2026年上半期、インバウンド市場の多様化進む/民泊規制を容認【観光庁長官会見】

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観光庁の村田茂樹長官は7月15日、定例会見を実施。同日に発表されたインバウンド消費動向調査、日本政府観光局JNTO)訪日外客統計などについて報告しました。

さらに長官は、民泊規制に対する新たな方針に触れたほか、7月からの訪日外国人が取得する査証(ビザ)の申請手数料の引き上げに伴う影響についても言及しました。

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▲観光庁の村田茂樹長官 定例会見:訪日ラボ撮影
▲観光庁の村田茂樹長官 定例会見:訪日ラボ撮影

訪日観光の質が向上、消費単価高い旅行者の誘客進める

6月の訪日外客数は314万8,600人(前年同月比6.8%減)となりました。

1〜6月の上半期累計では2,108万4,800人に達し、2025年に引き続き、6か月で2,000万人の大台を突破しています。

4〜6月期の訪日外国人消費額は2兆5,096億円(前年同期比0.2%増)でした。上半期の消費額は約4.8兆円(同1.3%増)と推計されており、いずれも過去最高を更新する見通しです。

なお、4〜6月期における訪日外国人1人当たりの旅行支出は、24万4,457円(同3.3%増)と推計されました。

訪日外客数の減少傾向について長官は、「客数のみに着目するのではなく、消費額を含めて日本経済へ好影響をもたらしているかという観点から捉えることが重要」と指摘。そのうえで、「消費額は前年同期比でプラスを維持しており、訪日観光の質的な向上が進んでいると認識している。今後も、消費単価の高い旅行者の誘客を推進していきたい」と述べました。

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今後も成長見込むインド市場、旅先としての認知を高める

4〜6月期の訪日外国人消費額を国・地域別で見ると、台湾中国などを抜き、米国が1位に浮上しています。

この結果について長官は、「上半期の訪日外客数においても、東南アジア諸国が前年同期比8.3%増、欧米豪諸国が同6.7%増を記録しており、市場の多様化がいっそう進んでいる」と分析しています。

一方、訪日自粛の影響が続く中国市場については、「客数、消費額ともに依然として上位を占めており、インバウンド政策における極めて重要な市場であることに変わりはない。引き続き動向を注視しながら、必要なアプローチを重ねていく」と説明しました。

同時に未訪日層が多い市場からの誘客も推進していく方針です。特にインドは、上半期の訪日外客数が過去最高を記録しました。

長官自身も今年5月にインドを直接訪問し、現地の官民関係者と両国間の観光政策について意見を交換。相互の観光交流をさらに活発化させる方針で合意しています。

長官は「今後、経済や人口の著しい成長が見込まれる市場である一方、訪日経験者はまだ限定的だ。まずは日本を訪れる人を増やし、旅行先としての日本の認知度を高めるべく、戦略的なプロモーションを展開していく」と意欲を示しました。

民泊「ゼロ日規制」を可能に、地域の実情に合わせた運用を

同日、観光庁国土交通省および厚生労働省との連名で、全国の地方公共団体に向け「住宅宿泊事業法に規定する届出住宅に係るゼロ日規制等について(技術的助言)」を通知しました。会見では、この通知に関する説明も行われました。

日本政府は民泊法の制定時、「過度な規制は望ましくない」との基本方針を示していました。しかし、民泊の急速な拡大に伴う地域トラブルの増加を受け、今回の通知をもって「条例によって地域の実情に応じた制限が可能」とし、方針転換をしたかたちです。

条例による具体的な制限手法としては、「立地規制」と「ICTを活用した管理の義務付け」の2点が提示されています。

なかでも「立地規制」については、生活環境や教育環境、定住人口や地域コミュニティの維持に対し、支障が生じる懸念あるいは実害がある場合、民泊の年間営業日数を実質的にゼロに制限する、いわゆる「ゼロ日規制」の導入を容認する内容となっています。

宿泊インフラの確保と、地域住民の生活環境保全をいかに両立させるかが問われるなか、長官は「民泊の適切な運用を確保するために検討を重ね、今回の技術的助言の通知に至った。これは全国一律で規制を強化するものではない。それぞれの地域の実情に合わせ、条例を検討、策定する際の一助としていただきたい」と言及しました。

ビザ手数料引き上げ、8割は免除・減額対象

7月1日から、訪日外国人が取得する査証(ビザ)の申請手数料の引き上げが実施されました。

これらの改定は、一部の訪日外国人観光客にとって実質的な旅行費用の増加となるため、今後の訪日需要やインバウンド消費への悪影響を懸念する声もあがっています。

これに対して長官は、「現在、訪日外客数のうち約8割は、査証自体が免除されているか、手数料の免除・減額措置の対象となっている。したがって、今回の引き上げが大多数の訪日外国人の消費行動などに、直ちに重大な影響を及ぼすものではないと考えている」との認識を示しました。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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