訪日外国人観光客の嗜好を把握する上で、国や地域別、世代別、旅行スタイル別にタビマエから詳しく理解するためには、質の高い通訳案内士やガイドの活用が効果的です。
今回は、東南アジアや欧米など、インバウンドの市場別の訪日旅行で期待することや嗜好をふまえ、通訳案内士・ガイドから見るインバウンドの団体観光客の現状や、リピーター獲得の鍵について見ていきましょう。
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東南アジアからの訪日客は「娯楽」
欧米からの訪日外国人観光客は通訳ガイドに歴史や文化の質問を積極的にする傾向があり、写真に夢中になるケースは少ないとのことです。
一方で、東南アジアからの訪日外国人観光客は、写真を撮ることがメインコンテンツになります。観光バスの中での過ごし方も、欧米人観光客は質疑応答がメインなのに対し、東南アジアからの訪日客は車内でカラオケを楽しむなど、娯楽への関心が高いように見えます。
東南アジアからの訪日客の中でも国ごとに人気のある観光地の嗜好に違いがあります。
ミャンマーでは仏像をお土産として配る習慣があるため、ミャンマーからの団体観光客は必ず鎌倉を訪れ、大仏を拝んだ後に小さい仏像を購入していたとのことです。事前に訪日客の出身国の文化などの特徴を把握した上で、旅程や対応を臨機応変に変化させることが重要でしょう。
ガイドの豊富な知識で団体観光客の満足度向上へ
インバウンドの団体観光客の多くは、現地の旅行会社のツアープランに申し込みます。
申込みに際し東南アジアでは、ショッピングモールなどで実施される旅行見本市や旅行関連イベントに足を運び、情報収集をした上で申し込むケースが多いようです。旅行のスケジュールは、日本のランドオペレーターや旅行会社が決めたものに沿うケースが多くなります。
訪日外国人の団体観光客のガイドとして必要なスキルは、時間のコントロールや旅程の把握だけでなく、全国各地の有名観光地の基本知識や、日本に関する一般的な観光情報の提供も含まれます。
訪日インド人の団体観光客は、欧米人以上に歴史や日本について関心を持ち、非常に深い部分まで掘り下げて質問してくる傾向にあるとのことです。より団体観光客の満足度を向上させるためには、通訳案内士試験にも出題されるような、日本の文化や歴史に関する豊富な知識の習得が求められるでしょう。
訪日客に人気の観光ルート、北海道や昇龍道への注目度も上昇中
インバウンドの団体観光客は、1週間程度の中期滞在が多く、東京から京都や大阪を訪れる「ゴールデンルート」を巡るプランが多い傾向にあります。特に初めての訪日旅行の場合、日本の定番観光地を一気に巡ることができるため、人気が高いようです。
一方で、北海道や中部を周遊する昇龍道など、地方を巡るツアーへの注目度も上昇傾向にあります。北海道では雪や自然体験、昇龍道では豊かな自然景観を楽しむといったニーズが高まっており、アルペンルートや白川郷への訪問に興味を示すケースも増加しているとのことです。
このように、FITでは地方への訪問やより個人の嗜好に合ったプランが求められますが、団体旅行で人気の観光コンテンツは、有名観光地への訪問やショッピングが主流で、依然として日本の生活体験などの機会は少ない傾向にあります。
団体観光客の中でも特にアジア圏からの訪日客は、ショッピングの自由時間がFITに比べると多く、大型テーマパークを好むケースが見受けられます。
欧米人観光客は、歴史や文化に関心を持つ傾向にあるため、神社仏閣の見学に充てる時間を多めに取るといった対応をしています。通訳ガイドが出身国ごとの嗜好に合わせた旅程を組み、臨機応変に対応することが、満足度向上に効果的であると言えるでしょう。
まとめ:質の高い通訳ガイドを活用し、インバウンドの団体客の満足度向上へ
通訳案内士・ガイドの視点から、インバウンドの団体観光客における嗜好の傾向を見てきました。出身国ごとの訪日旅行に対する興味関心や、団体観光客とFITにおける嗜好の違いの傾向を把握し、日本の文化や歴史に関する豊富な知識を持つ質の高い通訳ガイドは、訪日客の満足度を向上し、リピーター獲得に対する効果が期待されるでしょう。
<参考>
・JTB INBOUND SOLUTION:リピーターを獲得には 通訳案内士・ガイドの活用を
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