インバウンドでもJAグループが活躍 「農泊」で農協観光、民泊仲介サービスを手掛ける企業と業務提携

インバウンドでもJAグループが活躍 「農泊」で農協観光、民泊仲介サービスを手掛ける企業と業務提携

平成29年(2017年)2月17日、ICT(情報通信技術)を活用した観光関連事業などを手掛ける企業・百戦錬磨と農協観光(コミュニケーションネーム“エヌ・ツアー")が農泊推進に向け、業務提携したことが発表されました。

農泊は、2017〜2020年度を対象期間とする政府の観光立国推進基本計画の改定素案に盛り込まれたもので、農業、林業、漁業などの体験型宿泊をするグリーンツーリズムのことを指します。「農山漁村の体験型宿泊を全国500地域で展開する」「文化財を活用した観光拠点を200カ所設置する」などの目標が掲げられており、地域の観光振興には一役買ってくれるのではないかと期待されています。

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【地方誘致】コト消費で期待が集まるグリーンツーリズム「農泊」 全国500地域での展開を政府後押しへ

2017〜2020年度が対象期間となる、政府の観光立国推進基本計画の改定素案が2日に判明しました。改定素案では、農業、林業、漁業などの体験型宿泊であるグリーンツーリズム「農泊」を、全国500地域でビジネスとして展開するというものです。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションについてより詳しい資料のダウンロードはこちらコト消費に対応!インバウンド動画プロモーションについてネット上の有名人を活用したインフルエンサープロモーシ...

すでにさまざまな地域で類似の取り組みは行われているものの、これに比べるといずれも小規模。政府が打ち出しているような大々的な農泊の全国展開は、どのように行なわれるのかと疑問に思われている方もいるのではないでしょうか。百戦錬磨、農協観光によるプロジェクトでは全国のJAグループとの連携のもと、宿泊施設の用意などが行なわれる予定。つまり、農泊の全国展開に合わせて大規模な組織を作るのではなく、すでに存在する組織を活用しようというわけです。

今回は、農泊推進に向けたアプローチのひとつとして、百戦錬磨、農協観光の取り組みをご紹介します。

 

農泊推進に向け業務提携した百戦錬磨、農協観光とは?

農協観光:JAグループの一員として、農業体験ツアーなどを提供

農協観光は農業協同組合(JAグループ)の一員として、観光関連事業を行っている大手旅行代理店。同社のサービスを利用しているのは、主にJA組合員と言われていますが、実際には組合員以外でも利用することが可能。農業体験などを盛り込んだツアーなどの販売を行っています。

百戦錬磨

百戦錬磨は、宮城県仙台、東京都千代田区にオフィスを構える企業。ICT(情報通信技術)を活用し、旅行需要、交流人口を拡大させることを経営理念としています。以前にも、日本シェアハウス協会との業務提携のもと、安全な民泊の提供をコンセプトにした民泊仲介サービス「STAY JAPAN」を立ち上げており、訪日ラボでは記事として取り上げています。

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合法な施設のみを提供する民泊仲介プラットフォーム「STAY JAPAN」:安全性を高め、民泊本来の魅力

世界的に人気を博しているものの、宿泊業者や地域住民の生活に悪影響を及ぼすおそれが懸念されている民泊。世界的な観光地として知られるフランス・パリでは住宅不足、学級閉鎖などの悪影響を及ぼしていると言われています。高い需要があることから積極的な導入を求める声が上がっているものの、日本では慎重な対応が進められています。<関連記事>[blogcardurl=https://honichi.com/10346]そんな中、宮城県仙台市に本社を置く百戦錬磨は、日本シェアハウス協会と提携し...

また、今回の業務提携に強く関連していると思われるのは、同社が農林漁村余暇法に基づく「農林漁業体験民宿」の民間唯一の登録実施機関であること。単刀直入に言うと、かねてより農泊に関する取り組みを行っていた企業なのです。

 

JAグループの宿泊施設を利用するなどして、農泊をビジネスに!

発表によれば、今回の業務提携では百戦錬磨、農協観光両社の強みを活かした事業を行い、これまでボランティアの取り組みとして認識されがちだった農泊を、持続可能なビジネスとして成立させることを目指すとしています。

このために農協観光はJAグループの保有している資源などを活用し、以下のようなことを行うとのこと。

  • 全国のJAグループとの連携による遊休資産の宿泊施設としての活用
  • 農業体験プログラムの拡充
  • 観光施設とのマッチング

一方、百戦錬磨は子会社「とまれる」を通じて、自治体の許認可を受けた宿泊施設が利用できる「STAY JAPAN」の運営を行っており、東京、大阪などの都心部から地方の古民家、農林漁家体験民宿までさまざまな施設を扱ってきた経験が。このようなノウハウを活かし、インターネットを活用した集客やプロモーション、地元行政への手続きサポートなどを行うとしています。

 

まとめ:政府が打ち出した農泊の大規模展開は実現なるか……?

JAグループの一員である農協観光と民泊仲介サービスなどを手掛ける百戦錬磨が、業務提携することを発表しました。JAグループとの連携により遊休資産を宿泊施設として活用する、インターネットを活用した集客やプロモーションを行うなどして、政府が「農山漁村の体験型宿泊を全国500地域で展開する」「文化財を活用した観光拠点を200カ所設置する」などの目標が掲げている農泊推進に向けた取り組みを行っていくとしています。

なお、グリーン・ツーリズムの推進、農山漁村地域の活性化などを目的とした農山漁村余暇法が制定されたのは平成6年(1994年)のこと。その約10年後の平成17年(2005年)には同法の登録基準を満たせば、誰でも農林漁業体験民宿業者に登録できるよう改正されました。そして、さらにまた10年後の平成28年(2016年)にインバウンド市場の活性化を目指して農泊を推進する政府方針が発表されました。

該当する制度自体は以前から存在していたものの、ビジネスとして成り立たせるのが難しく、ボランティアの感覚で行なわれていたと言われる体験型グリーンツーリズム「農泊」。今回の取り組みで、いよいよ本格始動となるのでしょうか。政府は2020年を目処に活動を行っているので、向こう数年間の動向を見守りましょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!