション式の掲載広告は、クリック単位で課金がなされる方法です。

公式アカウント記事下部と中央への広告、ミニプログラムのバナー広告に適用されます。


広告形式 最低金額 値段 広告掲載期間
公式アカウント記事下部への広告

50元(約760円)/1日

0.5元(約8円)/1クリック

開始時間:最短当日

持続時間:12時間~

公式アカウント記事中央への広告

50元(約760円)/1日

0.5元(約8円)/1クリック

開始時間:最短当日

持続時間:12時間~

ミニプログラムのバナー広告

50元(約760円)/1日

0.5元(約8円)/1クリック

開始時間:最短当日

持続時間:12時間~

WeChat公式サイトより、訪日ラボ編集部作成

WeChat広告では、核心都市は北京と上海、重要都市は、広州・成都・深圳・杭州・武漢・蘇州・重慶・南京・天津・西安・沈陽・長沙・青島・寧波・鄭州・大連・厦門・済南・ハルビン・福州などの20の都市にしています。その他の都市は、上記22の都市以外のところを指しています。

出稿方法

出稿方法には4つの段階があります。

1.配信計画の設計

広告を出稿するにあたって、ブランド活動の促進、ストアの宣伝など8種類のなかから、目標を設定します。

目標が決定したら、モーメンツや公式アカウント記事など、どの掲載面に出稿するかを決定します。設定した目標に応じて最適な掲載面が異なるため、公式サイトなどを参考に出稿する場所を決める必要があります。

次に、購入方法をスケジュール式・オークション式・クリックオークション式の中から選択し、完成した計画に名前をつけて保存します。

2.広告手法の設計

地域、性別、年齢、興味などのタグに応じて、ターゲットユーザーを選択します。

次に、広告を掲載する期間を決定し、予算を算出します。そして、完成した広告に名前を付けます。

3.クリエイティブの設定

選択した広告の形式に応じて、必要な情報を加えます。

4.広告をプレビューして申請を行う

設定が完了したら広告をプレビューし、問題なければ広告プランを申請します。申請が通ると設計した計画の通りに広告の配信がスタートします。

広告出稿の注意点

実際にWeChatに広告を出稿する際は、WeChat公式アカウントやミニプログラムを開設しWeChatの認証を得たうえで「広告主」として広告出稿を申請をする必要があります。

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また、公式サイトには国外企業の出稿の可否を掲載されていないですが、「広告主」の申請には中国現地法人や中国国内の電話番号などが必要であり、これらを持たない場合は、中国現地法人などを通して代理申請を行うことや、WeChatの日本代理店を通じて行うことになります。

多様なWeChat広告種類:シーン別に広告の形式を変えて集客できる

WeChat広告には朋友圈广告(モーメンツ広告)、公众号广告(公式アカウント広告)、小程序广告(ミニプログラム広告)といった種類があり、さらにそれぞれの広告で複数の形式を選択できるため、商材やサービスに応じて検討できる広告手法のバリエーションが豊富です。

料金は、スケージュール式・オークション式・クリックオークション式によって決められており、インプレッション数やクリック数に基づいて、値段が変動します。また、地域や掲載面によっても料金が変化するため注意が必要です。

WeChat広告は、広告目標や掲載面、購入方法などを設計し申請することで出稿できます。しかし、広告の出稿は中国現地法人のみが可能となっているため、代理店を通して申請する必要があります。

WeChat広告を活用することで、日頃サービスを利用する多くの中国人ユーザにリーチできるため、訪日中国人向けのマーケティング手段の一つとして期待できるでしょう。

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<参考>

36KrJapan:テンセント1Q決算、2ケタ増収を維持 WeChatのMAUは12億人超

微信广告:朋友圈广告

微信广告:公众号广告

微信广告:小程序广告

微信广告:广告创建流程

微信广告:售卖策略

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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