2015年の訪日外国人は1,973万人|前年比47.1%増の理由・消費額・2018年までの推移・インバウンド関連出来事も紹介

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2018年の訪日外国人数3,119万人を記録し、前年比+8.7%の伸びを見せました。ここ数年の訪日外国人数の増加率には目を見張るものがありますが、このような訪日観光業界の成長の勢いが最初に見られたのは2015年です。

この年、訪日外国人客数は1,973万人と前年比+47%もの増加を示しました。インバウンド消費額は3兆4,771億円で、こちらも前年比+71.5%と大きく成長しています。

その後、インバウンド旅行消費額の成長は鈍化しており、2020年に8兆円という目標が政府により掲げられているものの、見通しはあまり明るくありません。この目標の達成には富裕層の取り込みが必要と見られており、富裕層が好むスポーツを取り入れたプランや、高級列車や高級客船といった特別感のある体験を含む旅行商品の販売が今後注目を集めていきそうです。

この記事では、人数・消費額の両方で急成長した2015年のインバウンド市場および訪日外国人客数の推移、インバウンド市場に影響を与えた出来事について解説します。 


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2015年の訪日外国人は1,973万人

2015年の訪日外国人客数は1,973万7,409人で、前年比では47.1%増と大きな伸びを記録しました。当時の過去最高となっています。

これほどの伸びを記録した主な要因としては、円安が続いた為替市場の動きや燃油サーチャージ値下げによる航空運賃低下消費免税制度の拡充などの経済的要因に加え、ビザ発行要件の緩和航空路線の拡大などの社会的要因があると考えられています。 

国・地域別では韓国が最多

順位 国・地域 人数
1位 台湾 282万人
2位 韓国 275万人
3位 中国 240万人
4位 香港 92万人
5位 アメリカ 89万人
順位 国・地域 人数
1位 中国 499万人
2位 韓国

400万人

3位 台湾

367万人

4位 香港 152万人
5位 アメリカ 103万人

上記は、2014年、2015年における訪日外国人数の内訳を国・地域別にまとめた表です。

中国からの訪日客数が最大市場となったのは初めてのことで、前年比107.3%2倍以上の伸びを記録しました。その他市場においても主要20市場ではロシアを除く19市場で過去最高の訪日客数を記録しました。

また、米国からの訪日客数は欧米圏で初めて100万人を突破し、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムの東南アジア6市場の合計では200万人を突破するなど、それぞれの市場で着実に規模を拡大しています。 

2015年~2018年の推移

昨年2018年にはいよいよ年間の訪日外国人客数が3,000万人の大台を突破し、2015年から2018年では57.5%の伸び率となっています。

着実に数字を伸ばしてはいるものの2015年に前年比で47.1%もの伸びを記録していることを鑑みると、その伸び率はやや落ち着きを見せているといえるでしょう。 

2015年のインバウンド消費は3兆4千億円

2015年のインバウンド消費額は3兆4,771億円で前年比+71.5%と、訪日外国人客数と並び大きな伸びをみせています。1人あたり消費額でみても16.5%の伸びを示しており、2015年のインバウンド市場は順調に推移しました。

2015年のインバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)

2015年のインバウンド市場全体の消費額は前年比+71.47%の大幅なプラスで3兆4,771億円と、あっさりと3兆円を超え。円安の影響をうけ、訪日外国人一人あたり消費額も前年比+16.53%の176,168円となりました。

 

2015年~2018年の推移

2015年には前年比で1兆円以上の伸びを記録したインバウンド消費額ですが、こちらも2016年以降は若干の伸び悩み傾向が表れています。2015年から2018年では約1兆円の増加となりました。

インバウンド消費が過去最高記録!観光庁「訪日外国人消費動向調査」からわかるトレンドについて解説

2018年のインバウンド消費額は、過去最高を記録しました。しかしながら、以前に比べ消費額には伸び悩みが見られました。今回は、観光庁より発表された国・地域別総消費額や一人当たり消費額のデータから、訪日外国人の消費傾向を分析します。その上で、今までのアジア圏を主なターゲットとした誘致に対し、さらなるインバウンド消費増大を目指すための新たな指針を紐解いていきます。また、この記事では「モノ消費」から「コト消費」という訪日外国人の消費トレンドの変化について近年のデータを参考に検証し、今後の消費傾向を...

 

他の年のインバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)を見る

訪日ラボでは2011年から2017年の各年ごとのインバウンド消費データをまとめています。下記のページでは、それぞれの年のインバウンドデータや市場の推移について解説しています。 

2015年に起きたインバウンド関連出来事は?

2015年には、インバウンドにかかわる大きな出来事が2つありました。それが北陸新幹線の開業新国立競技場建設計画および五輪エンブレムの白紙撤回です。以下では、それぞれ詳しく解説します。

北陸新幹線の開業

2015年には北陸新幹線の開業により、これまで東京〜長野間で運行されていた路線が石川県の金沢まで延長されました。

東京駅から金沢駅までを直接結ぶ北陸新幹線の開業は日本を訪れる外国人観光客にとって大きなメリットであり、人気観光地でありながらも交通の便の悪さは否めなかった金沢市にとっても、さらなるインバウンド市場拡大の可能性を感じさせる出来事となりました。

金沢市の北陸新幹線の開通をまたぐ9年間のデータを参照すると、訪日外国人のみを対象とする年間宿泊者数は4.6倍にも増加しており、北陸新幹線開通の影響力の大きさを物語っています。 

知名度皆無も75%がリピーター!北陸地方は訪日客にとっての穴場スポット?アンケート調査を通じてわかった北陸地方の意外なインバウンド観光の実態

訪日外国人観光客に人気の旅行先は、以前であればゴールデンルートに偏っていましたが、最近では地方にもスポットライトが当たり始めています。観光庁が2017年6月30日にリリースした宿泊旅行統計調査によると、2017年4月に地方部に宿泊した訪日外国人観光客数は、一昨年・去年と比べてそれぞれ10.2%、17.2%と増えており、地方部を滞在先として選ぶ訪日外国人観光客が着実に増えていることがわかります。そのような状況の中、訪日外国人観光客は、何を目当てに地方を訪れているのでしょうか?日本政策投資銀行...

台湾人の3人に1人は北陸旅行を検討中?訪日客から注目集める北陸地方 2018年の北陸地方のインバウンド市場を読み解く4つの傾向を解説

インバウンド誘致は地方創生につながるものとして注目されています。以前の記事でもご紹介したように、訪日外国人観光客は日本人旅行者の4倍以上のお金を旅行中に支出するため、訪日外国人観光客の誘致は地方での財源の確保、人口減・過疎化といった社会問題の解決に間接的につながります。こういった背景から、地方部ではインバウンド誘致が加速しており、企業や自治体、観光協会はインバウンド対策に乗り出しています。北陸地方でもインバウンド誘致に対する取り組みを行っており、訪日外国人観光客の間でも徐々に北陸地方に対す...

訪日回数が増えないと訪れてもらえない北陸地方…いかに訪日回数が浅い訪日外国人を呼び込めるかが今後の北陸インバウンドの課題

日本政策投資銀行は2012年より継続的に「アジア8地域・訪日外国人旅行者の意向調査」を公表しています。昨年2017年も、アジア・欧米豪12地域の海外旅行経験者を対象にインターネットによるアンケート調査を実施しており、日本への訪問経験、認知度や訪問意欲を調査しています。調査対象となったのは中国、台湾、香港、韓国、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、イギリス、アメリカ、フランス、オーストラリアの12地域に住む外国人で、2017年6月29日~2017年7月12日の期間に行わ...

 

新国立競技場建設計画・五輪エンブレムの白紙撤回

新国立競技場建設コストの大幅増額に各所から批判が相次いだことによる建設計画の白紙撤回盗用疑惑指摘による五輪エンブレムの白紙撤回

世界中から注目を集めるイベント・オリンピックの準備段階での不手際は、日本に対する海外の信頼度に影響を与えることとなりました。また、新国立競技場の完成時期がずれこんだことにより、訪日外国人からも高い期待を得ていたラグビーワールドカップにおける新国立競技場の使用も絶望的となり、同大会への期待感を薄れさせる結果となりました。 

2015年は訪日外国人が急増した年だった

2015年は訪日外国人客数、インバウンド消費額ともに過去最高を更新しつつ、前年から大きな伸びをみせたという点でインバウンド豊作の年といえるでしょう。しかし、2020年の東京オリンピックを念頭におくと、準備不足を感じさせる諸問題も発生しています。今後のインバウンド市場にはまだ不安も残っています。

来年に予定されている東京オリンピックを成功させられるかどうかも、今後のインバウンド市場成長の勢いを決定づける重要な要因になると見られています。各種取り組みに今後も注目が集まります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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