売上半減・営業赤字のオリエンタルランドの株価が上がり続ける理由【株式市場からインバウンド復活の動向を読み解く】

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在日外国人向け街歩きツアーや海外向けオンライン体験の企画運営をしております、Japan Localizedインバウンドアナリストの宮本です。

未だにオミクロン変異株に関する報道で株式市場は大きく変動しています。また、岸田総理が記者会見で「年末年始の状況を見極めつつ、当面の間、水際対策を延長することとしました。」と述べたように、2022年もインバウンドの復活には厳しい見通しです。

さて今回の記事では年末という事もあり、「株式市場から読み解く2022年のインバウンド業界の動向は?」というテーマで考えていきたいと思います。

前回までの連載

大手旅行会社2社の株価推移の差から分かる、市場の期待感は(Vol.1)
「インバウンド銘柄」の正体(Vol.2)
インバウンド需要を「カテゴライズ」し、株価を比較する(Vol.3)
オミクロン変異株がインバウンド株に与えた影響(Vol.4)

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2022年は「脱・インバウンド依存」と「新たな価値提供」の2つがテーマ

いきなりですが、2022年は「脱・インバウンド依存」「新たな価値提供」の2つがテーマになると思います。

何故「脱・インバウンド依存」と「新たな価値提供」なのかを考える前に、2021年の簡単な振り返りをしたいと思います。

2021年は東京オリンピックとワクチン接種開始という二大イベントがあり、株式市場には「インバウンドが戻るのではないか?」という期待感がありました。まずは以下の図をご覧ください。

 ▲2020年12月30日から2021年6月30日までのインバウンド銘柄のパフォーマンス
▲2020年12月30日から2021年6月30日までのインバウンド銘柄のパフォーマンス

インバウンド銘柄の株価パフォーマンス

上記の図は2020年12月末から2021年6月末までのインバウンド銘柄の株価パフォーマンスです。

図を見てもわかると思いますが、ほとんどの銘柄が赤い棒線のTOPIXのリターン(個別銘柄のパフォーマンスを評価するときに、TOPIXのパフォーマンスを基準にします)を上回っています。

つまり、株式市場はインバウンドの復活を期待していたことが一目瞭然だったかと思います。

しかし、年後半(12月17日時点まで)は全く違う動きとなりました。まず、以下の図をご覧ください。

 ▲2021年6月30日から2021年12月17日までのインバウンド銘柄のパフォーマンス
▲2021年6月30日から2021年12月17日までのインバウンド銘柄のパフォーマンス


TOPIXのリターンを上回るのは3銘柄で、残りの銘柄はすべてTOPIXのリターンを下回りました。

オミクロン変異株による水際対策強化で外国人の新規入国が原則停止となり、インバウンド復活の期待感が大きく遠のいたことが伺えるかと思います。

この中で東京ディズニーランド東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランド(銘柄コード:4661)は+23.5%と、株価パフォーマンスが良くなっています。

これは何故か?その理由の中に、2022年の「脱・インバウンド依存」と「新たな価値提供」のヒントが隠れています。

株式市場でオリエンタルランドが評価されている理由

まず、オリエンタルランドが発表している2022年3月期決算の通期業績予想ですが、売上高2,390億円、営業損失-242億円の予想となっております。

これは2020年3月期決算の売上高4,644億円、営業利益968億円と比べても、売上高は約半分、営業利益は赤字となっています。

しかし、オリエンタルランドの株価を見てみると、2019年12月30日の終値は14,880円に対して、2021年12月17日の終値は19,555円です。

売上高が半分、営業赤字なのになぜ株価はコロナ前の水準を上回っているのでしょうか?

▲2019年末を基準としてオリエンタルランドとTOPIXのリターン推移
▲2019年末を基準としてオリエンタルランドとTOPIXのリターン推移


これは、オリエンタルランドが「稼ぐ体質」に変化している事を市場が評価をしていることの現れです。

オリエンタルランドはコロナ禍での厳しい経営環境の中、チケット代の値上げをしました。

加えて、制限がある中での体験価値(ディズニーホテルの宿泊ゲストに向けた「アーリーエントリーチケット」のトライアル実施や東京ディズニーランドでのアルコールのテスト販売等)の向上に取り組みました。

その結果、ゲスト1人当たりの売上高は向上しました。

オリエンタルランドの来場者の10%はインバウンドだった

コロナ前、オリエンタルランドの海外ゲスト比率は約10%、つまりインバウンド客が占める売上は約8.7%でした(「インバウンド銘柄」の正体を参照)。

オリエンタルランドに限らず、コロナ前はインバウンドで「量を稼ぐ」というのがほとんどの企業が行っていた戦略でした。

なんとしてでもインバウンドを取り込み、量を増やすという流れでした。つまり、「質より量」です。

この続きから読める内容

  • 「脱・インバウンド依存」と「新たな価値提供」を実現した企業が株式市場から評価される
  • 筆者紹介:Japan Localized代表 宮本 大
  • 日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
  • 【インバウンド情報まとめ 2026年2月後編】訪日中国人数6割減でも「インバウンド全体としては好調」、観光庁 / 1月の訪日外客数359.8万人、韓国が史上初の110万人超え ほか
  • 今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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