観光庁の髙橋一郎長官は6月19日、記者会見を行いました。会見の内容は、インバウンドに関わる内容が主となりました。
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訪日外客数「力強い成長軌道」2024年は過去最高へ
2024年5月の訪日外国人旅行者数は304万100人で、3か月連続で300万人を超え、5月として過去最高となりました。コロナ前の2019年5月と比較して10%増、8か月連続でコロナ前の水準に回復しています。また23市場のうち、インドでは単月として過去最高を更新したほか、シンガポールや米国をはじめ19市場が5月として過去最高を記録している状況です。
この数値について受け止めを問われた髙橋長官は、「力強い成長軌道に乗ってきている」「高い需要を、訪日プロモーションの効果もあり、うまく取り込むことができたのではないか」と述べました。また、「このままのペースで行けば、2024年は旅行者数・消費額ともに、過去最高を実現できる見通し」だとしました。
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中国市場も労働節で旅行需要回復
比較的回復が遅れている中国については、5月の中国からの訪日者数は約55万人、2019年同月からの回復率は単月で約72%。前月4月と同水準、前々月3月からは7ポイント近く高い結果となっています。
これについては「中国では5日間の連続した休日である労働節があり、中国の大手旅行会社が発表した労働節休暇の人気旅行先においては日本が1位となるなど、一定程度の旅行需要の回復が期待できる環境にあった」と指摘しました。個人旅行客の回復が進んでいることから、「回復率が高い個人旅行客やリピーター客を中心に訪日者数をさらに伸ばすことが特に重要である」と考えを述べました。
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福井県、岐阜県などに注目集まる
日本各地、地域で賑わった事例として、「例えば福井県では、新幹線延伸の効果もあり、越前打刃物の販売・工場見学を行う施設や、本年1月に米国のワシントンポスト紙でも紹介された永平寺がインバウンドに大変人気であったと聞いています」と、北陸新幹線延伸の好影響についても言及。
さらに「岐阜県では5月中旬より長良川の鵜飼いが始まっており、観覧船には多くのインバウンドが訪れ、今後のインバウンド予約も好調であるとのことです」と根強い人気があることを紹介しました。
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顕在化するオーバーツーリズム問題、観光庁の取り組みは
記者からは、コロナ禍からの回復の一方でオーバーツーリズムが問題になったと指摘。訪日客6,000万人、消費額15兆円の政府目標達成に向けた観光庁の取り組みについての評価について質問がありました。
長官は、「インバウンドの宿泊数の三大都市圏への偏在傾向がみられる」ほか、「オーバーツーリズムの懸念も聞こえてくるように」なったと言及。「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた取組をしっかり進めつつ、11のモデル観光地をはじめとして、地方部の本当の魅力を引き出して具体的な消費活動に繋げるための特別な体験の提供や、高付加価値な旅行需要を取り込むための観光地づくりに取り組んでいるところ」だとしました。
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オーバーツーリズム対策には「地方部へのインバウンド誘客が極めて重要」
続けて、今後の取り組みについては「地方部へのインバウンド誘客が極めて重要」「地方部の持つ魅力、無限の可能性を、実際の誘客、大きな人の流れ・呼び込みに具体に活かす必要がある」としています。
また、「サステナビリティ」をキーワードとした取り組みについても、「全国各地で課題となっている人手不足への対応、観光地・観光産業の高付加価値化、あるいは観光DXなどを進めて収益力、生産性を高め」、「将来に向けて必要な前向きな投資、あるいは観光を担う人材の育成・確保を行うことによって」、「持続可能なあり方での観光地・観光産業の発展を促進」するとしています。
最後に「インバウンドが力強い成長軌道に乗ってきている」ことを評価しつつ、「地方部への誘客の一層の推進に力を尽くしてまいりたい」と改めて強調しました。
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<参照>
観光庁:髙橋長官会見要旨
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