こんにちは、クロスシー編集部です。今回は中国のリサーチ機関「極光ビッグデータ」が4月に発表した「2019年SNS業界リサーチレポート」から、中国の二大SNS、WeChatとWeiboの最新利用傾向を紹介します。
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WeChatやWeibo、中国SNS業界の基本情報
2019年2月時点での中国のSNSユーザーはのべ9.37億人となっています。一時の爆発的流行やユーザーの拡大と比べてある程度落ち着いてきたものの、依然として一定の増加率を保っています。
- メッセンジャーアプリ…WeChat、QQなど
- マイクロブログ…Weiboなど
- BBS…「Baidu Tieba(百度貼ba)」、「天涯社区」、「Douban(豆瓣/ドウバン)」など
- マッチングアプリ…「探探(Tantan)」「陌陌(momo)」など
- コンテンツSNS…「最右」など

最近は特に掲示板のようなタイプや「コンテンツSNS」と呼ばれる形式のサービスでユーザーが増えています。掲示板やコンテンツSNSはショートムービーや短文投稿と異なり、長文の投稿が行われ、これにに対しコメントが付けられていきます。

WeChatのSNS機能(モーメンツ)について、今回の調査で年代別では60後(50代)が最も頻繁に使っている様子が見られました。モーメンツと呼ばれる自分のタイムラインの閲覧回数や、更新回数が昨年よりも増えています。
男女によるSNSユーザーの関心領域の違い~男性はニュース、女性はグルメ~
今回の調査ではSNSユーザーの男女それぞれで、どの領域に関心が高いかを質問しています(複数回答)。その結果、男性のトップ5は「ニュース」(49.6%)、「軍事関係」(40.5%)、「映画」(36.4%)、「歴史」(35.9%)、「科学技術」(33.5%)、また6位は「スポーツ・健康」(32.0%)となりました。
女性の1位は60.7%の支持を得て「グルメ」となっており、SNSユーザーであれば女性の方が圧倒的に食に興味があることがわかりました。また2~5位は「映画」(48.9%)、「ファッション」(43.1%)、「スポーツ・健康」(41.9%)、「旅行」(35.8%)となっています。
男女共通して「映画」「スポーツ・健康」に関心が高いこと、旅行やアニメに関心が高いのは女性だということがわかります。中国市場への日本製品や日本旅行の訴求では、こうした領域から切り込んでいったり、特に旅行に関しては女性にターゲットを絞ってプロモーションを設計したりすることで、売上につながっていくという仮説が立てられるのではないでしょうか。

WeChat:最新デイリーアクティブユーザー数・マンスリーアクティブユーザー数・各種機能
2019年2月のWeChatのデイリーアクティブユーザー数(DAU)は6.48億であり、過去1年間でほぼ一貫して増加を続けています。マンスリーアクティブユーザー数(MAU)は9.9億、インストール率は85.8%です。この高い浸透率が「中国人ならば必ず使っている」という枕詞を生み出しています。

1日の平均利用時間は64分、平均起動回数は17回となっています。
WeChat Payとサードパーティツール
WeChatのメインの機能はテキストや音声でのメッセージの送受信ですが、それ以外にも生活の様々なシーンでこのアプリを利用しています。例えば決済・送金機能のWeChat Payで飲食や購入物の支払いを済ませたり、サードパーティツールにより手軽にタクシーが呼び出せたり映画チケットを購入できたりします。
ミニプログラム
また「ミニプログラム」を起動すれば、スマホアプリが提供できるおおよそすべてのサービスをこのアプリの中で利用できるということになります。ユーザーは日々これらの機能を利用して生活しています。
モーメンツ(朋友圏)
SNS機能である「モーメンツ」には写真とテキストによる日常風景や家族の成長を報告するものや、友人におすすめめしたい店舗やグッズなどの紹介、また時にはソーシャルバイヤーとして自分が販売する商品の宣伝などが投稿されています。


WeChat公式アカウント
またWeChatには「公式アカウント」(公衆号)と呼ばれる機能があります。フォローしたブランドやメーカーなど企業のアカウントからは、チャットスレッドに情報が配信されてきます。
この公式アカウントの利用動向について、男女ともに「気になる公式アカウントは定期的にチェックする」が40%を超えています。また、「フォローしている公式アカウントはすべてチェックしている」割合は全体の18.4%となりました。
今回の調査では、回答したユーザー全体の90%近くが公式アカウントの内容をチェックしています。WeChatの公式アカウントを活用した日本製品のプロモーションや、訪日中国人の旅行中の購買促進にも効果を発揮すると考えられます。

WeChat (微信:ウィーチャット) とは?ユーザー10億超え人気中国SNSの概要・インバウンド対策事例
「WeChat(微信:ウィーチャット)」は、中国の大手IT企業「テンセント社が提供するSNSアプリ」です。2018年10月時点の月間アクティブユーザー数は10億を超え、世界でもトップクラスにユーザーが多いアプリです。 この記事では、WeChatの機能や使い方、中国人のユーザーが多いWeChatを活用したインバウンド対策を実施している企業の活用事例を解説します。 関連記事WeChatとは? 基本機能と使い方WeChat(微信)のアカウントID登録方法 [com_category_...
Weibo:DAU1億超、MAU3億、広告収益は過去最高を更新
続いて中国版Twitterの「Weibo」の最新データです。デイリーアクティブユーザー数(DAU)は1.07億、マンスリーアクティブユーザー数(MAU)は3.11億です。またインストール率は32.6%です。

DAU、MAUとも過去1年間で減少を続けているものの、MAUは回復傾向もあり、また減少したとはいえ約3億のユーザーがアクティブに利用しています。まだまだ主要なSNSとしての地位は揺らいでいないと言えるでしょう。1日の平均利用時間は34分、平均起動回数は5.2回となっています。
広告収益も過去最高を更新しており、以下のような点でWeChatとの使い分けがなされていると考えられます。
WeChatと比べ、メッセージング機能が日常的に活用されるものではないため、主に情報収集のための閲覧が多くなっています。
速報性のある情報をWeiboからキャッチしたり、面白いと感じた情報はシェアしたり、女優など著名な人物の発信を追いかけたりといった目的で活用されています。
今回の調査では、自分でオリジナルの文章やコンテンツを公開するのは34.7%、仲の良い友人の情報をチェックするのは28.0%にとどまりました。こうした「自分からの発信」がWeChatに比べておとなしい傾向にあるのも、「Twitter」との類似性かもしれません。
Weibo(ウェイボー)とは?中国SNSの機能・活用術・事例
中国版Twitterとも言われるWeibo(微博:ウェイボー)は、 7億人以上のユーザーを抱える中国の巨大SNSサービスです。 中国ではFacebookなど外国発のSNSは規制を受ける一方で、WeChatなど独自のSNSが発達しています。そのため、中国の独自のSNSを活用することは、インバウンドマーケティングの第一歩として非常に重要です。 この記事では、Weiboの基本機能やインバウンドへの活用法、Weiboを活用した集客事例についてご紹介します。 関連記事有名人が次々と中国SNSに...
二大SNSをおさえつつ、各SNSの持つコミュニティや属性にも注目を
中国のSNSでは、WeChatはもちろん、Weiboもこれまでと変わらず数億規模の大きなコミュニティを形成していることがわかりました。スマホユーザーはこれらのSNSを利用して、情報収集や自分の琴線に触れたコンテンツをシェアしています。中国人に向けて情報発信をし、口コミを形成するためには、ウェブメディアの利用だけでなく、こういったSNS内にコンテンツを展開することが肝要であることがわかります。
中国向けマーケティングを成功につなげるには、今後はWeChat、Weiboに加え、BBSやコンテンツSNSといったユーザーを拡大しつつあるSNSの動向の動向にも注意を払うべきでしょう。こうしたプラットフォームを情報拡散の手段として利用し、またサービスごとのユーザーの属性の違いを生かしてファンを形成していくことが、インバウンド市場での成否を分けるはずです。
<参照>
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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