トラベルバブルとは?ワクチン接種により協議が加速、日本での実施予定についても紹介

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トラベルバブルとは、地理的、社会的、経済的に結び付きが強い国同士を、ひとつの大きなバブル(泡)の中になぞらえ、特定の条件に合致する人々だけが、限られたエリアの中を自由に行き来するという概念です。

トラベルバブルについて、実行された経緯から現在の実施例まで説明します。

関連記事:鳥取、島根の間で「GoToトラベル」:国内旅行にも「バブル」方式、観光の新しい形か

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トラベルバブルとは|コロナ禍で生まれた新しい概念

トラベルバブルは、感染症が世界的に拡大している状況下においても、感染が抑えられている国同士を安全なバブルの中にいると見なすものです。

関係者を大きな泡のように包み込んで外部との接触を遮断し、バブル内での定期的な検査により感染者を排除することで、バブル内の安全性を保つことが期待されます。

バブル内に居住し感染症の陰性が確認できれば、隔離期間なしで行き来が可能となります。

国家間での適用をはじめ、オリンピックなどの国際大会での適用など、トラベルバブルの範囲はそれぞれですが、今回は国家間での適用に対象を絞って説明します。

その過去の事例と現在の様子、そして国際的な規格の統一について説明します。

関連記事:トラベルバブルとは何か/日本は中国、台湾、韓国とスタート?

トラベルバブル、過去に実施も感染再拡大で中止に

ニュージーランドとオーストラリアは、2021年4月19日から隔離なしで相互に往来できるトラベルバブルを開始しました。

利用するにはPCR検査による陰性証明など様々な条件を満たす必要があります。

新型コロナウイルスワクチン接種が進んでいなかった当初にも、PCR検査を用いて進められようとしていましたが、感染再拡大により停止を余儀なくされました。

その後は感染拡大がおさまったため、10月からトラベルバブルを再開しています。

またシンガポールと香港の間でも、トラベルバブルの実施が予定されていましたが、感染再拡大の懸念から中止されました。

関連記事:NZ&豪、4月19日から「隔離なし」往来再開へ 780億の経済効果見込み

関連記事:シンガポールと香港、「隔離なし」の往来再開 5月26日から

ワクチン接種率高まりトラベルバブル実施へ

タイでは、新型コロナウイルスワクチン接種者に限り、トラベルバブルが再開されています。

最初に開始されたプログラム「プーケットサンドボックス」では、7月1日から8月31日にかけて16億3,400万バーツ(約567億円、訪日ラボ編集部換算)の観光収入を得たとされます。

さらに韓国とシンガポールの間でも11月15日から、新型コロナウイルスワクチン接種とPCR検査を前提としたトラベルバブルが開始されています。

世界で新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1回以上接種した人の割合は、2021年11月24日時点で53.4%にのぼっています。

各国でワクチン接種率が高まっていることも、トラベルバブルが実施されるようになってきた背景にあるものと考えられます。

関連記事:タイ、5都市で外国人観光客受け入れ再開 ワクチン接種完了を条件に

関連記事:韓国とシンガポール「隔離無し」旅行が可能に トラベルバブル合意

アプリの普及もトラベルバブルを後押し

新たなアプリの登場や普及も、トラベルバブルを後押ししています。

IATA国際航空運送協会)が開発するデジタル証明書アプリ「IATAトラベルパス」は、新型コロナウイルスワクチン接種やPCR検査結果証明を一元管理することができます。

ANAやJALなどを含む、世界各国の航空会社が導入を進めており、ワクチン接種証明の国際規格統一への後押しが期待されます。

ただし実際の国家間では、独自のアプリを用いる例も多くなっています。

韓国・シンガポール間のトラベルバブルでは、韓国でのワクチン接種証明は「電子ワクチン接種証明書(COOV)」が国際証明書として利用されています。

またニュージーランド・オーストラリア間のトラベルバブルにおいては、ニュージーランド入国後の行動記録に「NZ COVIDトレーサー」アプリを利用することとなっており、オーストラリア入国後の行動記録には州・地域別の専用アプリが一般に普及しています。

関連記事:IATAパス、EUとイギリスで利用可能に|WHOに世界的な規格統一を呼びかけ

日本で再開されようとしているトラベルバブルとは

日本では現在、ビジネス目的での短期滞在のほか、留学生や技能実習生などには新規入国を認めています。

ただし、いまだ観光目的での入国は認められていない状況です。

そのようななかでも、徐々にトラベルバブル再開の機運が見られ始めています。

関連記事:水際対策緩和へ 待機期間を短縮 外国人の新規入国も

日本と台湾、トラベルバブルに向け協議開始

日本と台湾は、トラベルバブルに向けた協議を開始しています。

台湾はすでにパラオとトラベルバブルを実施しており、実施後も感染状況は落ち着いている状況です。

台湾では、日本での新型コロナウイルス感染者数の減少を受けて、台湾とパラオ間で行われているようなトラベルバブルの実現可能性を指摘する声が上がっています。

Taiwan Newsによれば、日台間でのワクチン接種証明の相互認証についての協議も進められているということです。

関連記事:日台間トラベルバブル「協議中」接種証明の相互認証も

日豪でもトラベルバブル再開へ

さらに11月21日からは、オーストラリア・シンガポール間でもトラベルバブルが開始されています。

検疫や隔離措置のない相互の国際往来が可能となり、ワクチン接種や渡航の72時間以内に取得したPCR検査の陰性証明などが条件で、観光目的での入国も許可されています。

複数の海外メディアは、オーストラリアのスコット・モリソン首相が、ニュージーランド、シンガポールに続く次のトラベルバブル締結国として、日本と韓国を候補に挙げたと報じています。

モリソン首相は早期にバブルを締結して国際往来を再開させたい考えで、2021年内の実施を目指して協議を進める意向を示しています。

関連記事:豪、日本と年内のトラベルバブル締結を検討/シンガポールとのバブル開始に伴い誘致キャンペーン実施

インバウンド獲得へ、往来再開なるか

トラベルバブルは当初、ワクチン接種率の低さや感染再拡大もあり停止傾向にありました。

しかし、日本での感染者増加が収まっている現在、トラベルバブル再開に向けての機運が高まっています。

トラベルバブル再開に向けて、インバウンド対策を徐々に再開していく必要がありそうです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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