UNWTO(国連世界観光機関)が発表した「World Tourism Barometer」によると、2016年の中国人観光客の海外旅行支出は総額で 26兆円 でした。2015年と比較すると 1兆円ほど増加 しており、世界全体の旅行支出額の 20% を占めるほどに成長しています。日本のインバウンド市場のみならず、中国人観光客はこれからも世界中の国にとって大きなターゲットになってくるでしょう。
近年、中国人の海外旅行のスタイルはどのように変わっていっているのでしょうか。Expedia Media Solutionsの資料を基に4回に分けて中国人の海外旅行市場の全貌を紐解いていきます。今回は、中国人の海外旅行市場の大まかな概要について 確認してみましょう。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
[中国人の旅行への意欲はどれくらい?]過去1年間に中国人は平均で5.3回旅行をしている
中国人は、過去1年間で 平均5.3回 旅行をしています。Expedia Media Solutionsで同じく調査対象になったオーストラリア、日本と比較しても多い回数となっています。中国人の間で、 旅行意欲は高い ものとなっていることが把握できます。
[中国人はどれくらい滞在している?]旅行時は平均で6.3日滞在:訪日旅行時は11日
過去1年間に旅行した中国人は、平均で 6.3日間 旅行先に滞在しています。観光庁の「訪日外国人消費動向調査 平成28年度版」によると、訪日中国人観光客は訪日旅行時は、平均で 11.8泊 日本に滞在しているため、訪日旅行となると他の国を旅行する場合よりも 滞在期間が長くなる傾向に あるようです。
[どれくらいの中国人が海外旅行に行っているのだろうか]過去1年間に海外旅行した中国人は全体の27%
過去1年間で海外旅行をした中国人の割合は、全体の 27% にあたります。この数は日本よりも13ポイント以上多く、オーストラリアより18ポイント少ない結果です。海外旅行ブームが起きている中国ですが、海外旅行者の割合は比較的少ない模様。
[中国人は何故旅行する?]リラックスするためとの回答が全体の74%を占める結果に 観光よりも高い数値
過去1年間に旅行をした中国人のうち、74%は「リラックスすること」を目的に旅行 しています。この数値は、同レポートで調査対象となったオーストラリア、日本よりも 20ポイント以上多い 数値です。また、中国人観光客の旅行目的として特筆するべき点が 「ビジネスと観光」を合わせた旅行が人気 となっている点。44%の中国人は、ビジネスと同時に観光もしている ようです。この数値は、日本・オーストラリアよりも 30ポイント以上高い 数値です。
[中国人観光客に人気の滞在先は?] ホテルに宿泊する中国人は全体の75% 民泊系サービスの利用者は全体の6%
過去1年に旅行した中国人のうち、75% はホテルに宿泊しています。その他では、リゾート地(11%)、民泊系サービス(6.0%)を利用する中国人もいるようです。以前の訪日ラボの記事でもご紹介したように中国では民泊サービスが普及しており、途家(トゥージャー)、自在客(ズーザイクー)、小猪(シャオジュー)などの民泊サイトは多くの中国人観光客に利用されているものですが、海外旅行時の利用率はそこまで高いものではありませんでした。
まとめ:過去1年の中国人の海外旅行動向は上記の数を参考にしよう
今回は、Expedia Media Solutionsの海外旅行動向レポートをもとに、中国人の過去1年における海外旅行の特徴を解説してきました。覚えておくべき点は以下の点です。
- 旅行する回数は多いものの海外旅行者数は全体の27%にとどまる
- 「リラックスすること」を目的とした旅行が人気
- 「ビジネス」「観光」のセットも人気の旅行形態に
次回は中国人が どのように観光地を選んでいるか に重点を置いて、中国人人のアウトバウンド市場を解説していきます。
<参照>
- Expedia Media Solutions:ASIA PACIFIC TRAVEL TRENDS 2017
- 観光庁:訪日外国人消費動向調査 平成28年度版
【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※
外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!
さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。
成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!
最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方、
業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。
今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?
皆さまのご参加をお待ちしております!
<応募者特典>
-
イベント登壇企業の各種お役立ち資料
※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません -
本イベントのアーカイブ動画(1週間)
<本セミナーのポイント>
- 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演 - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
- 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
- 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介 - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
- トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
- 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
- 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス
詳しくはこちらをご覧ください。
→【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!