今年はどんな1年に? 観光庁長官が年頭所感で明らかにした「2017年のインバウンド業界で起こること」

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東京オリンピック・パラリンピックがいよいよ数年後に迫る2017年に入りました。2016年は訪日外国人観光客数2000万人突破という節目の年になりましたが、今年はどのような1年になるのでしょうか。

観光庁長官を務める田村明比古氏が発表した年頭所感から、2017年に起こると思われる動きをご紹介します。

 

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同年3月末、政府は「明日の日本を支える観光ビジョン」を発表し、2020年までに2000万人、2030年までに3000万人とされていた訪日外国人観光客数の目標をそれぞれ4000万人、6000万人と大幅に前倒ししました。消費額も2020年に4兆円としていたところを、その2倍にあたる8兆円に見直しています。

「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」に見るインバウンドビジネスの動向:2016~2020年

平成28年3月30日、第2回となる「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」が行われました。訪日外国人旅行者2000万人という目標が達成できる見通しであることを踏まえ、内閣の面々が有識者とともに新たな目標、必要な対応の検討を行うものです。まだ案の段階ではあるものの、ここで発表されている資料には2016~2020年までの展望が示されており、インバウンドビジネスに取り組むうえでの参考になります。今回は「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」を要点に絞って解説していきます。目次目標は大幅に前倒...

このような強気の姿勢を支えているのは、好調なインバウンド市場の推移です。訪日外国人観光客数は5年連続で拡大しており、2016年の訪日外国人観光客数は2403万人。政府が目標を上方修正するのも、納得できる結果となりました。

その一方で、2016年は地震被害に苦しめられた年でもありました。九州地方では4月14日に熊本地震、中国地方では10月21日に鳥取中部地震が発生し、「九州観光支援のための割引付旅行プラン助成制度」(ふっこう割)、「鳥取応援プログラム」といった観光復興策が行なわれました。

田村明比古氏によると、観光庁は「東日本大震災で得られた教訓をもとに、それぞれの事情に応じた支援を迅速に」実施。「九州の日本人延べ宿泊者数は他地域並みに回復して」おり、「全体としては回復の明るい兆し」が出ているといいます。

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2016年(平成28年)4月14日に発生した熊本地震。熊本県、大分県では建造物や設備が損壊し、九州地方全域で訪日外国人観光客の旅行キャンセルが相次ぎました。インバウンドビジネスに対して与える影響は大きく、震災後には訪日外国人を対象とする避難所の開設、緊急通訳ダイヤル(多言語コールセンター)の無償提供などが行われました。詳細はこちらの記事(熊本地震に見る訪日外国人への災害対応:訪日ラボ)からご確認ください。地震から約2ヶ月経った現在は、どのような状況になっているのでしょうか。今回は訪日外国人...

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平成28年10月21日に発生し、最大震度6弱を記録した鳥取中部地震。11月8日時点で、この地震により鳥取県内では約1万2,003棟の建物が損壊し、40か所以上の文化財被害を受けたことが報告されています。なお、詳細につきましては以下の記事からご確認ください。短期的に多くの市民の生活を脅かしたのはもちろんですが、約2ヶ月が経った今、鳥取県内の各種産業に対する長期的な悪影響を払拭するために動かなければならない時期に入っています。特に観光業の場合、風評被害というかたちで震災のダメージがじわじわと続...

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2017年は「明日の日本を支える観光ビジョン」がかたちになる1年

2016年は大きなトラブルに見舞われつつも、インバウンド観光市場が順調に成長した1年となりました。では、2017年はどんな年になるのでしょうか。田村明比古氏は「明日の日本を支える観光ビジョン」で掲げられたさまざまな分野にまたがる「観光ビジョンをかたちにしていく一年」と述べています。

具体的に取り上げられた内容は、以下のとおりです。

民泊新法が提出される予定

2017年の通常国会で、民泊に関する新法が提出される見込みです。2016年時点で東京都、大阪府(大阪市)などの特区では民泊が合法的に行える状態になっていますが、いまだ本格的な解禁には至っていません。

規制緩和に踏み切る民泊新法は、報道では「早くて2017年」のようなかたちで取り上げられてきましたが、田村明比古氏は「2017年の通常国会に(中略)提出することを予定」と明言しています。近隣住民やホテル、旅館などへの影響の大きさを懸念し、問題視する向きもあるものの、日本にもいよいよ民泊の波がやってきそうです。

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現状にそぐわない制度の抜本的見直し

観光に関わる規制、制度の中には60年以上前に定められたものもあり、抜本的な見直しが求められています。2017年には「通訳案内士法及び旅行業法の改正法案」の提出が予定されており、現状にそぐわなくなっている通訳案内士ランドオペレーターツアーオペレーター)などに関連した制度が改正される見込みです。

これには違法な事業の取り締まりに加え、地域に根づいた着地型観光を活性化させる狙いがあります。観光地の整備が進み、訪日外国人観光客にとって日本がより魅力的な地域になるための下地になってくれる可能性があります。

観光庁、旅行業や通訳案内士などの制度改変へ:60年ぶりの抜本的見直しに踏み出す

平成28年(2016年)3月30日に「観光先進国」の実現に向け、政府が策定した「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」。ここで掲げられた「観光関係の規制・制度の総合的な見直し」に基づき、観光庁は同年10月4日、「新たな時代の旅行業法制に関する検討会」を開催することを発表しました。近年、報道などでも取り上げられているように、インバウンドビジネスの活性化の裏側で、是非が唱えられている民泊やツアー客を乗せたバスの事故といった問題が発生。制度の見直しによる対応が急がれていることを背景に、有識者を...

地方を盛り上げる各種施策

日本らしさが感じられる農山漁村などの古民家を活用する取り組みが各地で行なわれています。田村明比古氏は同様の事業を全国に広めるべく、官民一体となった支援を行うことを明言しています。また、広域観光周遊ルートの魅力向上なども図られる見込みで、インバウンド需要を地方へと流れ込ませる各種施策が図られると見られます。

「古民家の再活用」を通じたインバウンド誘致が進む:「モノからコト」へのニーズ移行が背景に

訪日外国人観光客の増加を受け、政府は東京オリンピックが開催される2020年までに、現在の約2倍である4,000万人、2030年までには6,000万人の訪日外国人観光客を誘致することを目標としています。都道府県別宿泊施設タイプ別客室稼働率:観光庁より引用そのような状況にある日本ですが、インバウンド誘致において未だに多くの課題を抱えています。その課題の中でよく取り上げられるのが、訪日外国人観光客向けの「宿泊施設不足」。観光庁のデータによると、大都市圏の客室稼働率(*)は東京で77.4%、大阪で...

 

まとめ:インバウンド業界が大きく動く1年に

観光庁長官を務める田村明比古氏が年頭所感を発表し、2017年のインバウンド市場の動向について言及しました。2016年3月に政府が発表した「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、官公庁ではさまざまなプロジェクトが動いていますが、2017年はこれらがかたちになる1年だとしています。

取り上げた内容のほかにも観光MBAの創設や世界水準のDMOの形成、欧米豪や富裕層等への戦略的なプロモーションの展開など意欲的な事業が行なわれる見込みです。

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2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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