秩父のインバウンド観光客を増やす取り組みとは:4年で120万人の観光客増加・PR動画、免税、SNS対策が鍵か

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

訪日外国人観光客数が増加傾向にある中、日本の豊富な観光資源に魅了され再来日するいわゆる「リピーター」も増えています。

リピーターは、ゴールデンルート以外の地方都市に頻繁に訪問する傾向にあります。このような状況から、地方の自治体にとっても「地域活性化」を推進するうえで、インバウンド誘致は有効なオプションとなります。

埼玉県秩父市では、ここ数年インバウンド誘致に対する取り組みを強化。多くの訪日外国人観光客の訪問を実現しています。

<関連記事>

東武鉄道、インバウンド向け「1日着物レンタル」サービスを開始 訪日外国人の「地方へ」の流れを背景に

訪日旅行のトレンドが「消費」から「体験」に移行しつつあります。そのため、ショッピングが主な目的となる首都圏に集中していたインバウンド需要が、より「日本らしい」ものを体験できる地方にも広がるようになりました。<関連記事>それに伴って、鉄道会社は地方のインバウンド効果を目的に各地域の観光素材を活用して様々な取り組みを行っています。東武鉄道は日光・鬼怒川エリアの訪日外国人観光客集客に向け、興味深いサービスを開始しています。 目次日本文化を楽しみながらの日光・鬼怒川散策が可能:体験型ツアー&英語表...

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

ここ4年で120万人の観光客増加を達成:訪日外国人観光客も増加傾向に

2016年7月6日に秩父市公式ウェブサイトで公表されたデータによると、秩父市を訪れる観光客が、ここ数年で大幅に増加しています。

2011年から約804万人、807万人、843万人、909万人、そして2015年には930万人と年々、秩父市を訪れる観光客は増加を記録。4年間で約120万人の観光客増加を実現しています。

2016年9月15日の日本経済新聞によると、秩父駅や芝桜で有名な羊山公園でも訪日外国人観光客が目に見えて増えているとのこと。国内からの観光客に加え、訪日外国人観光客誘致にも成功しています。

先述の通り、国内外からの観光客の誘致に成功した埼玉県秩父市。訪日外国人観光客誘致に関して、どのようなアプローチをしているのでしょうか?

秩父への観光促進を目的とした「秩父地域おもてなし観光公社」を設立:HP上では4か国語で秩父に関する情報を配信

「秩父地域おもてなし観光公社」ホームページより引用

「秩父地域おもてなし観光公社」ホームページより引用

秩父市では、秩父への観光促進を目的とした「一般社団法人 秩父地域おもてなし観光公社」が設立されています。

公式ホームページ上では、秩父の観光情報、文化や歴史、郷土料理、宿泊施設、買い物情報などが幅広く紹介されています。

同サイト上では、訪日外国人観光客誘致の取り組みとして、「英語」「中国語」「韓国語」「日本語」の4か国語で秩父に関する情報が提供されています。

動画を活用して秩父の魅力をアピール:動画コンテンツはインバウンド誘致に有効

また、秩父市の観光情報を紹介する動画も掲載されています。

動画コンテンツは、近年のインターネット環境の整備、写真や文章の数千倍以上とも言われる情報量の多さ、多言語化の容易さから、インバウンド向けのPR方法として知られ、活用することで訪日外国人観光客に地域の魅力をわかりやすく伝えることができます。

<関連記事>

インバウンドビジネスと動画コンテンツの相性が良い理由:直感的に理解しやすく、高い拡散力

訪日外国人観光客を呼びこむPR活動では、Webを活用した情報発信は不可欠。快適にインターネットを利用できる環境づくりが世界的に進んでいることから、動画コンテンツの活用が一般的になっています。動画を使った情報発信にはWebサイト、文章にはないメリットがあり、数年前から国内外で注目を集めています。インバウンドビジネスでも例外ではありません。今回は、訪日外国人観光客の誘致を目的とした動画コンテンツについて、事例をまじえながら解説していきます。目次動画コンテンツのメリットとは快適なインターネット環...

英語版Facebookページも運営:秩父市の持つ観光資材を写真で紹介

Chichibu Omotenashi Tourism Organization:Facebookページより引用

Chichibu Omotenashi Tourism Organization:Facebookページより引用

また、「秩父地域おもてなし観光公社」では、英語版Facebookページも運営しています。投稿はすべて英語で行われ、写真やテキストを中心に秩父の魅力を発信しています。

FacebookやInstagramなど、訪日外国人観光客の利用頻度の高いSNSの活用はインバウンド誘致において有効な手段なります。

<関連記事>

訪日外国人に人気のSNSまとめ:タイ、米国、豪州、英国のアプリストアランキング

先日「訪日外国人に人気のSNSまとめ:中国、台湾、香港、韓国のアプリストアランキング」として、東アジア各国のSNSの人気アプリのランキングをご紹介しました。今回は、その続編として、タイ、米国、豪州、英国のアプリストアでの人気SNSランキングをご紹介します。今回もAppAnnieというアプリストア分析ツールを使って、各国のApp Store‎(iPhoneアプリのマーケット)とGoogle Play(Androidアプリのマーケット)でのSNS関連アプリTOP5をまとめました。Google ...

訪日外国人に人気のSNSまとめ:中国、台湾、香港、韓国のアプリストアランキング

訪日外国人観光客に効率よくアプローチをしていくためにはSNS戦略が重要になります。それでは、各国のアプリストアではどのようなSNSアプリやメッセージアプリが人気なのでしょうか?今回はAppAnnieというアプリストア分析ツールを使って、東アジア各国(中国、台湾、香港、韓国)のApp Store‎(iPhoneアプリのマーケット)とGoogle Play(Androidアプリのマーケット)でのSNS関連アプリTOP5をまとめました。Google Playの集計については「SNS」と「メッセー...

秩父地域地場産業振興センターでは土産品など2800品の免税販売:訪日中国人に向け「銀聯カード」にも対応

秩父鉄道秩父駅にある「秩父地域地場産業振興センター」は、2016年9月から秩父産の食べ物やお酒、伝統工芸品など土産品、2800品の免税販売を始めました。

免税販売の導入に先立ち、クレジットカードの決済端末をレジ5カ所に設けたとのこと。また、訪日中国人観光客の間で広く使われている「銀聯カード」にも対応しました。

免税販売店で働く店員には、訪日外国人観光客向けの接客方法を学んでもらい、言語対策としては接客向け多言語対応サービス「接客指さし会話」を導入も行いました。

<関連記事>

指差しだけで英会話接客!?手軽に多言語対応できるツール「接客指さし会話」とは

訪日外国人観光客が増え続け、インバウンド関連でビジネスをしている企業にとっては嬉しい状況が続いています。しかしながら、インバウンドに関して特に力を入れていない小売店や飲食店にとっては、訪日外国人観光客に対する接客のオペレーションが増えてしまい、困っているという現状もあるでしょう。小売店や飲食店にとっての訪日外国人観光客対策といえば、決済関連と免税関連、および接客におけるコミュニケーションがあげられます。なかでも、接客におけるコミュニケーションは従業員の言語力に大きく依存する上、訪日外国人観...

鉄道駅周辺や主要観光施設など約20カ所にWi-Fi導入:SNSを通じた海外への情報発信が目的

特急レッドアロー号の「SEIBU FREE Wi-Fi」導入事例:西武鉄道より引用

特急レッドアロー号の「SEIBU FREE Wi-Fi」導入事例:西武鉄道より引用

秩父市では、訪日外国人観光客増加を受け、鉄道駅周辺や主要観光施設など約20カ所ににWi-Fi整備を進めています。

秩父駅を通る西武鉄道においても、9月より都心から秩父に向かう特急「レッドアロー号」にWi-Fiの導入を開始しました。

これにより、訪日外国人観光客が快適に情報を入手することができるようになります。

また、訪日外国人観光客がFacebookやTwitterInstagramなどを通じて、秩父での体験をシェアすることにより、潜在的なインバウンド誘致にもつなげることができるようになります。

秩父ではインバウンド誘致に「観光促進機関の設立」「土産品の免税販売」「Wi-Fiの導入」を実行

訪日外国人観光客誘致に向け、埼玉県秩父市では、上記でご紹介した通り、

  1. 観光促進機関「秩父地域おもてなし観光公社」の設立
  2. 秩父産の食べ物やお酒、伝統工芸品など土産品なの免税販売
  3. 鉄道駅周辺や主要観光施設など約20カ所のWi-Fi導入

を実施しました。訪日外国人観光客の地方増加が進むにつれ、地方の自治体の間でもインバウンド誘致はホットなキーワードになりつつあります。

埼玉県秩父市のインバウンドに向けた取り組みは、訪日外国人観光客の誘致を検討している自治体にとって参考になります。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

【初心者向け&学び直しに】インバウンドの最新情報を見逃さない!統計データの見方&情報収集のコツ


インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が登壇する、「インバウンドの最新情報を見逃さない!統計データの見方&情報収集のコツ」と題したセミナーを開催します。

新しくインバウンド事業の担当になった方や、改めてインバウンドについて学び直したいという方におすすめ!ランチタイムの30分間で、サクッと学べるセミナーとなっております。

<本セミナーのポイント>

  • インバウンドのトレンド把握に役立つデータや情報がわかる!
  • インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」を運営する副編集長 石橋が登壇!
  • ランチタイムの30分間でサクッと学べる!

詳しくはこちらをご覧ください。
【初心者向け&学び直しに】インバウンドの最新情報を見逃さない!統計データの見方&情報収集のコツ

【インバウンド情報まとめ 2024年4月】3月訪日外国人数「300万人」突破 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年4月版レポートから、3月〜4月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
3月訪日外国人数「300万人」突破 / 2月の世界航空需要、コロナ前から完全回復【インバウンド情報まとめ 2024年4月】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか? また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。
このセミナーでは、
新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない
方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!
詳しくはこちらをご覧ください。
→4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに