成田空港で「顔パス」実証実験、世界ではデジタル健康証明広がる【世界の航空便増減まとめ 5月】

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新型コロナウイルスの影響で、世界各国の航空会社では運休や減便が相次いでいます。

4月上旬、IATA国際航空運送協会)は2021年2月の世界旅客輸送実績を発表しました。

国際線と国内線の合計で、有償旅客の輸送距離を示すRPK(有償旅客キロ)は、前年同月比70.3%減となり、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)は59.3%減となりました。

ロードファクター(座席利用率、L/F)は、20.4ポイント低下し、55.4%となっています。

一方で新たな路線の開設や運航再開の動きもみられるほか、世界各地でモバイルアプリ「IATAトラベルパス」の導入が進むなど、ウィズコロナアフターコロナへの取り組みも進んでいます。

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【アジア】成田空港で「顔パス」実証実験開始、韓国の国内線旅客数はコロナ前を上回る

アジアでは、成田空港で顔認証技術を利用した搭乗手続きの実証実験が開始されたほか、香港でモバイルアプリIATAトラベルパスを試験導入するなど、新たな取り組みが進められています。

また韓国では3月の国内線旅客数がコロナ前の水準を上回るなど、国内旅行の需要が伸長しています。

日本国内

4月13日、成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は、顔認証技術を利用した搭乗手続き「Face Express(フェイスエクスプレス)」の実証実験を開始しました。

チェックイン時に登録した顔写真を使って、搭乗口や保安検査場で歩きながら「顔パスで」本人確認できるもので、成田・羽田の国際線で7月から本格運用されます。

JAL

日本航空(JAL)が発表した2020年の利用実績によれば、旅客数は新型コロナウイルスの影響で前年を大幅に下回り、国際線で前年度比96.0%減の35万7,519人、国内線は66.5%減の1,221万2,131人となりました。

4月26日には、2021年3月期通期の連結最終損益が、2,870億円の赤字になると適時開示しました。

4月1日には6月から9月までの国際線運航計画を発表し、成田発バンコク行きを増便し、北米線から成田での乗り継ぎ強化を狙います。

また4月22日、新型コロナウイルスの影響により就航が延期されていた、羽田~モスクワ(シェレメチェボ)線の定期便運航を1年1か月遅れで開設しました。

JALでは、タッチレスセンサーの取り付けによる自動チェックイン機の非接触化を国内各空港に導入したほか、4月26日からは、アメリカ行きを対象に、デジタル証明書アプリ「VeriFLY」を試験導入します。

またJALの子会社のZIPAIRは、貨物収入が見込める台湾などアジア2路線の9月までの開設を検討していることを明らかにしました。

ANA

4月30日、全日本空輸(ANA)は2021年3月期の連結業績を発表し、4,046億円の最終赤字となりました。

ANAでは東京/成田~ムンバイ線で臨時便を運航するほか、航空機内装品大手ジャムコと共同開発した、手を触れずにヒジで開閉できるようトイレのドアを改修したボーイング787-8型を、国内線に順次導入していく予定です。

韓国

韓国国土交通部の航空情報ポータルシステムによれば、韓国航空会社による2021年3月の国内線運航便数は1万7,166便、旅客数は260万8,000人にのぼり、新型コロナウイルス流行前の2019年3月を上回りました。

チェジュ航空やジンエアーなどのLCCが国内線の運航を拡大しているほか、海外旅行が制限され国内旅行の需要が伸びていることなどが要因とみられています。

4月12日、アシアナ航空は、ソウル~福岡線を5月5日に4か月ぶりに再開すると発表しました。

4月18日、韓国国土交通部は、目的地に着陸せず、海外上空をめぐる国際遊覧飛行の航空便を、5月から金浦空港、大邱空港、金海空港からも運航すると発表しました。

無着陸遊覧飛行は2020年12月から仁川空港のみで実施されており、8,000人以上が利用しました。

4月22日、韓国の仁川空港が、外国人が韓国入国はせずに空港内の施設を利用できる新たな観光商品の導入を検討していることが分かりました。

飛行時間が短めの台湾やシンガポールからの旅客を主なターゲットとし、上空から主要観光地を観覧したり、空港到着後にターミナル内でショッピングや乗り継ぎができるというものです。

4月26日、韓国政府はイギリスからの航空便を5月9日から運航再開すると明らかにしました。

運行停止措置はイギリス由来の新型コロナウイルス変異株の国内流入を防ぐものでしたが、イギリスにいる韓国国民に帰国の便宜を図るため再開するとしています。

中国

チャイナエアラインは、2021年6月までの国際スケジュールを発表し、6月の日本路線は5月と同じ頻度で、成田、関西、名古屋(セントレア)、福岡発着の台北・桃園線の4路線を運航する予定です。

また同社は、5月に中部国際空港発シカゴ・オヘア空港行き貨物便を新規就航します。

香港

香港では、シンガポールとの間で5月26日からエア・トラベル・バブルを開始することで合意しました。

キャセイパシフィック航空は専用便の運航を開始し、6月10日からは毎日1往復します。

さらに香港では、モバイルアプリ「IATAトラベルパス」を試験導入します。

またキャセイパシフィック航空は2021年4月下旬、コロナ禍でイギリスから帰国を希望する香港人向けのフライトとして、ロンドン・ヒースロー発香港行きのチャーター救援便を運航します。

台湾

エバー航空は、世界旅行ツーリズム協会(WTTC)が発行する「Safe Travels Stamp」を取得しました。

WTTCが定める、安全基準に準拠した世界レベルの対策を講じたあかしとなるもので、エバー航空が「C+ Travel - 安心の旅計画」と題する様々な感染予防対策が評価されました。

【東南アジア】シンガポールでトラベルパス本格導入、ベトナムLCCが日本線再開

東南アジアでは、シンガポールでIATAトラベルパスの本格導入が始まっています。

ベトナムのLCCで日本線の運航が再開したり、モンゴルから日本へのチャーター便が運航されるなど、運航再開の動きも出てきています。

タイ

格安航空会社のタイ・エアアジアは、5月1日から16日までの国内線のフライトスケジュールを更新し、バンコク発着便を大幅に減便するほか、バンコク路線以外は全便運休とします。

またタイ国際航空は、航空燃油価格の値上がりを受けて、日本発の航空券を対象に、2021年6月1日発券分から、燃油サーチャージを再適用すると発表しました。

シンガポール

シンガポール民間航空庁は、IATAトラベルパスを正式に認可し、5月1日からシンガポールに到着する乗客を対象に、本格導入すると発表しました。

またシンガポール航空は、運休していたシンガポール~デンパサール線を5月4日から再開すると発表しました。

さらにシンガポール航空系LCCのスクートは、米国の非営利団体APEXの監査「Health Safety Powered by SimpliFlying Audit」から、3段階のうち最高評価となる「Diamond」を、LCCとして初めて獲得しました。

フィリピン

セブパシフィック航空が発表した2020年12月期決算は、222億フィリピンペソ(約506億円)の赤字となりました。

同社では新型コロナウイルス流行前は1日400便を運航していましたが、2020年3月から全面的に運休し、その後6月から徐々に運航を再開しています。

ベトナム

ベトナムのLCCであるベトジェットエアは、4月から日本路線を含む国際線定期便の運航を再開すると発表しました。

一方、ベトナム航空は運航中のハノイ発成田行きの片道旅客便を6月も継続し、成田発は引き続き運休となります。

インドネシア

ガルーダ・インドネシア航空は、2021年5月末までの日本~インドネシア間の運航スケジュールを決定しました。

羽田~ジャカルタ線は週3往復、関西~ジャカルタ線は週2往復の運航となり、成田・関西発着のデンパサール線は全便運休が継続されます。

モンゴル

MIATモンゴル航空は、ウランバートル発東京/成田行きチャーター便を、5月に3便運航します。

このほか、ウランバートルとソウル/仁川、フランクフルト、イスタンブールを結ぶ臨時便の運航も予定しています。

バングラデシュ

4月11日、バングラデシュ民間航空局は、バングラデシュ発着の国際線の発着を、4月14日から1週間停止すると発表しました。

また4月12日から20日まで、すべてのバングラデシュ国内線の運航も停止しています。

【北・南米】アメリカン航空、夏にコロナ前の8~9割の座席数を供給

アメリカでは国内線を中心に航空需要の回復傾向が見られるほか、ハワイアン航空でも新たな路線が開設されました。

アメリカ

4月14日、アメリカン航空は2021年夏の運航計画について、2019年比でアメリカ国内線は90%、国際線は80%のレベルで座席を供給すると発表しました。

同社では需要回復に合わせたネットワーク展開の再編を実施しており、夏スケジュールではアメリカ国内線で150を超える新たな路線再開が計画されています。

さらにアメリカでは、デルタ航空が、東京/羽田~ロサンゼルス線の運航を5月1日から週3便で再開するほか、ユナイテッド航空が、クロアチア、ギリシャ、アイスランドへの路線を新設します。

ハワイ

4月22日、ハワイアン航空はホノルル~オースティン線を週2便で開設しました。

5月28日から8月13日までは、夏期需要に対応して週3便に増便する予定です。

また同社は日本路線の6~7月運航計画を発表し、成田と関西の2路線をホノルルから運行し、他の日本4路線は7月末まで運休となります。

【オセアニア】ニュージーランド・オーストラリア間でトラベルバブル開始

4月18日以降、ニュージーランドがオーストラリアからの入国者に対して隔離を免除する方針を発表し、ついに両国間で「トランス・タスマン・バブル」が成立しました。

カンタス航空とジェットスターは4月19日から両国間のフライトを増便し、両社が運航するタスマン横断路線は、15路線で最大週122便に拡大しました。

【ヨーロッパ】羽田~パリ線再開、ロシアはトルコ・タンザニアとの運航を停止

ヨーロッパでは、フランスのエールフランス航空が羽田~パリ線の運航再開を予定しているほか、ドイツではアジア太平洋地域の航空ネットワーク強化を推進しています。

フランス

エールフランス航空は、東京/羽田〜パリ線の運航を6月20日から週3便で再開し、7月以降は需要を鑑みながら増便する予定です。

同航空ではこのほかに、東京/成田〜パリ線と、大阪/関西〜パリ線をそれぞれ週3便で運航しています。

ドイツ

DHLエクスプレスは、アジア太平洋地域における航空ネットワークを強化します。

エアロ・ロジックが、ドイツのライプツィヒを発着する香港、シンガポール、バーレーン経由のフライトを週6便運航するほか、カリッタエアが、アメリカからシドニーを経てシンガポール、香港、日本経由でアメリカへ戻る便を週5便、シンガポール~シドニー線を週6便運航します。

ロシア

4月12日、ロシア連邦政府は、トルコでの新型コロナウイルス感染拡大を理由として、ロシア~トルコの航空便運航を、4月15日から6月1日まで原則停止すると発表しました。

さらにロシア~タンザニアの定期便も6月1日まで運航停止するとしており、同国からの帰国者にマラリア感染者が定期的に含まれているためと説明しています。

【中東】エミレーツ航空でトラベルパス試験運用開始

中東では、エミレーツ航空がIATAトラベルパスの試験運用を開始しました。

またカタール航空によるドーハ~アビジャン路線や、エティハド航空によるテルアビブ行き定期便など、路線開設や再開の動きもみられています。

カタール

カタール航空は、今夏スケジュール期間中も、東京/成田~ドーハ線の運航を継続し、東京/羽田・大阪/関西~ドーハ線は引き続き運休します。

さらにドーハとコートジボワールの最大都市アビジャンを結ぶ路線を、6月16日から週3便で開設すると発表しました。

同路線は、中国をはじめアジア諸国方面へのアクセスを広げ、西アフリカ地域のビジネス関係者などに新たな選択肢を提供することとなります。

アラブ首長国連邦

4月10日、エミレーツ航空は、新型コロナウイルスのワクチンを接種した乗務員と乗客のみの遊覧フライトを運航します。

ドバイ国際空港を出発してUAE各地を遊覧する予定で、売上はエミレーツ航空財団に寄付されます。

同社は、4月15日からモバイルアプリ「IATAトラベルパス」の試験運用を開始したほか、6月1日からミラノ・マルペンサ/ニューヨーク・JFK間の運航を再開する予定です。

また4月6日、アブダビのフラッグキャリアであるエティハド航空は、テルアビブ行きの定期便を就航し、今後アブダビ空港とテルアビブ・ベングリオン空港との間を週2便運航します。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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