観光庁が発表した「外国人旅行者に対するアンケート調査結果」を見ると、訪日外国人観光客が日本滞在中にもっとも困ったことの第4位に「公共交通の利用方法(乗り方)、利用料金」が挙げられています。
東京は交通網が整備されていてタクシーの量も豊富、そのうえ電車や新幹線といった公共交通機関が充実しています。便利な反面、東京駅や池袋駅、新宿駅は複数の路線が乗り入れており、使い慣れている日本人でもわかりづらく感じます。はじめて日本を訪れた訪日外国人観光客が「わかりづらい」「駅構内が複雑すぎて乗り換え方法がわからない」と不満に感じるのも無理はありません。
では、訪日外国人は日本滞在中、観光スポットへ向かい際の移動手段はどうしているのでしょうか?
訪日外国人の日本での移動手段は?
NTTデータが2017年4月に公表した「旅行者移動実態調査」によると、訪日外国人観光客の移動手段は、JRや私鉄といった公共交通機関が中心で、飛行機に乗って広域移動をしたり、バスで地方の隅々まで行ったりするのは少数派のようです。
訪日外国人が感じる日本の交通機関のここが不満
タクシー料金が高い
2017年に、タクシーの初乗り料金が730円から410円に引き下げられました。1メーターで行ける範囲であれば、500円でお釣りが来るため安い料金で移動することが可能です。しかし、長距離の移動となると237mごとに80円ずつ加算されていくため、2km2,000円近くかかってしまうことも。そのため、訪日外国人観光客からすると、「日本のタクシー料金は高すぎる」とネガティブなイメージを持たれてしまいます。
英語や中国語に対応できない乗務員が多い
近年は、タクシー乗務員に英語研修を義務化するタクシー会社も多くあります。しかし、訪日外国人観光客の多くが、「行き先を伝えたけど全然言葉が通じなかった」というコミュニケーションの取りづらさに不満を感じています。そのため、タクシー業界では今一度多言語に対応できる基本的な語学力を見につける必要があります。
電車の乗り換えが複雑すぎる
日本の公共交通機関は複雑で、特に乗り換えは乗り慣れていなけば日本人でも難しく感じます。訪日外国人ならなおさらです。また、駅の係員や窓口のスタッフに目的地までの乗り換え方法や出口の場所を聞いても、言語がまったく通じないという問題が発生しています。駅構内に多言語に対応した看板表記を設置する、指差し会話のパンフレットを用意するなど、何かしらの対策をとらなければなりません。
バス会社のインバウンド対策
多言語対応のアクティビティ予約サイト「WannaTrip(ワナトリップ)」が 日の丸自動車興業株式会社と提携
株式会社アドベンチャーが運営するアクティビティ予約サイト 「WannaTrip」は、日の丸自動車興業株式会社と提携し、インバウンド向けのアクティビティを拡充することを発表しました。
「WannaTrip」は国内、海外の観光地のオプショナルツアーやアクティビティなどをウェブ予約できるサービスです。
英語、中国語、韓国語を含めた合計18言語に対応し、ツアーは、日の丸自動車興業が手がける「スカイホップバス」や「スカイバス東京」、「スカイダック」に乗って都内を巡るというものです。
「スカイホップバス」と「スカイバス東京」は日本初の2階建てオープントップバスで、360°の開放感を味わいながら観光することができます。英語、中国語、韓国語の音声ガイダンスがあり、無料のWi-Fiも利用できます。
「スカイホップバス」は1日券(24時間)と2日券(48時間)の用意があり、有効期間内なら何度でも乗り降り可能です。「WannaTrip」では、「スカイホップバス」、「スカイバス東京」で東京の名所を巡るツアーや「スカイダック」で亀戸を巡るツアーを提供し、「スカイホップバス」は、訪日外国人観光客から人気の「浅草・東京スカイツリーコース」、「お台場コース」、「六本 木・東京タワーコース」など、バリエーションに富んだコースが充実しています。
【ツアー概要】
スカイホップバス
価格: 24時間大人2,500 円/子供(6~11歳) 1,200円
48 時間大人3,500 円/子供(6~11歳) 1,700円
スカイバス
皇居・銀座・丸の内コース
価格:大人1,600円/子供(6~11 歳) 700円
所要時間:約59分
東京タワー・レインボーブリッジコース
価格:大人1,800円/子供(6~11 歳) 800円
所要時間:約50分など
まとめ
タクシー乗務員が外国語を話せるように教育体制を見直す、英会話研修を必須にする、自動翻訳アプリを導入するといった方法で、訪日外国人観光客の不満を解消していくことが必要です。
- arrange:データから見る訪日外国人の足取りと交通手段
- タビリス:訪日外国人観光客は「日本旅行」のどこに不満を感じているか。1位は乗り物で「交通費が高すぎる!」
- PR TIMES:多言語対応のアクティビティ予約サイト「WannaTrip(ワナトリップ)」が日の丸自動車興業株式会社と提携
- 観光庁:「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果
- NTT DATA:訪日外国人旅行者移動実態調査について
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!