訪日客の「地方へ」の流れにブレーキ?地方空港から入国する訪日客数の増加に歯止めがかかった2016年:裏には訪日客の地方訪問経路の変化が

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

訪日外国人97.4% は空路から入国しています。船舶を利用する訪日外国人は全体の2.6%を占めるのみであり、これからもこの傾向は変わらないでしょう。

一方、訪日外国人が入国する際の空港は、成田空港や羽田空港、関西国際空港など大都市圏に位置する空港であったり、大都市圏以外に属する地方空港であったりと 国籍や時期・訪日目的によって変化 します。

ここ数年にわたり、地方空港を使って日本に入国する訪日外国人の数は増加傾向でしたが、2016年になってその傾向にも歯止めがかかりつつある ようです。

2020年までに羽田空港の国際便が約1.7倍に:インバウンドビジネスでは市場拡大などの影響が

東京都にアクセスしやすく、世界でも有数の国際空港として知られる羽田空港。国土交通省がその国際便数増大に向けた取り組みを行っています。広く日本経済の活性化を狙ったものですが、このような交通機関の変化はインバウンドビジネスに大きな影響をもたらすでしょう。今回は2020年までに行われる予定の羽田空港の機能強化、その経済効果について解説します。 目次日本を代表する国際空港・羽田空港の国際便をさらに増加羽田空港の国際便増加による日本経済への影響2020年までに年間国際便発着数を約9.9万回に経済効果...

成田1強から変化 インバウンドの玄関口はどこだ!?訪日外国人の入国者数で見る空港・湾港ランキング

インバウンドのおもてなしの玄関口となる空港や湾港。その利用者数は、今まではゴールデンルートの出発点となる成田国際空港の1強でしたが、その勢力図に変化が見え始めています。今回は、訪日外国人観光客が日本のどこから入国しているのかを調査してまとめました。<関連>インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料でダ...

成田空港 訪日外国人利用者数が開港以来の最高値を記録 4月の運用状況を公開

東日本を中心とした日本のインバウンドの玄関口とも言える成田国際空港ですが、成田国際空港が2017年の1月から3月に加え、4月の速報値を2017年4月の運用状況として公開しています。これによれば、国際線外国人旅客数、つまり 訪日外国人観光客の利用者数は、単月で初の150万人を超え、1978年(昭和53年)の開港以来の最高値を記録 しました。実際の数字としてどのようになっているのかを詳しく見ていきましょう。目次成田国際空港の航空機発着回数 国際線、国内線共に4月として過去最高に航空旅客数も国際...

インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

地方空港から入国する訪日外国人観光客数は鈍化:大都市→地方の流れにも歯止めがかかる?

地方空港から入国した訪日外国人観光客の数・年別:国土交通省:地方空港におけるインバウンドの概況より数値を引用してグラフ化

地方空港から入国した訪日外国人観光客の数・年別:国土交通省:地方空港におけるインバウンドの概況より数値を引用してグラフ化

国土交通省の資料によると、地方空港から入国する訪日外国人の数は、2016年になって増加傾向に歯止めがかかったとのこと。

上記のグラフでご紹介しているようにここ5年間で地方空港から入国する訪日外国人の数は、毎年大幅な増加を見せていました。2014年から2015年にかけては、前年比+42.1%と直近5年間で最大の伸びを記録 しました。

しかし、2015年から2016年においては 伸び率は前年比+0.7% となっており、ここ数年の伸び率と比較すると、ほぼ横ばいといっても良いほどブレーキがかかっています。

そもそも、地方空港から入国する訪日外国人には、どのような特徴があるのでしょうか。

地方空港から入国する訪日外国人のうち95%が東アジア圏出身:中華圏で7割を占める

地方空港の訪日外国人の入国者数(国籍別):国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

地方空港の訪日外国人の入国者数(国籍別):国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

2016年に地方の空港から入国した訪日外国人観光客のうち、約95%が東アジア圏出身の訪日外国人観光客 です。内訳をみてみると、中国が33%で最も大きな割合を占めています。 また、中国に肉薄するかたちで台湾も31%を占めており、香港も合わせると 中華圏の出身の訪日外国人観光客が7割以上を占める 結果になりました。

しかし、東アジア諸国出身の訪日外国人の数は、2015年と比較しても大幅に増加傾向であるため、単に 「東アジア諸国出身の訪日外国人観光客数が減ったため、地方空港から入国する訪日外国人観光客数も減った」とは言えない ようです。

一方で、地方へのインバウンド需要は依然大きなものに:地方部のインバウンド宿泊者数は前年比+13.2%

訪日外国人の延べ宿泊者数:2015年と2016年の比較:観光庁の宿泊旅行統計調査の数値を引用してグラフ化

訪日外国人の延べ宿泊者数:2015年と2016年の比較:観光庁の宿泊旅行統計調査の数値を引用してグラフ化

先述の通り、地方空港から入国する訪日外国人は減っていますが、地方部へのインバウンド需要は依然大きい ようです。

観光庁による宿泊旅行統計調査によると、2016年、 地方部に滞在した訪日外国人観光客の数は前年比13.2%増加 しました。三大都市圏のインバウンド宿泊者数が+4.8% となっていることを加味すると、三大都市圏よりも地方部を滞在先に選ぶ訪日外国人観光客が増えている ことが把握できます。

地方へのインバウンド需要が依然大きいものであるにもかかわらず、地方から入国する訪日外国人観光客の数が減っている背景には何があるのでしょうか。

ポイントは地方訪問経路の変化:最近では地方中枢都市から入国し地方を訪問する訪日客数増加傾向に

訪日外国人の入国者数(空港別):2006年と2010年と2016年の比較:国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

訪日外国人の入国者数(空港別):2006年と2010年と2016年の比較:国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

国土交通省が発表した「地方空港におけるインバウンドの概況」によると、近年、福岡・中部・新千歳・那覇など、地方中枢都市に位置する空港から入国する訪日外国人が増えています。

上記のグラフで紹介しているように、福岡空港から入国した訪日外国人は、2006年には全体の5%でしたが 2016年には7%まで増加 しました。その他、新千歳空港、那覇空港でも訪日外国人の入国者数に増加が見られます。一方、羽田空港や成田空港、関西国際空港など 大都市圏に位置する空港から入国する訪日外国人の数の伸びは、地方中枢都市に位置する空港と比べると小さくなりつつある ことも把握できます。

上記のデータからわかることは、近年では地方中枢都市の位置する空港から入国し、その足で地方に滞在する訪日外国人の数が増えているということです。 以前であれば地方を訪れる際、大都市圏を経由、もしくは滞在先の地方都市に直接訪日する外国人が多い傾向にありましたが、最近では福岡や新千歳、那覇などから入国し、地方を訪問する訪日外国人が増えているようです。

まとめ:これからは地方中枢都市から地方へ?訪日外国人の地方訪問経路も変化しつつあるみたい

地方空港から入国する訪日外国人の数は、ここ数年急激に増えていましたが、2016年にはその増加傾向に歯止めがかかりました。

これは単に「地方に対するインバウンド需要が小さくなっている」ということではなく、訪日外国人が地方部に滞在する際の訪問経路が変化していることを表しており、近年では 地方中枢都市の位置する空港から入国し、その足で地方に滞在する訪日外国人の数が増えている ことがわかります。

「大都市から地方へ」の流れは未だに続いていますが、訪日外国人の地方訪問経路には変化の時が訪れつつあるようです。

訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションについてより詳しい資料のダウンロードはこちら

コト消費に対応する「インバウンド動画プロモーション」の資料をDLして詳しく見てみる

ネット上の有名人を活用した「インフルエンサープロモーション」の資料をDLして詳しく見てみる

インバウンドでは口コミが重要!「SNSプロモーション」の資料をDLして詳しく見てみる

人気インバウンドメディアを活用して情報発信!「インバウンドメディア」の資料をDLして詳しく見てみる

『コト消費』進む今だからこそ地方の特色が活きる 2018年に404億円の消費を狙う「秋田犬ツーリズム」とは?

近年、買物中心の「モノ消費」から体験型の観光を楽しむ「コト消費」へと需要が移ってきています。実はこうした「コト消費」は比較的似た風景になりがちな大都市圏ではなく、特産品、伝統工芸品、特徴的な気候、風景が魅力となる地方都市に適している とも言えます。今回はそうしたツーリズムの1つである「秋田犬ツーリズム」について詳しく見てみましょう。<関連>目次秋田犬ツーリズムの目的は、ブランド化による交流人口増加による地域経済の活性化と地域社会の持続的な発展大館市・北秋田市・小坂町エリアの観光客の実態は年...

地方のインバウンドの期待高まる結果に:訪日外国人が求める日本らしさ「桜」「温泉」「日本の自然風景」と最新の調査で判明

株式会社日本政策投資銀行と公益財団法人日本交通公社は、2017年6月29日から2017年7月12日の期間で、訪日外国人旅行者の意向調査を行ないました。これは欧米豪でも高まる日本旅行人気を受けて、訪日外国人が日本旅行をどのように捉えているのか という内容を理解するには最適な調査と言えるでしょう。調査対象となっているのは韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、アメリカ、 オーストラリア、イギリス、フランスの12地域で、インターネット調査によって様々な内容...

自治体のインバウンド地方誘致 何から始めればいいの?少し変わった方法で訪日客誘致を進める自治体のインバウンド対策例4選

訪日外国人観光客数が急激に増加しているここ数年の日本のインバウンド市場。インバウンドをターゲットにしているのは民間のみならず自治体もまた然り。近年では、日本国内の自治体は、訪日外国人観光客に足を運んでもらおうとさまざまな取り組みをしています。今回は、訪日外国人観光客誘致を目的に少し違った角度からアプローチする日本国内の自治体のインバウンド誘致例をご紹介します。インバウンド受け入れ環境整備についてより詳しい資料のダウンロードはこちら「翻訳・多言語化」に関する詳しい資料のダウンロードはこちら「...

<参照>

2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】


2024年も残りわずかとなりました。来年2025年は大阪・関西万博が開催されるほか、中国市場の回復などもあり、今年以上の盛り上がりが予想されています。2025年に向けて、訪日旅行者へ向けたマーケティング戦略を強化していきたいと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、株式会社movが毎月開催している「訪日ラボトレンドLIVE」をスペシャルver.としてお届け。今こそ知っておきたい「インバウンド×デジタルマーケティング戦略」を徹底解説します!

<本セミナーのポイント>

  • 観光・インバウンドに詳しい専門家3名が登壇!
  • 2025年に向けた「インバウンド×デジタルマーケティング」の戦略や施策について、「深掘り」した情報を「いち早く」「無料で」学べる!
  • 質疑応答の時間もご用意。インバウンドに関する疑問・お悩みについて、専門家から直接「ヒント」を得られる!

詳しくはこちらをご覧ください。

2025年最新版!インバウンド×デジタルマーケティング戦略【訪日ラボトレンドLIVE スペシャルver.】

【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに