QRコードがあれば「スマホでお賽銭」もOK!世界のスタンダードに追いつく日光、キャッシュレス化とインバウンド富裕層誘客にまい進

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10万人の外国人旅行者が宿泊する栃木県日光市は、2020年7月に外資系ホテル「ザ・リッツカールトン日光」が開業するなど、ますます多くのインバウンド客が訪れることが予想されます。

日光市ではインバウンド需要の高まりに伴い、キャッシュレス化を推進し受け入れ整備を強化しています。

今回は日光市のインバウンド誘客に対する課題をふまえ、日光市の新たなインバウンド対策と、全国で進むキャッシュレス化の動きについて見ていきましょう。



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日光市のインバウンド誘客の課題とは?

年間約10万人の訪日外国人観光客が宿泊する日光市では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えた今、今後さらなる訪日外国人観光客誘致に向けてプロモーション事業と受け入れ態勢の整備に取り組んでいます。

プロモーション事業としては、海外の旅行博への出展インフルエンサーの招聘、海外の旅行会社への情報発信などを積極的に実施中です。

受け入れ態勢整備においては、レストランなどのメニューや観光案内の看板の多言語化、11言語の観光パンフレットの作成、多言語観光アプリの運用などに取り組んでいます。さらに成田空港から日光まで行ける高速バスの路線を設けるなど、二次交通対策にも余念がありません。

一方で東京からのアクセスの良さから、日帰り観光で訪れるインバウンド客の割合が多く、日光市の2018年の外国人宿泊者数は前年比8.6%減の9万2968人となりました。

宿泊者数の減少から消費単価の伸び悩みも課題の1つです。訪日客にとって日光の観光のハイライトは「日光東照宮」といった傾向があり、他の観光エリアには足を運ばずに東京へ日帰りで帰るといったケースが多くなっています。

海外の旅行会社でも、日光への観光は宿泊とセットではなく日帰りオプションとしての販売がほとんどとのことです。

▲日光東照宮
▲日光東照宮

そこで日光市は、定番観光地の日光東照宮」を起点として、他の観光スポットへの周遊ルートの情報発信に努め、インバウンドの宿泊者数増加を目指しています。

中でも消費単価が高く旅行日数に余裕がある欧米豪は、日光市への訪問数が上昇していることを受け、主要ターゲットとして重点的にプロモーションを実施中です。2020年7月には高級ホテルの「ザ・リッツカールトン日光」が開業することもあり、欧米豪富裕層の誘致ならびに消費単価の上昇が期待されます。

お賽銭も電子化!キャッシュレスサービス開始

世界遺産日光東照宮の隣に位置する日光二荒山神社では、QRコード決済でお賽銭を支払うことができると話題です。

通常の現金のお賽銭箱の隣に立つ赤い看板に、QRコードが表示されており、読み取って専用ページからお賽銭を収めることができます。現在はAlipayWeChatPayPayのみ利用可能ということで、訪日中国人観光客をターゲットにした取り組みと言えるでしょう。

日光市の観光スポットではQRコードのサービス拡充を行っており、二荒山神社の麓にある神橋をはじめ全9箇所にQRコードが表示された看板が設置されました。QRコードを読み取り観光地の説明を多言語で読む、または聞くことも可能です。観光案内の多言語対策においても、デジタル化が進んでいると言えます。

輪王寺では、電子マネーが利用できる拝観料の自動券売機を導入しました。英語中国語、ドイツ語、フランス語など全9ヶ国語対応なだけでなく、SuicaなどのICカードやクレジットカード決済できます。

日光東照宮でも交通系ICカードが使える自動券売機を設置するなど、日光の観光地では電子マネー化を進めることで、利便性向上ならびに混雑解消を目指します。

インバウンドのキャッシュレス事業、10市町村で開始

2019年2月より「インバウンド×キャッシュレス地域経済活性化最先端モデル事業」が、全国の10市町村で開始されました。

地域活性化への貢献を目指し、訪日外国人観光客誘致へ向けてキャッシュレス端末導入を進めます。同事業を実施する株式会社ラカラジャパンは、地域活性化推進首長連合に加盟する自治体の全ての事業者に対し、通常なら数万円の経費が必要となるモバイル決済端末またはQRコードを用いたキャッシュレス決済ツールを、無償で提供するとのことです。

今回同事業が実施されるのは、山形県山形市福島県郡山市新潟県三条市、同弥彦村、静岡県三島市、同伊豆市、愛知県蒲郡市、三重県菰野町、大阪府泉佐野市福岡県大川市です。

中国最大のチャットアプリWeChat」での情報発信や誘客支援を行うほか、地域通貨自治体Pay」も導入することで、インバウンド向け商品や観光資源の開発支援も実施します。

キャッシュレス化による利便性向上でインバウンドの地方誘客と消費拡大へ

日光市における外国人宿泊者数の低迷と消費単価の伸び悩みといった課題をふまえ、日光の観光地で実施しているQRコードによるキャッシュレス決済サービスについて紹介しました。観光地におけるキャッシュレス化は、2020年の東京五輪開催に伴う訪日外国人観光客の急増に備え混雑解消への手段の1つとして効果的でしょう。さらに訪日旅行の利便性向上にも繋がることから、地方誘客ならびに消費行動の拡大が期待されます。




<参考>

・JTB INBOUND SOLUTION:栃木県日光市あらゆる場面でデジタル化を推進

・日本経済新聞:宇都宮市と日光市、観光客数過去最高に 2018年

・訪日ラボ:インバウンド×キャッシュレス事業、10市町村で2月開始

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

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詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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