各国で「日本路線再開」の動き:世界17ヶ国 航空便増減まとめ【12月】

新型コロナウイルスの影響で、世界各国の航空会社では運休や減便が相次いでいます。

さらに、感染力の強い新型コロナウイルス変異株が発見されたことで、世界各地でイギリスや南アフリカなどからの渡航を制限する動きが広がりました。

日本政府は12月28日から、全世界からの外国人の新規入国を停止し、香港やインドなどのアジア地域のほか、欧州諸国や中欧諸国もイギリスからの入国禁止に踏み切りました。

一方で世界各地の航空会社が、日本路線などの運航再開を相次いで決定するなど、旅行需要の回復の兆しも見られています。

この記事では、各国の航空会社の動きをまとめます。

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【アジア】国内線は減便相次ぐも、韓国や香港で日本路線再開

日本国内では国内線の減便が相次いでいますが、JALが3月から北米方面全地点への運航を再開する予定など、国際線の回復傾向も見られています。

韓国のアシアナ航空や、香港の香港航空も、日本の一部路線の再開を発表しています。

東アジアの状況を紹介します。

日本国内

日本国内では、国内線で減便が相次いでいます。

ジェットスター・ジャパンは、2021年1月1日~31日の国内線12路線、370便で減便を追加し、1月の減便数は1,203便となり、減便率は49.4%に拡大しました。

全日本空輸(ANA)は、国内線で12月25日~31日の23路線340便と、1月1日~6日までの27路線235便の計575便を減便し、12月25日~1月3日までの年末年始期間中は前年比86%、計画比93%で運航します。

また日本航空(JAL)は、2021年2月1日~4月15日の国際線の運航計画を発表しました。

3月1日から、東京/羽田〜サンフランシスコ線、東京/成田〜サンディエゴ・シアトル線の運航を再開し、北米方面は全地点への運航を再開するほか、東京/羽田〜ロンドン線を増便し、3月5日以降は毎日運航します。

期間中の減便対象路線は58路線で、減便数は7,926便となり、減便率は2月が79%、3月が74%、4月が72%にそれぞれ縮小します。

変異株の新型コロナウイルスがイギリスなどで確認されたことを受けて、日本政府は12月28日から全世界からの外国人の新規入国を停止しました。

ANAとJALは、同時点では国際線の追加減便や運休は検討せず、堅調な国際貨物需要や、日本人の帰国や赴任といった需要を鑑みて、今後の動向を見ながら運航計画を検討していくとしました。

韓国

アシアナ航空は、札幌/千歳〜ソウル/仁川線の運航を再開し、2021年2月5日・15日に運航します。

3月9日の運航停止以来、約11ヶ月ぶりの運航再開で、アシアナ航空の日本路線は、東京/成田・名古屋/中部・大阪/関西・福岡〜ソウル/仁川線と合わせ5路線に拡大します。

12月2日、韓国のLCC、ティーウェイ航空は、3月から運休していた仁川~福岡線の運航を5日から週1往復で再開すると発表しました。

11月には仁川~関西線と仁川~成田線の運航も再開しており、成田・関西の各空港では、両路線の搭乗客を対象とした無料シャトルバスも運行しています。

さらにティーウェイ航空は、初のワイドボディ機となるA330-300型機を3機導入し、中長距離路線に進出する計画であることも分かりました。

初号機の導入は2021年末になる予定で、ビジネスクラスとエコノミークラスの2クラス制を採用することで、ビジネス利用も取り込む考えです。現時点で想定されている路線は、ソウル/仁川~シドニー、ホノルル、クロアチア、シンガポール、クアラルンプールとされています。

中国

12月24日、中国外務省は、新型コロナウイルスの変異株発生を受け、イギリス発着の直行便の運航を無期限停止とすると表明しました。

中国本土とイギリスの間の直行便は週8便で、中国東方航空、中国国際航空、中国南方航空などが運航していました。

また12月28日、中国東方航空子会社である一二三航空(OTTエアラインズ)は、上海/虹橋〜北京/首都線で運航を開始しました。

2021年3月にかけ、上海から南昌、合肥、温州への路線を開設することも予定しています。

一二三航空は、中国本土での自国開発のジェット旅客機による優れた飛行体験の提供を目的とし、中国東方航空が2月に設立していた航空会社です。

現在は中国国産旅客機のARJ21-700型機を保有しており、2025年までに35機体制を予定しています。

香港

香港航空は、11月13日から再開を予定していたものの延期していた、東京/成田〜香港線の運航を12月4日から再開すると発表しました。

金曜の週1便で、エアバスA330-300型機で運航します。

また12月25日、香港当局は、中国本土以外からの入境者の強制隔離期間について、14日間から21日間に延ばし、過去21日間に南アフリカに滞在歴のある人の渡航を禁止すると発表しました。

新型コロナウイルス変異株の拡大を防ぐためで、当局は21日からイギリスからの航空便の受け入れを停止していました。

【東南アジア】タイ、シンガポール、フィリピンなどで日本路線再開・増便、シンガポールで新アプリ

東南アジアでは、タイ国際航空やシンガポール航空が日本路線の定期便を再開するほか、フィリピン航空が日本路線を増便するなど、日本路線強化の動きがみられました。

またシンガポールでは、新型コロナウイルス管理のための新しいモバイルアプリもリリースされています。

東南アジアの運航状況を紹介します。

タイ

タイ国際航空は、2021年1月から日本2路線の定期便を再開する予定です。

いずれもバンコク発着で、1月1日に再開する成田線が週3往復、1月9日に再開する関西線は週1往復で運航されます。

このほか国際線では、台北・香港・ソウル・マニラ・シドニー・ロンドン・フランクフルト・コペンハーゲン線の運航が予定されています。

また12月25日から、国内線の運航を約9か月ぶりに再開すると発表し、4月1日を最後に運休となっていたバンコク/スワンナプーム~チェンマイ・プーケットの2路線を週3便の運航で予定しています。

シンガポール

シンガポール航空は、2021年1月18日から、東京/羽田〜シンガポール線の運航を1日1便で再開します。

すでに東京/成田・大阪/関西〜シンガポール線の1日1便のほか、名古屋/中部〜シンガポール線を週3便、福岡〜シンガポール線を週1便運航しており、再開により日本とシンガポール間を週25便体制で結ぶこととなります。

シンガポール航空傘下のLCCスクートも、12月14日から東京/成田~台北/桃園経由~シンガポール線を増便しており、グループ全体で日本路線の運航を強化しています。

またシンガポール航空は12月23日、新型コロナウイルスの検査結果などをスマホアプリなどで管理する実証実験を、世界で初めて開始しました。

IATA(国際航空運送協会)のモバイルアプリ「トラベルパス」を活用し、検査結果以外にも、今後のワクチン接種に関する情報をアプリで管理できるようになります。

ジャカルタ・クアラルンプール発シンガポール行きの2路線を対象に開始し、実証試験の結果を検証して他の路線にも拡大を目指すということです。

フィリピン

フィリピン航空は12月以降の国際線運航計画を発表し、マニラと日本を結ぶ路線については、成田線・関西線・中部線をそれぞれ12月中旬から増便すると明らかにしました。

また12月1日からマニラ市内に自社PCR検査施設を開設し、同社のフライト利用者は割引価格(通常4,500ペソ、乗客4,000ペソ)で検査を受けることができます。

検査方法はドライブスルーかウォークインを選ぶことができ、12~24時間で結果が判明するということです。

【北米】ハワイアン航空がホノルル~羽田線を8か月ぶりに再開

ハワイアン航空は、ホノルル~羽田線をおよそ8か月ぶりに再開するほか、アメリカ本土に新たな路線を開設し、日本発便からのホノルル乗り継ぎもできるようにするなど運航を強化しています。

北米地域の運航状況を紹介します。

アメリカ

ユナイテッド航空は、1月以降の日本路線の運航計画として、東京/成田〜サンフランシスコ線を1日1便、東京/成田〜グアム線を週6便、東京/成田〜ニューヨーク/ニューアーク線を週5便で運航する予定です。

その他の路線の運休は継続し、東京/羽田〜ワシントン線と大阪/関西〜サンフランシスコ線は3月27日までの運休がすでに決定されています。

ハワイ

12月21日、ハワイアン航空はホノルル~羽田線をおよそ8か月ぶりに再開しました。

羽田線の再開により、既存の成田線と合わせ、ハワイアン航空は東京~ホノルル間を毎日運航することとなります。

さらにハワイアン航空は、ホノルルとオーランド、オンタリオ、オースティンのアメリカ本土を結ぶ3路線を開設します。

オーランドへは3月11日から週2便、オンタリオへは3月16日から週5便、オースティンへは4月21日から週2便をそれぞれ運航し、日本発便からのホノルルでの同日乗り継ぎが可能となります。

また、カフルイ〜ロングビーチ線の直行便の運航も3月9日から1日1便で開始します。

【ヨーロッパ】イギリスで運航停止相次ぐ、フランスやスイスで日本路線再開

新型コロナウイルスの変異株が確認されたイギリスでは、運航停止が相次いでいます。

一方、エールフランス航空が東京/羽田〜パリ線の運航を再開するほか、スイス・インターナショナル・エアラインズが大阪/関西〜チューリッヒ線の運航を貨物専用便として再開するなど、日本路線の再開も見られています。

ヨーロッパの運航状況を紹介します。

イギリス

ブリティッシュ・エアウェイズは、大阪/関西を含む、長距離路線15路線以上の運航を停止します。

ブリティッシュ・エアウェイズは、2019年4月に、大阪/関西〜ロンドン/ヒースロー線の運航を21年ぶりに再開していましたが、今回の運航停止により、大阪/関西~ロンドン間のフライトは無くなることとなりました。

またイギリスのシャップス運輸相は12月23日、新型コロナウイルスの変異株が南アフリカから流入し感染が拡大していることを受け、24日から南アフリカからの航空機乗り入れと渡航受け入れを一時停止すると発表しました。

フランス

エールフランス航空は、12月16日から東京/羽田〜パリ線の運航を再開します。

東京/羽田発とパリ発をそれぞれ週3便運航するもので、すでに運航している東京/成田〜パリ線の週3便、大阪/関西〜パリ線の週2便運航と合わせ、エールフランス航空は、日本とパリの間を週8便体制で運航することとなります。

ドイツ

ルフトハンザドイツ航空は、大阪/関西~ミュンヘン線の再開と、東京/羽田~フランクフルト線の増便スケジュールを延期しました。

大阪/関西~ミュンヘン線は12月1日から再開、東京/羽田~フランクフルト線は、12月5日から週2便追加し週5便となる予定でしたが、いずれも取りやめとなり延期されました。

スイス

スイス・インターナショナル・エアラインズは、12月21日から、大阪/関西〜チューリッヒ線の運航を貨物専用便として再開しました。

同路線は、3月1日に週5便で開設されましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、運航開始直後から運休していました。

チューリッヒ発は金曜、大阪/関西発は日曜の週1便を、ボーイング777-300ER型機で運航し、旅客便の運航は2021年3月の再開を目指しています。

フィンランド

フィンエアーは12月25日から、仮想現実(VR)技術を活用したバーチャルフライトを運航します。

フィンランドのVRスタジオ、Zoan(ゾアン)が最先端のリアルタイム3Dグラフィックスツールを使用して制作したものです。

利用者はノートパソコンや携帯電話、VRヘッドセットを使って、フィンエアーのノルディック・ビジネスクラスに座っているようなフライト体験を楽しめます。

ヘルシンキ発ロヴァニエミ行きが8便運航され、所要時間は30分で、料金は1人10ユーロとなっており、Finnair Shopで予約・購入ができ、収益はすべてユニセフに寄付されます。

【中東】 イラクで日本含む8か国からの空路での往来禁止、カタール航空は再開・増便相次ぐ

イラクがイギリスや日本など8か国からの空路による往来を禁止する一方、カタール航空は東京/羽田〜ドーハ線の運航を再開するなど運航路線を拡大しています。

中東の運航状況とその他の情報を紹介します。

イラク

12月22日、イラク政府は、新型コロナウイルスの変異株による感染拡大防止のため、イギリスや日本など8か国からの空路による往来を禁止すると発表しました。

渡航制限は12月24日から2週間施行され、日英以外にも南アフリカ、イラン、ベルギー、オランダ、オーストリア、デンマークが制限対象となります。

カタール

カタール航空は12月11日から、東京/羽田〜ドーハ線の運航を再開しました。

すでに東京/成田〜ドーハ線を1日1便運航しており、東京/羽田線は週3便運航します。

またカタール航空は、ドーハ〜モントリオール線を現在の週4便から、2021年1月16日より段階的に増便し、2月25日までに毎日運航に切り替えます。

さらにドーハ〜シアトル線を2021年3月15日に開設し、週4便を運航する予定で、カタール航空はアメリカの11都市に週59便を運航することとなります。

またカタール航空は4月購入分まで、航空券の予約変更・払い戻しに関する特別対応を延長しており、期間中に購入した航空券は、手数料なしで目的地と旅行日を変更したり、キャンセルできるようになっています。

サウジアラビア

サウジアラビア内務省は、12月24日までに、新型コロナウイルスの変異株が発見されたことを受け、同国に乗り入れるすべての国際航空便を1週間中断させると発表しました。

欠航期間は延長される可能性もあり、サウジ領内に既にいる国際便の旅客機などについては、離陸して国外へ移動することは認めるなどの例外規定も設けられています。

世界各地でイギリスからの渡航を制限する動き広がる

感染力の強い新型コロナウイルス変異株への懸念から、世界でイギリスからの渡航を制限する動きが広がっています。

アジア地域では、イギリスが旧宗主国の香港とインドが、航空機の乗り入れを禁止しました。

スペインやポーランド、スイス、ロシアなども、イギリスからの入国禁止に踏み切り、サウジアラビア、クウェート、オマーンなどの中東諸国も、国際線の乗り入れに加えて陸・海上の国境を閉鎖しました。

スウェーデンは、イギリスとデンマークからの入国を禁止すると発表しており、新型コロナウイルス感染拡大以降、スウェーデンがEU域内からの渡航を制限するのは初めてのことです。

フランスやドイツ、イタリア、オランダ、オーストリア、ブリュッセルなどの欧州諸国のほか、カナダやイスラエルなどもイギリスからの渡航を禁止しており、特にフランスはイギリスからの貨物トラックの入国も禁止するなど、経済的影響も懸念されます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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