訪日客の「地方へ」の流れにブレーキ?地方空港から入国する訪日客数の増加に歯止めがかかった2016年:裏には訪日客の地方訪問経路の変化が

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訪日外国人97.4% は空路から入国しています。船舶を利用する訪日外国人は全体の2.6%を占めるのみであり、これからもこの傾向は変わらないでしょう。

一方、訪日外国人が入国する際の空港は、成田空港や羽田空港、関西国際空港など大都市圏に位置する空港であったり、大都市圏以外に属する地方空港であったりと 国籍や時期・訪日目的によって変化 します。

ここ数年にわたり、地方空港を使って日本に入国する訪日外国人の数は増加傾向でしたが、2016年になってその傾向にも歯止めがかかりつつある ようです。

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地方空港から入国する訪日外国人観光客数は鈍化:大都市→地方の流れにも歯止めがかかる?

地方空港から入国した訪日外国人観光客の数・年別:国土交通省:地方空港におけるインバウンドの概況より数値を引用してグラフ化

地方空港から入国した訪日外国人観光客の数・年別:国土交通省:地方空港におけるインバウンドの概況より数値を引用してグラフ化

国土交通省の資料によると、地方空港から入国する訪日外国人の数は、2016年になって増加傾向に歯止めがかかったとのこと。

上記のグラフでご紹介しているようにここ5年間で地方空港から入国する訪日外国人の数は、毎年大幅な増加を見せていました。2014年から2015年にかけては、前年比+42.1%と直近5年間で最大の伸びを記録 しました。

しかし、2015年から2016年においては 伸び率は前年比+0.7% となっており、ここ数年の伸び率と比較すると、ほぼ横ばいといっても良いほどブレーキがかかっています。

そもそも、地方空港から入国する訪日外国人には、どのような特徴があるのでしょうか。

地方空港から入国する訪日外国人のうち95%が東アジア圏出身:中華圏で7割を占める

地方空港の訪日外国人の入国者数(国籍別):国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

地方空港の訪日外国人の入国者数(国籍別):国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

2016年に地方の空港から入国した訪日外国人観光客のうち、約95%が東アジア圏出身の訪日外国人観光客 です。内訳をみてみると、中国が33%で最も大きな割合を占めています。 また、中国に肉薄するかたちで台湾も31%を占めており、香港も合わせると 中華圏の出身の訪日外国人観光客が7割以上を占める 結果になりました。

しかし、東アジア諸国出身の訪日外国人の数は、2015年と比較しても大幅に増加傾向であるため、単に 「東アジア諸国出身の訪日外国人観光客数が減ったため、地方空港から入国する訪日外国人観光客数も減った」とは言えない ようです。

一方で、地方へのインバウンド需要は依然大きなものに:地方部のインバウンド宿泊者数は前年比+13.2%

訪日外国人の延べ宿泊者数:2015年と2016年の比較:観光庁の宿泊旅行統計調査の数値を引用してグラフ化

訪日外国人の延べ宿泊者数:2015年と2016年の比較:観光庁の宿泊旅行統計調査の数値を引用してグラフ化

先述の通り、地方空港から入国する訪日外国人は減っていますが、地方部へのインバウンド需要は依然大きい ようです。

観光庁による宿泊旅行統計調査によると、2016年、 地方部に滞在した訪日外国人観光客の数は前年比13.2%増加 しました。三大都市圏のインバウンド宿泊者数が+4.8% となっていることを加味すると、三大都市圏よりも地方部を滞在先に選ぶ訪日外国人観光客が増えている ことが把握できます。

地方へのインバウンド需要が依然大きいものであるにもかかわらず、地方から入国する訪日外国人観光客の数が減っている背景には何があるのでしょうか。

ポイントは地方訪問経路の変化:最近では地方中枢都市から入国し地方を訪問する訪日客数増加傾向に

訪日外国人の入国者数(空港別):2006年と2010年と2016年の比較:国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

訪日外国人の入国者数(空港別):2006年と2010年と2016年の比較:国土交通省「地方空港におけるインバウンドの概況」より数値を引用してグラフ化

国土交通省が発表した「地方空港におけるインバウンドの概況」によると、近年、福岡・中部・新千歳・那覇など、地方中枢都市に位置する空港から入国する訪日外国人が増えています。

上記のグラフで紹介しているように、福岡空港から入国した訪日外国人は、2006年には全体の5%でしたが 2016年には7%まで増加 しました。その他、新千歳空港、那覇空港でも訪日外国人の入国者数に増加が見られます。一方、羽田空港や成田空港、関西国際空港など 大都市圏に位置する空港から入国する訪日外国人の数の伸びは、地方中枢都市に位置する空港と比べると小さくなりつつある ことも把握できます。

上記のデータからわかることは、近年では地方中枢都市の位置する空港から入国し、その足で地方に滞在する訪日外国人の数が増えているということです。 以前であれば地方を訪れる際、大都市圏を経由、もしくは滞在先の地方都市に直接訪日する外国人が多い傾向にありましたが、最近では福岡や新千歳、那覇などから入国し、地方を訪問する訪日外国人が増えているようです。

まとめ:これからは地方中枢都市から地方へ?訪日外国人の地方訪問経路も変化しつつあるみたい

地方空港から入国する訪日外国人の数は、ここ数年急激に増えていましたが、2016年にはその増加傾向に歯止めがかかりました。

これは単に「地方に対するインバウンド需要が小さくなっている」ということではなく、訪日外国人が地方部に滞在する際の訪問経路が変化していることを表しており、近年では 地方中枢都市の位置する空港から入国し、その足で地方に滞在する訪日外国人の数が増えている ことがわかります。

「大都市から地方へ」の流れは未だに続いていますが、訪日外国人の地方訪問経路には変化の時が訪れつつあるようです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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