グランピングとは、”Glamorous(グラマラス)”と”Camping(キャンピング)”を組み合わせた造語で、用具を準備する必要がなく、豪華かつ快適にキャンプの醍醐味を楽しめる宿泊スタイルを指します。
グランピング施設では、テントや調理器具、食材、各種アメニティなど、現地でのアクティビティや宿泊に必要なものがすべて用意されているため、宿泊者は手ぶらで施設を訪れることができます。アウトドア初心者でも気軽に楽しめる点も、グランピングの魅力のひとつです。
さらにウィズコロナの時代において、グランピングは「3密」を回避できるアウトドアアクティビティとして、世界中で注目されています。
この記事では、グランピングの概要と歴史、人気の理由、日本国内の人気グランピング施設を紹介します。
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グランピングとは?
グランピングとは「魅力的なキャンプ」を表す、”Glamorous(グラマラス)”と”Camping(キャンピング)”を組み合わせた造語です。
2005年頃には既にイギリスでグランピングという言葉が使用されており、欧米で人気を博した後に日本へ入ってきました。
日本におけるグランピングの歴史は約10年ほどですが、近年では全国各地にグランピング施設がオープンしており、話題となっています。
以下では、グランピングの概要、歴史、グランピングが満たすべき条件を紹介します。
快適なキャンプが楽しめる
キャンプでは多くの場合、テントやランタンなどのキャンプ用品、食材などを自ら準備して持ち寄りますが、グランピングでは必要なものをあらかじめ用意してくれます。
施設によっては、テント泊のほか、シャワー・トイレ完備のコテージやトレーラーハウスなどに宿泊できるところもあります。
また、テント内にエアコンが設置されていたり、敷地内に温泉、アスレチック場が併設されていたりと、通常のキャンプに比べて快適に過ごしやすい環境が整えられている点が最大の特徴です。
日本では2015年ごろから人気に
グランピングの歴史をさかのぼると、2005年にインターネット上で「グランピング」と検索されていることが確認できます。
これがグランピングという単語の誕生で、イギリスでの検索が記録されています。
その後は欧米を中心に人気が高まり、2010年頃になると日本でもグランピングが知られるようになりました。
2015年頃には、日本国内にもグランピング施設がオープンし、全国的なブームのきっかけとなっています。
その後、全国各地にグランピング施設が生まれるとともにマスメディアでの紹介や口コミを通じて、グランピングは新たなキャンプスタイルとして話題となり、現在の人気につながっています。
グランピングの条件
グランピングに正式な定義はありませんが、キャンプの醍醐味を享受でき、キャンプの問題点を解消できる必要があります。
海外では、この2点がグランピングの主な要件とされており、それぞれにいくつかの細かい条件が内包されています。
キャンプの醍醐味を享受するという点では、すばらしいアウトドア環境にアクセスできること、テントに雨音を感じられること、家族や気ごころの知れた仲間たちと時間を過ごせることなどが挙げられています。
キャンプの問題点を解消できる点では、キャンプ用品を用意せずに楽しめること、でこぼこの地面ではなく快適な寝具の上で眠れること、寒すぎたり暑すぎたりしないよう温度調節ができることなどの条件を満たしていなければいけません。
コロナ禍でグランピングが流行している理由
グランピングそのものは新しい概念ではありませんが、コロナ禍において「3密」を避けて楽しめるアウトドアアクティビティとして、日本のみならず世界中に人気が拡大しています。
都会の喧騒を離れて大自然を満喫できる点や、キャンプの経験がない人でも気軽に楽しめる点が人気を後押ししているようです。
以下では、グランピングの魅力を紹介します。
グランピングは「3密」を回避できる
新型コロナウイルスの流行以降、「3密」を避けて自然を満喫できるアウトドアが注目されています。
ホテルや旅館では、ロビー、廊下、大浴場、食堂などの共用部で他人との接触を避けることは難しいですが、大自然の中でのグランピングは基本的にオープンスペースであることに加えて、食事や入浴はプライベートスペースで行います。
キャンプ用品の準備やテントの設営などが必要なく、手間のかからないアクティビティとしてだけでなく、感染症対策に取り組みつつ楽しめるアクティビティとしても支持されています。
新型コロナウイルスの影響で観光業界が冷え込んでいる一方、世界各国では「グランピング」がホットワードになりました。
Googleトレンドでは、アメリカにおける検索キーワード「Glamping」の2020年夏休みの人気度は2019年の同シーズンと比べると、大きく増えたことがわかりました。日本においても同じ傾向が見られます。
![▲[アメリカにおける「Glamping」検索キーワードの人気動向]:訪日ラボ編集部調査 ▲[アメリカにおける「Glamping」検索キーワードの人気動向]:訪日ラボ編集部調査](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7925/main_da2ce29ba85dc931708374df14008d13.png?auto=format)
![▲[日本における「グランピング」検索キーワードの人気動向]:訪日ラボ編集部調査 ▲[日本における「グランピング」検索キーワードの人気動向]:訪日ラボ編集部調査](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7926/main_d47a81f1525e9c0eb2ea161728cf600f.png?auto=format)
こうしたグランピングブームのなか、稼働率が9割以上を維持しつづけるグランピング施設や、予約の空き枠がなく数か月待ちのグランピング施設があります。
キャンプ初心者でもグランピングなら気軽に楽しめる
キャンプの経験がない人でも気軽に楽しめる点もグランピングの魅力です。
キャンプの場合、テントの設営や慣れない調理器具での自炊など、初心者にとってハードルが高い面が多くあります。
一方、グランピングであれば面倒な作業なしで、その土地ならではの食材を用いた料理、薪ストーブやダッチオーブンを備えた非日常的な空間など、さまざまなキャンプの醍醐味を味わうことができます。
キャンプの問題点を解消したグランピングは、ライト層が気軽に楽しめるアクティビティとして人気となっています。
グランピングで人気の3施設を紹介、人気の理由は
現在グランピング施設は日本全国各地にありますが、人気がある施設にはいくつかの共通点があります。
豊富な設備や用具、海や山があり恵まれた周辺環境、ゆったり過ごせるプライベートな空間は、多くの人気施設に共通するポイントです。
以下では、人気のグランピング施設とその理由を紹介します。
1.静岡県:UFUFU VILLAGE
UFUFU VILLAGEは、静岡県伊豆市の中伊豆に位置するグランピング施設です。
アメニティや食器、カトラリーなどの生活用品が一式そろっており、手ぶらでグランピングを楽しめる点が人気の理由です。
宿泊場所はテントサイト、キャンピングトレーラーサイトから選択でき、いずれもWi-Fi、エアコン、シャワーを完備しています。2019年4月には新たにペット同伴サイトが追加され、天然芝のドッグランも併設されています。
シャワーのほか、敷地内には源泉かけ流しの天然温泉が備えられており、宿泊者は温泉地・伊豆の名湯を満喫できます。
家族や友人たちとプライベート空間を楽しみたい場合には、敷地内に3か所ある貸切風呂も利用可能で、グランピングに必要な「キャンプ用品を用意せずに楽しめること」や「家族や気ごころの知れた仲間たちと時間を過ごせること」などの条件を満たしたグランピング施設です。
2.大分県:Sense of wonder 由布岳山麓グランピング・リゾート
Sense of wonder 由布岳山麓グランピング・リゾートは、大分県由布市のグランピング施設です。
セパレート式のバストイレや薪ストーブを完備したキャビンと、ゆったりくつろげる広さのティーピーテントがワンセットになっており、由布岳のふもとでグランピングができます。
大自然の中でバーベキュー、バードウォッチング、サイクリング、キャンプファイヤーを楽しむことができ、湯布院野菜や地鶏など、地元の食材を使用したコース料理を提供するサービスも用意されています。
大自然を感じながら様々なアクティビティを楽しみ、キャンプの醍醐味を享受できるというグランピングの魅力が詰まった施設です。
3.山梨県:星のや富士
全国各地にリゾート施設を展開する星野グループが運営しており、日本初のグランピングリゾートといわれています。
すべての客室がレイクビューとなっており、季節とともに移り変わる自然を眺められるだけでなく、「早朝カヌー」、「山麓乗馬」、「樹海ネイチャーツアー」、「星空ツアー」など、季節ごとにさまざまなイベントを実施しており、宿泊者はアクティビティを通して四季を感じられます。
また、アウトドア料理をラグジュアリーに楽しむというコンセプトのもと、キャンプ料理ではなくフレンチのエッセンスを加えたジビエ料理を提供している点も星のや富士の特徴です。
フレンチなど豪華な料理や、季節の景色を楽しめる点では、まさに「グラマラスなキャンピング」と呼ぶにふさわしいグランピング施設といえるでしょう。
コロナ禍でも3密回避で非日常を味わえるグランピングに注目が
手ぶらで気軽にキャンプ気分を味わえるグランピングは、コロナ禍で「3密」を避けつつ楽しめるアウトドアとして人気となっています。
さまざまな用具や準備が必要になるキャンプとは異なり、グランピングは施設が用意したテントやキャビンを利用して優雅な時間を過ごせます。
テントの設営や自然の中での調理など、初心者にとってハードルの高い作業が必要なく、大自然の中で非日常的な体験ができる点はグランピングの特徴です。
中には、敷地内に天然温泉やドッグランが併設されていたり、季節に合わせたアクティビティを用意していたりする施設もあり、今後はさらに注目の宿泊スタイルとなるでしょう。
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<参考>
一般社団法人 日本グランピング協会:グランピングとは
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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